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» 2014年10月28日 11時57分 UPDATE

通信、サービス、サポートで日常生活に入り込む――「生活革命」で差別化狙うKDDI (1/2)

端末のスペックが横並びとなり、差別化が難しくなる中、auは2014年冬モデル発表会でユーザーの日常生活に寄り添ったサービス中心の戦略を語った。

[村上万純,ITmedia]

 キャリアの新製品発表会といえば、これまでは新機種が主な内容だった。しかし、端末のスペックが頭打ちになって各社で違いが出にくいこともあり、各社はサービス、通信、サポートなどで他社との差別化を図ろうとしている。特に10月27日に開催されたau2014冬モデル発表会は、au VoLTEを中心とした通信、サービス、サポートの話がメインとなり、端末はそれらに付随する形での紹介にとどまっていた。

photo 左から松岡修造さん、KDDI田中孝司社長、咲花さん、福士蒼汰さん

 KDDIがインターネットサービス企業11社とともに、10月16日に新たなモバイルインターネット体験の創出を目的とする「Syn. 」(シンドット)構想を始動させたのは記憶に新しい。人気アプリを相互に行き来できる“中心のないポータル”として、KDDIは新分野を切り開いていく構えだ。

 また、当然ながら自社サービスもさらに強化していく。今回の発表会でKDDI田中孝司社長が語ったメインテーマは「生活革命」。「au VoLTE」や「au WALLET」、同じ趣味を楽しむ集団にスマホ活用術を教える「auおせっかい部」など、ユーザーの日常生活に「新しい自由」(田中氏)をもたらす、生活密着型のサービスを展開していく。

 田中氏は、3キャリアがiPhoneを発売し、Androidスマートフォンもスペックが頭打ちになっている現状について「3キャリア横並びとなり、違いが分かりにくいというお客様の声がある」とした上で、「auはネットワーク、端末、サービス、サポート、料金、ウォレット」という6つの側面から差別化を図っていくとした。

途切れない4G LTEと「au VoLTE」で生活革命

 2014年12月からの提供を予定しているau VoLTEだが、今回発表されたVoLTE対応スマホ、「isai VL LGV31」と「URBANO V01」はいずれも国内での3G通信(CDMA2000)をサポートせず、データ通信だけでなく通話もすべてLTEで行う。ユーザーが快適に通信を行うためには、LTEのエリアが途切れないことが求められる。ネットワークに強みを持つKDDIは、99%のLTE人口カバー率と99.9%を超えるLTE維持率を強調する。さらに、WiMAX2+が拡張され、10MHz帯2つを束ねた20MHz帯と、既存の20MHz帯によるキャリア・アグリゲーションを導入。下り最大220Mbpsの高速通信を2015年春に開始する。

photo 下り最大220MbpsのWiMAX2+
photophoto 99%のLTE人口カバー率と99.9%を超えるLTE維持率

 4G LTEのみの提供に不安を抱えるユーザーもいそうだが、田中氏は「年々トラフィックは増え続けているが、当面は大丈夫。今後は3.5GHz帯やもう1つのプラチナバンドである700MHz帯の展開もしていき、ますますネットワークを強化する」と語った。

 ネットワークの広さとつながりやすさ、速さに加え、今回のメインテーマとなるVoLTEの新サービスにも注目したい。通話品質の向上、発着信時間の短縮化、音声通話とデータ通信の併用といった基本スペックの進化以外に、日常生活を変える「シンクロ体験」として5つのサービスが発表された。1対1で通話相手と利用できる「シンクコール」で提供される機能として挙げられたのは、通話中にスマートフォンの画面や再生中の音声を通話相手と共有できる「画面シンク」、カメラで映している映像をライブ中継のように共有できる「カメラシンク」、画面上で一緒に絵や文字を描画できる「手書きシンク」、お互いの現在地を地図上で共有できる「位置シンク」の4つ。

photophoto 固定電話よりも高品質な通話を体験できるというVoLTE(写真=左)。5つの新サービスを提供(写真=右)

 画面シンクを使えば、これまでなら同じ画面を共有する際にURLを送る必要があった手間を省くことができ、位置シンクを使えば道に迷って電話をかけた際に、電話上で現在地をうまく伝えられないといったこともなくなる。

photophoto 画面シンクを使えば、これまでのようにURLを送って画面共有する必要がなくなる

 Web閲覧時やアプリ利用時などに着信があった際、表示している画面をそのままにして着信を受けられる基本機能は12月に提供されるが、4つの機能は2015年2月に提供予定。通話者同士をインカメラで映す「ビデオコール」のような使い方はできないが、いずれも他キャリアに先駆けてリリースするau独自の機能だ。

 法人需要を狙ったボイスパーティーは、発信者を含めて最大30人が同時通話できる音声サービス。月額300円(税別、以下同)のオプション、または月額400円の「電話きほんパック (V)」オプションへの加入で利用でき、発信者には通話先に応じた通話料が人数ごとに都度課金されていく。

photo 法人ユーザーの会議などで活用できるボイスパーティー

 田中氏は「iPhoneやMVNOへのVoLTE対応はまだ検討中で、iPhoneについてはApple次第。フィーチャーフォンも今後VoLTE対応機種を発売する」と説明する。過去のAndroid端末はVoLTEには対応しない。発表に先立って発売した「Xperia Z3 SOL26」や「GALAXY Note Edge SCL24」にVoLTEを対応させなかった理由については、「まずは4G LTEのエリアをしっかり作っていかないといけない。提供は年末からと思っていたので、先に発表したものは対応の予定がなかった」と田中氏は話す。

 かねてより予告しているFirefox OS搭載端末については「年内のクリスマスプレゼントということで」(田中氏)と話し、2014年内に詳細を発表することを明かした。なお、VoLTEには対応しない。

VISA対応のau専用クレジットカードで生活革命

 2014年にサービスを開始し、累計契約数が660万人を突破した「au WALLET」には、新たにVISAと提携した「au WALLET クレジットカード」をラインアップ。日々の買い物や公共料金の支払い、au携帯電話の支払いなどが可能で、au WALLET カードの2倍となる2ポイント/200円が、支払いごとに付与される。24社、約2万2000店の「ポイントアップ店」では、通常よりも多い3〜4ポイント/200円がたまる。10月28日9時より申し込みを受け付け、3日〜5日間ほどで手元にカードが届く。

photophoto

 田中氏はau WALLETはセブン-イレブンなどのコンビニやマツモトキヨシなど、ユーザーにとって身近な店舗で使われており、日常生活に寄り添ったサービスになっていることを強調した。10代ユーザーではAmazon.co.jpやAppleのiTunes Storeなどで利用されており、学生のネット決済手段として活用されていることが分かった。

photophoto au WALLETの年代別利用店舗(写真=左)。au WALLETのポイントアップ店舗

趣味の場でのスマホサポートで生活革命

 2014年11月に発足するというauおせっかい部は、同じ趣味を楽しむ仲間グループにスマホ活用方法を教えるというもの。例えば、シンクコールの機能である位置シンクを旅行好きのグループの待ち合わせに使ったり、カメラシンクを旅行先の景色を共有する際に使ったり、画面シンクを社交ダンス好きのグループの動画による勉強に使ったり、といった使い方を提案していく。

photophoto 11月に発足する「auおせっかい部」(写真=左)。シンクコールの活用法の例(写真=右)

 ただ単にサービスを提供していくだけでなく、それを日常生活でいかに使っていくかという提案を積極的に行い、ユーザーのサービス利用を促進する狙いだ。

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