「歩きスマホ」のゾッとした光景 動画で啓もうはアリかも?ITmediaスタッフが選ぶ、2014年の“注目端末&トピック”(ライター小林編)

» 2014年12月19日 16時00分 公開
[小林誠,ITmedia]

 2014年を振り返って、真っ先に思い浮かんだのが「歩きスマホ」でした。というわけで2014年最後に新機種も新料金も新サービスも無視して、これだけ書こうと思います。

 世間的にはドコモの「歩きスマホのシミュレーション動画」が話題になりました。

動画が取得できませんでした
ドコモが公開した動画

 「渋谷のスクランブル交差点で、みんなが歩きスマホを使っていたら」という想定でしたが、今見たらYouTubeでは再生回数が250万回を超えています。それに「歩きスマホ」がらみの事故の報道も多い気がします。年々「歩きスマホ」の問題がクローズアップされているのは、本当に増えているのか、「スマホだから」取り上げられているのか……。

 よくあるのが「スマホ以外でも“ながら歩き”はあった」という指摘。確かに、実際にスマホではなくフィーチャーフォンやポータブルゲーム機でながら歩きをしている人も見かけます。

 しかし一方で、「歩きスマホ」はスマホ以外のながら歩きよりも深刻では?  と感じている人もいるでしょう。スマホはユーザー数が多く、フィーチャーフォンより魅力的なコンテンツが増えて、PCより持ち歩きやすいです。そのため「屋外で没入する人」が増え、結果事故も増えているのでは? という話もありますね。これまでは私、漠然と「そうかもねー」と思っていたのですが、2014年に見た光景で「本当にそうだ」と思うに至りました。

 それは筆者の自宅近所の横断歩道でのこと。横浜駅近くの4車線の大きな県道で、交通量が非常に多いスポットです。そこにサイレンを鳴らした救急車がやってきました。横断歩道の信号は青。救急車が通過するまで横断しないのが安全ですが、救急車が来る前に小走りに渡る歩行者もいます。

 ですが、そこに1人だけゆっくりと「歩きスマホ」をしながら渡っている若い男性(見た目は10〜20代)がいるではありませんか。大きなサイレンを鳴らしている救急車が近付いているのに、全く気付いていない様子。ただスマホを見ながら淡々と横断歩道を渡っています。

 その光景は本当に異様でした。彼はわざとやっているのか? と思うほど。結局救急車は彼の前でブレーキをかけ、そこでようやく歩きスマホの男性はクルマの存在に気付き、顔を上げ小走りで横断歩道を渡りきりました。

 そこでふと、学生時代を思い出しました。PCのMMORPGにハマり、満足に食事もとらずにゲームをし続け、道端に落ちているゴミがアイテムに見えていた、あの時代を。耳に入ってくる音すら遠くで響いているように感じることがあったのですが……これ、「歩きスマホ」の没入感に似ているのではないでしょうか。実際は全然別物かもしれませんが、自分の体験と重なると腑に落ちます。ただ、統計や検証でこれまでのながら歩きと比べて「歩きスマホは危険」と証明できるのかは分かりませんが。

 いずれにせよ、「歩きスマホ」が危ないのは間違いない。対策として「スマホを使うな」は無理ですし、「歩きスマホを感知したら画面に警告を表示」という機能も使わないでしょう(そういう画面を開発した方々、申し訳ありません……)。一方で、救急車のシーンやドコモの動画は、私の記憶に強く残りました。自分が歩きスマホをしようとすると、思い出し、立ち止まるほどに。

 これはなぜでしょう? 危険な場面を直接見た、動画がユニークだった、という理由も考えられますし、身近なよく知っている場所の出来事(渋谷の場合は、身近でなくてもテレビでよく見ますし)だったから、というのもありそうです。今でもその横断歩道を通るたび、あの時の光景を思い出します。ということは、手軽に動画が撮れる時代ですし、例えば地域の人が自分たちの街の道路で、地元オリジナルの「歩きスマホ防止」動画を作ったり、生徒や先生が通学路でシミュレーションして学校オリジナル版動画を作ったりすると効果があるのかもしれません。

 そんなもの作っても誰も見ない? そうかもしれませんね。ですが、それを地域限定、学校限定の交通安全教室で見せることもできます。友人、知人が身近な場所で作った動画は、クオリティや視聴数の問題があっても見た人の記憶には残るかもしれません。記録よりも記憶に残る動画作りを目指すのもいいでしょう。

 ドコモの動画を見ていない方、どうぞこの機会に再生してみてください。見ると分かりますが、音楽や動画内に小ネタが仕込まれていて、真面目なだけでなく意外と面白く記憶に残りやすいです。動画の印象が強く残れば、「歩きスマホ」を自然と防ぐことができるかもしれません。筆者の救急車のシーンと違って、いつでもどこでも何度でも見られることですし。

 それでは「歩きスマホ」はもちろん、どんな事故にも気をつけつつよいお年を。

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