ニュース
» 2015年02月25日 20時32分 UPDATE

SIM通:ちゃんと知りたい!格安SIMやMVNOって何?

「なんとなく分かったようでわかっていない」や、「それでもやっぱり安すぎるのは不安」などの声がある格安SIMやMVNなどのことだ。改めて基本から解説したいと思います!

[SIM通]
SIM通

 SIM通ではたびたび「格安SIM」や「SIMフリー」について触れていますが、「なんとなく分かったようでわかっていない」や、「それでもやっぱり安すぎるのは不安」などの声があることを受け、改めて基本から数回に分けて解説したいと思います!

photo

ケータイ料金が安くなるって聞くけど…

 例えばマツコ・デラックスさんが登場するこちらの広告、テレビや電車、インターネット等で目にしたことのある方も多いのでは?

photo

 番号そのままで、通話とパケット料金合わせて1,600円からという謳い文句。ドコモ、KDDI、ソフトバンクといった大手キャリアでスマートフォンを購入すると、本体代金を除いても月々の使用料だけで5,000円〜6,000円はかかります。それがこの価格。にわかには信じがたいですよね。

 上記はNTTコミュニケーションズの扱う「OCNモバイルONE」の広告で、下は昨年サービスを開始した楽天モバイルの広告。

photo

 月30分の通話料を含めても月額料金が約1/3。しかもエリアはドコモと同じで、「ドコモと同じ下り最大150Mbpsの高速通信」とのこと。

 この他にも、IIJや日本通信、ビッグローブやUQモバイルなど、多くの企業が同様のサービスを提供しているんです。

どうしてそんなことができるの?

 通信費の価格破壊。実はこれ、国の施策なんです。

 総務省は昨年10月31日、モバイル(デバイス、サービス)を活用した経済の創生と国民負担(通信費)の軽減を目的とした、「モバイル創生プラン」を発表しました。モバイルの活用が日本の発展に不可欠であるとの考えを元に、

  • 1.端末選択の自由化
  • 2.通信費の削減
  • 3.ネットワークの高速化
  • 4.新たなサービス創出

 の4点を柱としたプランとなっています。格安SIMが続々登場している背景にはこの「通信費の削減」があります。なお、最近ニュースで目にする「SIMロック解除の原則義務化」も、この施策に則ったものです。

photo 図:「モバイル創生プラン」P.6、MVNO(後述)を活用した通信費削減施策の取り組みについて
photo 図:「モバイル創生プラン」P10 大手キャリアの料金プランとMVNO各社プランの比較

 かなり乱暴に言ってしまえば、料金横並びで価格競争を挑まない大手キャリア3社に業を煮やした総務省が、サービスの内容は劣るけれども安価に通信を提供できるMVNOの普及を後押ししているということです。

MVNOって何??

 MVNOを理解するには、MNO(移動体通信事業者)を知る必要があります。極簡単に言えば、自社で携帯のアンテナを所有しているところがMNO(Mobile Network Operatorの略)です。ドコモ、KDDI、ソフトバンク等該当します。(これ以外にももちろんあります)。携帯電話用の電波を届けるために莫大な設備投資を行い、日本全国に通信用の鉄塔(基地局)を建てたりしている企業ですね。

 それに対し、MVNOはMobile Virtual Network Operatorの略で、日本語にすると「仮想移動体通信事業者」となります。MVNOは、自社で無線通信施設を持ちません。その代わり、MNOにお金を払って通信施設を間借りして、利用者に提供します。そのため、MNOと同じエリア、上限速度でサービスを提供できるのです。

 先生難しいです…

 はい、すみませんでした…では、高速道路に例えてみましょう。

ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、それぞれ独自に高速道路を全国に敷いています。ドコモが敷いた高速道路は、ドコモユーザーしか通れません。他も同様。ちょっと極端ですが、各社莫大な資金を投資して、片道100車線の高速道路を全国に整備したと想像してください。

photo

 これまでは各社の直接のユーザーしか高速道路を利用できませんでした。高速道路の整備にかかった費用が100億円として、利用者が100万人いたら、10,000円/人負担する計算です。

 それが、車線毎に切り売りをするようになりました。その結果、こうなります。

photo

 100車線あるので、1車線あたり1億で売れればトントンですね。1億1,000万円で売れたら利益が上がります。

 では、MVNO各社に、1車線を1億1,000万円で売ったとします。MVNO各社は、ドコモユーザーの半額の5,000円で高速道路利用サービスを提供したとします。1億1,000万円の元を取るには、22,000人のユーザーを集める必要がありますが、通常の利用料の半額ということもあり、30,000人のユーザーを獲得できました。

 すると1億5,000万円の収入となり、4,000万円の黒字です。こうした仕組みで、MNO、MVNO双方が利益を得ることができるのです。

 あれ、ということは…

 はい、お気づきの方もいらっしゃると思います。MNOが提供する車線と比べ、MVNOが提供する車線は密度が高い=いち回線を使うユーザー数がMNOより多いのです。格安で提供できる秘密はここにあります。

 が、 最大150MbpsのLTEネットワークが普及し、多少混雑しても実用上差し支えない速度が出るようになったので、「そこまで空いてなくても構わない」ユーザーには、格安で利用できるMVNOが最適と言えます。

 今回は設備投資費の面から格安 SIM が安い理由をお話ししましたが、これ以外にも、MVNO はキャリアに比べてユ ーザーサポートがさほど充実していなかったり、実店舗が少なかったりするのも事実。ですが正しい知識を持てば怖くありません。そのためのSIM通ですよ皆さん!

 次回は「SIMって何?」というテーマでお届けする予定です。乞うご期待!

関連キーワード

MVNO | 通信事業者 | 設備投資 | 総務省 | 基地局


Copyright:(C) 2016 NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.