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» 2014年11月27日 13時14分 UPDATE

屋台で買うのが最も手軽:海外プリペイドSIM導入マニュアル――「ミャンマー・ヤンゴン2014年」編 (1/2)

数年前までは自国民ですら携帯電話の入手が困難だったミャンマーも、海外の通信事業者が参入し、容易にプリペイドSIMが買えるようになった。現地3社のプリペイドSIMの使い勝手も三者三様、それぞれを試してみた。

[山根康宏,ITmedia]

ようやく自由にプリペイドSIMが買えるようになったミャンマー

 以前はビルマと言う国名だったミャンマー。1962年の軍事クーデター後、長らく軍政が続いたが、それも2011年に終焉を迎え、その後は経済の開放が進められている。

 通信事業もその1つであり、以前は国営のMPT(Myanma Posts&Telecommunications)のみが固定・携帯電話事業を行っていた。だが2013年にオークションによる外資事業者への開放が実現し、中東カタールのOoredoo(オーレドー)とノルウェーのTelenor(テレノール)の参入が実現した。また応札したものの落札できなった日本のKDDIは、その後MPTと共同事業契約を締結している。

 日本からミャンマーへのアクセスは直行便が少ないため、タイやマレーシアなど近隣国からの入国が簡単だ。LCCのエアアジアも飛んでいる。ただし、ミャンマーへの入国にはビザが必要だ。これも以前ならミャンマー大使館でのみ取得が可能だったが、現在はオンラインでの取得も可能になっている(入国はヤンゴン空港のみ)。ヤンゴン空港はこじんまりとしているものの、東南アジアの空港としては綺麗であり市内への足もチケットタクシーのカウンターがあるので、ぼったくられるようなことは少ないだろう。プリペイドSIMも空港で購入が可能だ。

photo ヤンゴン市中心部。車も多く高い建物も並んでおり意外と都会だ
photo 日本の中古車も多い。これは元・神奈川中央交通。車体右にドアを新設して走らせている
photo ヤンゴンの顔といえば黄金に輝くシュエダゴン・パゴダ。訪問時は改修中だったがその夜景は美しい
photo 夕方になると車のラッシュで渋滞がひどい。道路整備もまだこれからだ

 為替レートは11月時点で1ミャンマーチャット(通貨記号はKMM、以下チャット)が0.11円。ヤンゴン市内で買い物する時も1ケタ落とせばほぼ日本円なのでわかりやすい。マーケットや屋台などではビルマ語で値段が書かれているためわかりにくいが、簡単な英語が通じる場合もあるので指先を使って値段を聞けばなんとかなりそうだ。道端には朝から屋台も並ぶので食事に困ることはない。例えばミャンマーカレーは2000チャット前後(約220円)、麺料理のカウソエが500チャット前後(約60円)と安い。なお経済開放が遅れているため、他の東南アジア諸国にはあるマクドナルドやスターバックスのような外資系のファーストフード店はない。

 さて、ミャンマーでプリペイドSIMを購入するには、身分証明書の提示と登録が本来必要なのだが、実際は街中の屋台で自由に売買されている。9月にOoredooが、10月にTelenorが参入してから各社加入者獲得競争を繰り広げており、ヤンゴンではプリペイドSIM販売屋台も急増しているのだ。キャリアの店舗は代理店がほとんどで、MPTがヤンゴン中央郵便局に専門店を開いている。なおこの店舗は11月13日のオープン日に、ASEAN首脳会議のため当地を訪れた安倍晋三首相も訪問、記念SIMカードが進呈されたことはニュースにもなった。筆者が訪問したのはそれからわずか4日後、式典のことがわかっていたらもう少し早く訪問したかったものだ。

photo 屋台や露店の多くが通信事業者の広告入りの日傘をさしている
photo 焼き上げるから大丈夫だろうと串焼きにも挑戦。幸いなことに胃を壊すことはなかった
photo 屋台は至る所にあるが、スタバなどは皆無。街歩きに疲れたときにちょっと休む場所は悩んでしまう
photo こちらはミャンマーカレー。なお小さなショッピングモールにはフードコートもある

 なお3社の通信方式はGSM(MPTとTelenor)とW-CDMA(3社)。MPTはCDMA方式も提供しているが端末の用意が難しいこともあり、W-CDMAに対応する一般的なスマートフォンの利用で十分だ。

ヤンゴン空港で買ったOoredooが使いやすい

 バンコクからエアアジアに乗り、ヤンゴン空港に到着したのは11月17日の18時すぎだった。入国審査ではオンライン取得したビザのプリントアウトと、入国カード、パスポートを渡すと、質問もなくあっけなく入国できた。そのまま荷物を受け取るターンテーブルへ向かうと、その場には両替所がずらりと並んでいる。ヤンゴン市内にはATMもありキャッシングもできそうだが、あらかじめここである程度両替をしておいたほうがよさそう。なお米ドルの両替はどこも応じるが、日本円の両替は一部の店のみだった。

 この両替所の並びにはTelenorのカウンターもあった。ところが店員さんがいるにも関わらず営業は18時で終了とのこと。市内に行けば自由に買えるとの言葉を信じ、荷物を受け取って制限エリアを出て到着ロビーへと出た。

 ロビーに通信事業者の店舗はないが、観光案内所とチケットタクシー乗り場ではOoredooのプリペイドSIMを販売している。ただし定価ではなく上乗せした価格で販売しているようで、SIMカードの価格が5000チャット(約550円)。パスポートの提示や登録は不要だ。追加する料金もここで買えるので一緒に購入したが、データ料金が10チャット/1Mバイトなので分かりやすい。料金追加のバウチャーは5000チャット単位で売っている。つまり5000チャットを払えば500Mバイト、1万チャットなら約1Gバイトとなるわけだ。なお支払いは現金のみ。ここでは1万チャットを追加でリチャージしてみた。

 空港ロビーにはAsia Mega Linkという携帯電話販売店があり、ここではMPTのSIMを売っていた。ここはきちんとした販売形式で、SIMは1500チャット、パスポートによる登録が必要だ。ただ今回は、MPTのSIMを前述した安倍首相が訪問した中央郵便局の店舗で買うこととし、ここでは購入しなかった。

photo Telenorのカウンターは非情にも「Closed」。18時で閉店とのこと
photo 観光案内所と、右にちらりと見えるタクシーカウンターでOoredooのプリペイドSIMを扱っている
photo Asia Mega Linkの店舗。こちらはMPTを扱っている
photo 購入したOoredooのプリペイドSIMと5000チャットのバウチャー2枚

 OoredooのプリペイドSIMは、カウンターでSIMの装着や料金の追加もスタッフが行ってくれた。データ通信設定を行えばすぐに通信が開始し、スマートフォンの画面にはHSDPA接続を示す「H」のマークが表示される。試しに速度を測ったところ、下り2Mbps弱。途上国であることを考えればまあこんなものだろうか。

 ここで残高照会を行うと、初回ボーナスとして通話代500チャット(約55円)と、10Mバイトの無料データ分がついていた(実際はいくらか通信したので残高は5Mバイトを切っていたが)。そのため1万チャットをチャージしてからちょっとデータ通信を行ってみたが残高は減っていなかった。まぁ、ボーナス分はすぐになくなってしまうだろうし、データパッケージを申し込んだほうが断然得なので料金をチャージした後はその手続きを早速おこなおう。Ooredooのデータパッケージは以下の通り。

  • 50Mバイト:399チャット/日
  • 500Mバイト:3900チャット/月
  • 1Gバイト:6900チャット/月
  • 2Gバイト:1万2900チャット/月
  • 5Gバイト:2万9900チャット/月
  • 10Gバイト:5万5900チャット/月

 1Gバイトで約750円、5Gバイトでも3300円程度と料金は割安だ。パッケージの申請はSMSでも行えるが、*133♯に通話し、画面に表示されるメニューに従って操作するのが簡単だ。残高やデータパッケージのデータ残量も*133♯発信で行える。なおデータ通信設定は以下の通り。

  • APN ooredoo
  • ユーザー名 ooredoo
  • パスワード なし
photo *133♯に発信後、画面設定に従う。データ申請は容量を選んだ次の画面で確認の「1」を押すことを忘れずに
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