OCN モバイル ONEへの入会前/入会後にかかわらず、問い合わせ先としてフリーダイヤルの電話番号(0120-506506、年末年始を除く10:00〜19:00)がある。Webサイトから予約相談もできる。
OCNの会員用マイページには問い合わせフォームもあるが、OCN モバイル ONE専用ではなく、会員全体の問い合わせフォームになっており、住所変更といった手続きに使うものとなっている。OCN モバイル ONE特有の通信設定などの相談をするのには向かないだろう。
ほかにもNTTコムストアにはチャットのサポートがあり、OCN全体であれば「OCNプレミアムサポート for スマートフォン」というセキュリティやアプリ、設定などを遠隔操作でサポートする仕組みがある。詳細はこちらを参照。
ただしOCNのマイページとOCNプレミアムサポート for スマートフォンは、それぞれが異なるサイト上にあり、どちらのサイトが、どの分野をどの程度サポートするのかが非常に分かりにくい。
NTTコムストアでセット購入したスマートフォンの保証については、gooのスマホについては、故障時に3000円で新品に交換するサポート(36カ月保証、1年に2回まで)を5月中旬以降に提供する予定。そのほかの端末のサポートは、各端末メーカーが対応する形となるので、端末の修理・交換受付は(通常1点のところ)0.5点とした。
また、ゲオの店舗で端末をSIMとセットで購入して、ガラス割れなどの破損または水没した場合、免責金額を支払うことで新品同等品と交換する保証サービスを、4月27日から一部店舗でテスト運用している。全国展開は未定のため、訪問or店頭サポートは(通常1点のところ)0.5点とした。
評価:7/10
会員専用Webページを用意:1
よくある質問の掲載:1
SIMの設定方法の掲載:1
専用問い合わせフォーム:1
電話窓口:1
電話24時間対応:0
電話365日対応:0
チャットでサポート:1
端末の修理・交換受付:0.5
訪問or店頭サポート:0.5
MVNOはMNOとなるNTTドコモやKDDIの回線を借り受けて通信サービスを提供しているが、その通信品質は各社でばらつきがある。ドコモのLTE回線を使うOCN モバイル ONEの通信速度は、理論値で高速通信時に下り最大150Mbps、上り最大50Mbps、低速通信時に上下最大200kbpsとなっている。また500kbpsコースは下り最大500kbpsとなる。
では実効速度はどれほどか。都内で通信速度を測ってみた。テストに使ったのはOCN モバイル ONEの5Gバイト/月コース。スマートフォンはAscend Mate 7だ。計測には「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用した。高速通信と低速通信の上り/下り速度、ping(数字が小さいほど反応がいい)をそれぞれ5回計測し、平均値を出した。計測場所、時間は以下のとおり。
まず高速通信の平均速度結果を見ると、地下、屋内、地上といった条件よりも、時間の影響が極めて大きい。12時過ぎの新橋駅と秋葉原駅では、トラフィックが集中したためか、下りの通信速度は1Mbps以下ばかりだった。
秋葉原駅で記録した最低の下り速度が0.32Mbps。1回だけとはいえ、低速通信並みの速度だ。低速通信は、下り/上りともに0.18〜0.49Mbpsだった。ランチタイムはどうせ遅いのだからと割り切って、ターボ機能をオフにした方がいいかもしれない。
一方、上りの通信速度は十分で、食事の写真をアップロードしたり、動画を投稿したりすることは問題なさそう。午前中の新宿駅と東京タワー下では10Mbps以上で安定しており、日本一利用者が多い新宿駅で下りの最大速度19.93Mbpsを記録。時間帯に注意すれば高速通信で快適に使えそうだ。
実際に使ってみると、ターボ機能をオフにして低速通信を使っていても、ブラウザやTwitterはスムーズに閲覧が可能。あとは気持ちの問題で、急いでサイトを見るときなど気持ちが焦っていると遅く感じることはある。
Googleマップやブラウザは4Gの方が表示が早いものの、筆者の使用範囲(横浜周辺、鉄道利用中の使用が多い)だと「4Gのわりに表示が遅い」と感じることがある。同じタイミングで通信速度をドコモのiPhone 6と「RBB TODAY SPEED TEST」で比較してみたが、OCN モバイル ONEの方が常に下りの通信速度が遅く(数Mbps〜10Mbpsほどの差)、上りの通信速度はOCN モバイル ONEの方が速いという結果となった。
実際に使っていて特に顕著なのがYouTubeの再生で、4Gのアンテナが4本出ていても数秒で再生が止まることがある。そんなときに通信速度を計測すると、下りで2Mbpsという具合。エリアは問題なくても通信速度が遅いのだ。10Mbps以上の速度が出ているときはYouTubeもスムーズに再生するのだが、どの場所や時間帯ならスムーズに再生できるのかは、アンテナアイコンだけでは判断できない。
さらに4Gから3Gへの切り替えも気になる。奥まった場所では4Gより3Gの方がつながることがあり、自動的にスムーズに切り替わってほしいのだが、時間がかかる。そんなときはむしろ一度ターボ機能をオフにして低速にしてしまった方がつながりやすい。
大手キャリアのLTEや4Gを体感している筆者の場合、OCN モバイル ONEを使っていると速度面で気になることはあった。ただし料金を考えるとOCN モバイル ONEの方がはるかに安いので、この程度の差なら許容範囲だと思う。
新宿 | 東京タワー | 新橋 | 秋葉原 | 赤坂 | |
---|---|---|---|---|---|
1回目(下り/上り) | 16.41/1.93 | 12.27/4.93 | 1.01/8.62 | 1/14.67 | 1.39/1.64 |
2回目(下り/上り) | 10.01/11.67 | 10.39/3.93 | 0.98/9.6 | 0.67/14.74 | 1.56/0.79 |
3回目(下り/上り) | 15.53/13.09 | 12.4/3.6 | 0.78/10.17 | 0.67/15.1 | 1.6/2.17 |
4回目(下り/上り) | 14.24/12.53 | 10.35/4.49 | 0.88/8.82 | 0.32/14.85 | 1.45/4.19 |
5回目(下り/上り) | 19.93/2.56 | 11.6/1.82 | 0.56/9.38 | 0.47/9.19 | 1.13/5.62 |
平均速度(下り/上り) | 15.224/8.356 | 11.402/3.754 | 0.842/9.318 | 0.626/13.71 | 1.426/2.882 |
新宿 | 東京タワー | 新橋 | 秋葉原 | |
---|---|---|---|---|
1回目(下り/上り) | 0.38/0.37 | 0.39/0.48 | 0.37/0.37 | 0.34/0.38 |
2回目(下り/上り) | 0.44/0.28 | 0.38/0.46 | 0.36/0.44 | 0.46/0.4 |
3回目(下り/上り) | 0.41/0.43 | 0.4/0.49 | 0.39/0.42 | 0.43/0.45 |
4回目(下り/上り) | 0.43/0.48 | 0.42/0.44 | 0.18/0.45 | 0.34/0.46 |
5回目(下り/上り) | 0.46/0.45 | 0.45/0.48 | 0.36/0.48 | 0.44/0.44 |
平均速度(下り/上り) | 0.424/0.402 | 0.408/0.47 | 0.332/0.432 | 0.402/0.426 |
評価:7/10
下り平均速度(高速):5.904Mbps:2
上り平均速度(高速):7.604Mbps:5
OCN モバイル ONEは、料金プランが8.5点、基本機能が9点、端末ラインアップが9点、販売場所が9点、サポート体制が7点、通信速度が7点で総合得点は49.5/60点。ゲオと提携したことで販売網とサポートが強化され、高得点といえる結果につながった。ただしセット端末のサポートや通信速度には、まだ改善の余地があると思う。
一方で月コースだけでなく、1日の通信容量を決めた日コース、500kbpsコースを用意した料金プランや9機種の端末ラインアップなど、ユーザーにとっては選択肢が豊富なのはうれしい。選ぶ楽しみがあるMVNOといえる。
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