「本当はタブレット+ガラケーがいい」「買う機種を自分で選びたくない」――女子大生がスマホに思うこと現役女子大生に聞くスマホ事情(1)(1/2 ページ)

» 2014年02月24日 13時27分 公開
[田中聡,ITmedia]

 女子高生起業家の椎木里佳さんに、最近の高校生のスマホ事情を聞いた記事(→「スマホの9割はiPhone」「有料スタンプは買わない」――女子高生起業家に聞くスマホ事情)が、大きな反響を呼んだ。ITmedia Mobileでこの手の記事を掲載するのはほぼ初めてだったので掲載前は緊張したが、「知らなかった」「参考になった」という反応が意外に多かった。

 スマートフォンの使い方は人ぞれぞれだが、スマートフォンほど世代によって使い方が異なる電子機器はないだろう。年代もそうだが、学生や社会人など、環境が異なればなおさらだ。高校生がどのようにスマートフォンを使っているかは、それ以外の年代には、なかなか想像できないものなのかもしれない。そこで、今回は現役女子大生にも最近のスマホ事情を聞いてみた。

 取材にご協力いただいたのは、リクルートの内定者で、アプリ開発者でもある「ミラクル☆ガールズ」(→リクルートの内定者“ミラクル☆ガールズ”が開発――プレゼント動画アプリ「MINMOO」)。メンバーは、東京大学 文学部 4年の丹下恵里さん、中央大学 理工学部 4年の古川愛さん、東京大学大学院 学際情報学府 修士2年の王夢さん、津田塾大学 学芸学部 情報科学科 4年の平田淳さんの4人。

photo ミラクル☆ガールズの皆さん。左から古川愛さん、丹下恵里さん、王夢さん、平田淳さん

 彼女たちはアプリ開発者なのでスマートフォンについてはそれなりに詳しいが、いわゆるギークと呼べるほどではなく、筆者が話した限りは、日常生活では一般の学生と同じように“それなりに”スマホを使っている印象だった。そんな彼女たち自身と、彼女たちの周囲の学生たちは、どのようにスマートフォンを活用しているのだろうか。第1回は「端末」に焦点を当てたい。

使うスマホの比率は「iPhone:Androidで6:4くらい」

 4人が使っているスマートフォンは、丹下さんと平田さんが「iPhone 5」、古川さんが「iPhone 5s」、王さんが「Disney Mobile on docomo P-05D」で、ここでもiPhone率が高い。周りの学生は「iPhoneとAndroidが半々くらいのイメージ」だそうで、どちらかというとiPhoneが多いというレベル。比率で言うと「iPhoneが6、Androidが4くらい」(古川さん)で、市場全体の比率と近い。「iPhoneが9割くらい」という椎木さんの周囲の高校生と比べると、Android率が高いことが分かる。年に1回機種変更をするという平田さんも「次はAndroidにしたい」と話す。

photo 4人が使っているスマートフォン。左から古川さんのiPhone 5s、丹下さんのiPhone 5、王さんのDisney Mobile on docomo P-05D、平田さんのiPhone 5

 しかし「Androidで人気のメーカーは?」と質問したところ、「これ」という回答はなかった。というのも、「Androidを使っている人の方が、あまりギークじゃない」(王さん)そうだ。一般的な感覚からすると、Androidの方がギークで、iPhoneは初心者が好む、というイメージがあるが……。丹下さんは「iPhoneはキャリアがサポートしてくれないし、こっち(Android)の方が水色でかわいいから、という理由でAndroidを使っている人が多いです」と話す。iPhoneはホームボタンが壊れたり、(iPhone 4/4Sの)背面ガラスが割れたりしている人が多いので、「Androidの方が壊れにくいイメージがある」のも大きいようだ。

 Androidで人気の高いXperiaは、「持っている人は多いけど、それほど目立たない」(丹下さん)とのこと。平田さんはauの「Xperia acro IS11S」を使っていたが、テザリングができなかったため、iPhoneに替えたそうだ。

 アプリ(MINMOO)の開発やメンテナンスをする関係で、4人は常にノートPCを持ち歩いており、ネット接続するためにモバイルWi-Fiルーターやテザリングが欠かせないという。ただし周囲の学生は「テザリングって何?」という人がまだ多いようで、「『デザリング』と言っている人もいる(笑)」(古川さん)というほどで、あまり浸透していないようだ。

3年前にスマホを使っている人はキモかった?

 4人がスマートフォンに乗り換えたのは、今から約2年前ほど。周囲も2011年夏〜秋にかけて乗り換える人が多く、「iPhone 4Sが出る前後くらいが一番多かった」(丹下さん)。丹下さんは、「2010年(大学1年生のころ)まではみんなガラケーを使っていましたけど、2年生のころからスマートフォンに乗り換える人が増えました」と話す。

 「1年生のときに、スマートフォンを使っている人は、何かキモいみたいな感じがありました(笑)」と丹下さん。え、キモい……? 2010年はデコメールが流行していたので、「メッセージ」アプリでデコメールをやり取りできないiPhoneや、デコメ非対応のAndroidスマートフォンは敬遠されていたようだ。「『あいつ絵文字使えないんだろ。メールするのやめよう』みたいな(笑)。こっちもすごく凝ったメールを送っているのに、iPhoneは画像が崩れてしまうので……」(丹下さん)

 では、4人がスマートフォンに替えたきっかけは何だったのか。一同「う〜ん」と考えた後、丹下さんが「Googleマップがうらやましくて替えました」と話すと「それだ!」と反応する古川さん。「(地図アプリは)スマートフォンの一番のいいところだと思いました。私はすごい方向音痴で地図が読めないので、進行方向が分かるのがありがたいです(※ケータイでも電子コンパス対応のものはあったが、あまり知られていなかったようで)。iPhoneのおかげで、初めての場所にも無事に着けています」

 王さんはLINE、平田さんはTwitterのためにスマホに替えたそうだ。「画面が大きいですし、タイムラインを更新しやすいので。Twitterアプリのユーザーインタフェースは、リアルタイムでつながっているような感覚があります」(平田さん)

本当はタブレットとガラケーを持ちたい

 通信キャリアは丹下さんがau、古川さんがソフトバンク、王さんと平田さんがドコモ。それぞれのキャリアを使っている理由は、古川さんが「ボーダフォンのころから使っていたので、なんとなく」、王さんと平田さんが「家族割があるから」。丹下さんは、当初はJ-フォンを契約していたが、一括0円+割引きにひかれて、ソフトバンクからauにMNPした。ただし家族はソフトバンクなので、家族との通話用にケータイも使っているそうだ。「携帯は(ボタンを)ポチポチ押せるので癒されます(笑)」と丹下さん。

 スマートフォンに替えたものの、使いにくくてケータイに戻る人が多いという話も聞くが、丹下さん以外の3人は、ケータイに未練はないのだろうか。「ガラケーに戻りたくはないけど、押したときの感触はガラケーの方がいいですね」と王さん。古川さんは「ガラケーの方が個性がありました。スマートフォンはカバーを替えられますけど、個性はあまり……」との意見。王さんも「(一部のスマホは)ストラップを付けられないのがいや」と話す。

 丹下さんは「本当はタブレットとガラケーを持ちたいです」と話す。「ケータイでPCサイトを見られないのがすごいストレスでした(※「PCサイトビューアー」や「jigブラウザ」などの手段はあったが、これも若年層にはあまり浸透していなかったようで)」と話す古川さんも、タブレット+ケータイの利用スタイルには同意していた。

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