フリービットは6月27日11時より、コンシューマー向けスマートフォンキャリア事業「freebit mobile」において、家族のための安心・安全な見守りオプションサービス「PandAファミリー」の提供を開始した。同日行われた発表会では、フリービット 代表取締役社長CEO 石田宏樹氏が登壇し、サービスの特徴や狙い、今後の展開について語った。
PandAファミリーは、保護者が子どもや高齢者など家族の現在位置情報を、スマートフォンやPCから手軽に閲覧・管理できるほか、Google Playの利用やPandAの利用時間帯を制限したり、保護者側の端末から子どもや高齢者側の端末へ一斉にメッセージを送ったりできるというもの。PandAユーザーであれば無料で利用でき、ホーム画面にアプリとして表示される。
例えば子どもが端末のWi-FiとGPS機能をオンにすれば、その現在地が保護者側の端末で把握できるほか、所在地情報の履歴も管理できる。また、子ども側も現在地が取得されていることも分かる。利用時間制限を行うとロックがかかって一切の操作ができなくなるが、「緊急時の操作は今後考えていく」と石田氏は説明する。アプリの利用制限では、パスコードを入力しないとGoogle Playが利用できないようになっている。
また、保護者端末から送られたメッセージはロック画面よりも前に表示されるので、確実にメッセージを通知することができる。メッセージは長押ししないと消すことができず、表示中は物理キーの長押しで電源を切ることもできない。「バッテリーの脱着を行って電源を付け直しても、メッセージの画面が表示される」(石田氏)という徹底ぶりだ。
「これまで現在地情報の把握や利用制限などは子どもや高齢者向けスマホなど限られた端末でしかできなかった。それを、フリービットが提供するスマートフォン『PandA』があれば、より簡単な操作で実現できる」と石田氏は胸を張る。
また、石田氏はサービス誕生の背景を語った。「14〜23歳のスマホ・タブレット非所有者および55歳以上の高齢者の間でスマホやタブレットの利用意欲が非常に高い。だが、主要3キャリアにおける家族向けサービスは主に料金の割引サービスに偏っている現状がある」と石田氏は説明する。また、キャリアがキャッシュバックなどで新規ユーザー獲得を重視する中、「PandAユーザーに無料オプションとしてPandAファミリーを提供することで長期契約者を優遇したい」(石田氏)と続けた。さらに、「子どもやシニア向けスマホはアプリのダウンロードを制限されていたり、各種設定もスマホ本体で行う必要があるなど、保護者や子どもたちのニーズに応えられていなかった」という。
保護者の管理者登録を実店舗で行うのも、PandAファミリーの特徴だ。6月27日時点では、福岡市の天神と名古屋大須商店街にあるフリービットの店舗である「ATELIER(アトリエ)」でしか登録できない。石田氏によると、「今夏東京にもアトリエを開店する予定」としており、Webによる管理者受け付けも将来的に考えるという。店舗のみで登録する理由については「まずは店頭で始めることで、どんな問題が起きるかを見ていく。そして、それを迅速に改善していくことを目指す」(石田氏)としている。なお、石田氏は「法人からも需要があるので、リリース準備はしている」と語った。
発表会の中で、「他社にはない技術やノウハウの蓄積がフリービットの強み」と繰り返し主張していた石田氏。「ハードウェアとサービス含め、シンプルで分かりやすい仕組みをこれからも提供していく」(石田氏)と今後の展望を語った。
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