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» 2015年05月21日 13時02分 UPDATE

SIM通:メリットばかりじゃない!SIMロック解除義務化の注意点

いよいよ始まったSIMロック解除の義務化。しかし、必ずしも多くのユーザに対して恩恵を与えるとは限らないのも事実です。その注意点などについて確認していきましょう。

[SIM通]
SIM通

 今年5月に実施される、SIMロック解除義務化。原則全ての端末が対象となり、使用している端末を持ったまま他のキャリアに移行することが容易にできると言われています。

 ですが、実際のところ、SIMロック解除義務化が必ずしも多くのユーザに対して恩恵を与えるとは限らないのも事実。そこでここでは、SIMロック解除義務化の内容と、ユーザが利用するうえでの注意点などについて確認していきたいと思います。

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そもそも「SIMロック」とは?

 SIMロック解除義務化について触れる前に、まずは「SIMロック」について簡単に説明しておきましょう。

 日本で販売されているスマートフォンで通話や通信を利用するには、キャリアのSIMを挿入する必要があります。それゆえ、同じスマートフォンを使っていても、SIMカードを差し替えれば、さまざまな会社の通信サービスを利用できるように思われがちです。

 しかし、原則としてキャリアから購入したスマートフォンは、そのキャリア、もしくはそのキャリアから回線を借りているMVNOのSIMでしか通信ができないのが一般的です。

 理由は、キャリアがスマートフォンを安価に購入できるよう、毎月の通信料を原資として割引しているためです。割引を受け、安価にスマートフォンを購入したユーザが短期間で回線だけを解約し、他キャリアのSIMを挿入して利用されると「元が取れない」ことから、他キャリアのSIMが利用できないようロックをかけているのです。

 同時に、キャリアがSIMロックをかけていることで、MNPでキャリアを乗り換える際に同じ端末を利用できず、わざわざ端末を買い直す必要があるなどユーザに不利益を与えている部分があり、競争阻害の要因となっているのも事実。

photo 総務省は12月に「SIMロック解除に関するガイドライン」を改正し、SIMロック解除義務化がなされることとなった

 そうしたことから、ユーザの乗り換えをしやすくし、キャリア間の競争をより促進するため、総務省は昨年10月31日に「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案を発表。12月22に改正が実施され、今年5月からのSIMロック解除義務化が決定しました。

SIMロック解除義務化の注意点とは?

 では、SIMロック解除義務化によって具体的に何がどう変わるのでしょうか。まず、従来SIMロックがかかっていたキャリアが販売する端末に関してですが、今年5月以降に発売される端末は、業務用の組み込み端末などごく一部を除き、どのキャリア、どの端末であっても原則SIMロック解除できるようになります。

 ただし5月より前に発売されている端末は、5月以降に購入してもSIMロック解除義務化の対象とはならない点には注意が必要です。

photo SIMロック解除義務化は5月以降発売の端末が対象となるため、4月23日発売の「GALAXY S6 edge」などは、基本的に義務化の対象外となるが、auは同機種でのSIMロック解除を条件付で行うと発表。

 また、ガイドラインには、SIMロック以外の機能制限についてもSIMロック解除時に解除できることが望ましい旨の記述がなされていることから、SIMロックを解除してもテザリングが利用できないなどの、いわゆる“APNロック”に関しても対処されるものと考えられます。加えて、SIMロック解除の料金も原則無料にすることが望ましいとされていることから、既に有料でSIMロック解除を提供しているNTTドコモの解除料も無料になる可能性が高いと言えそうです。

 義務化によってSIMロックの解除自体は大幅にしやすくなることが見込まれますが、一方でユーザが気を付けるべき点もいくつかあります。

 1つは、キャリアから販売されている端末は、そのキャリア専用にカスタマイズされた端末が多いという点。他キャリアのSIMに差し替えて利用すること自体は可能ですが、周波数帯や通信方式の違いで本来の性能が発揮できない場合があるので、注意が必要です。

photo auのネットワークを使用している「mineo」は、iOS 8以降のiPhoneで利用できなくなったことが大きな話題となった

 特にauや、auの回線を使用しているmineo、UQ mobileは、3Gの通信方式が異なるなどネットワークの仕組みがやや特殊なことから、au以外の端末では通話や通信ができないなどの問題が生じる可能性が高いといえます。

 もう1つは、キャリアの販売施策が大幅に変化し、人気のスマートフォンが購入しづらくなる可能性があることです。

 人気のiPhone 6のSIMフリー版は価格が8万円以上することからも分かるように、日本で人気のハイエンドスマートフォンは本来とても高価なもの。

 それをキャリアが長期契約を前提として非常に安価で販売しているので、SIMロック解除義務化で短期間での解約が増えれば大きな損害を被ることになります。このことからキャリアが販売施策に何らかの変更を加える可能性があるのでは?とも言われています。

 特に最近、継続利用を前提に端末代の高額な割引が受けられる一方、短期間で解約した場合、従来より一層高額な解除料を支払う必要がある割引キャンペーンをいくつかのキャリアが実施しています。SIMロック解除義務化に備え、短期解約者を減らす取り組みの一環と見ることができるのではないでしょうか。 

photo NTTドコモがオンラインショップなどで提供している「端末購入サポート」は、6ヵ月未満での解約に対するペナルティが厳しくなっている

 NTTドコモがオンラインショップなどで2月20日より提供している「端末購入サポート」を例に挙げると、6ヵ月の継続契約を前提として端末代を割り引く一方、6ヵ月以内に解約した場合は通常の2年縛りの解除料に加え、(機種によって異なりますが)約2〜3万円の解除料を支払う必要があるなど、従来より厳しい条件が設定されています。

 ソフトバンクでも同様に実施されており、今のところそうした制度をとっていないauも今後は何かしらのペナルティを設ける可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。

 SIMロック解除義務化で手元の端末を変えることなく、より安価なサービスに乗り換えがしやすくなるのは確かですが、それによってデメリットが生じることも知っておかなければなければなりません。(文:佐野正弘)

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