近年増加傾向にある「格安スマホ(MVMOを利用したスマホ)」利用者。MMD研究所が発表した「2015年5月格安スマホ利用者の満足度調査」(対象:1250人)によると、月額料金が「1000円以上2000円未満」の人は29.5%と最多で、「1000円未満」(19.7%)、「2000円以上3000円未満」(16.0%)と続いた。平均すると月額料金は2961円になる。
大手キャリアのスマホと比較すると断然割安なこの結果。となれば、格安スマホ利用者の満足度は高いはず…と思いきや、意外にそうでもない模様。今回、R25スマホ情報局編集部が、格安スマホを使っている20〜30代の男女144人(男性78人、女性66人)にアンケートを取ったところ、「不便なことはない」が39.6%、「不便」が60.4%と、半数以上が格安スマホに何らかの不満を持っていることがわかった。では一体どんなところに不満を感じているのか、詳細を聞いてみた結果が以下だ。(協力:ファストアスク)
■格安スマホに感じる不満(複数回答)
1位 データ通信のスピードが遅い(36.8%)
2位 期待したほど通信料が安くはない(34.5%)
3位 端末のスペックが低い(24.1%)
4位 高速通信が可能でもデータ容量が限られているなど制約が多い(21.8%)
5位 プランの選び方が難しい(19.5%)
6位 端末の使い方がわからない(16.1%)
7位 オプションサービスが不足している(13.8%)
8位 サポートサービスが手厚くない(9.2%)
1位はやはり、「通信速度の遅さ」。MMD研究所の「2015年4月格安スマホ通信速度調査」によると、格安スマホは昼になると通信速度が低下し、大手キャリアの回線とダウンロードのスピードに差が生じるという。続く2位には、“格安”と銘打っているにもかかわらず、「通信料が安くはない」がランクイン。3位に「スペックが低い」が挙がった。その他にも大手キャリアとは違い、実店舗が多くないため、選び方や使い方を直接聞きに行けないことにも不満があるようだ。続いてそれぞれを選んだ理由を具体的に尋ねてみた。
1位の「データ通信のスピードが遅い」(36.8%)には、「お昼になると格段に速度が落ちるから」(28歳・男性)、「アプリのダウンロードに50分以上かかったから」(23歳・男性)、「回線速度にムラがある」(22歳・男性)、「ネットでの速度が遅すぎて、検索がままならない」(38歳・女性)など、の声が。スピードの遅さがユーザーの大きなストレスを生んでいるようだ。
2位の「期待したほど通信料が安くはない」(34.5%)には、「月々の料金の支払いを以前の機種のものと見比べた時、そんなに安くなっていないと感じた」(28歳・男性)、「操作の問い合わせは月500円をオプション加入しないとできない。これは高いと思う」(38歳・女性)、「料金を安くしようと思うと容量が限られる」(24歳・女性)など。基本料は安くとも、便利に使いこなそうとするとオプション料金が発生して格安感が薄れてしまう模様だ。
3位の「端末のスペックが低い」(24.1%)には、「カメラの画質は悪いと言うか、写真を撮ると周りがピンボケのような感じになる。魚眼レンズのような感じ。使用していて腹が立つ」(25歳・男性)、「タッチパネルが思うようにいかない」(29歳・女性)など、怒りの声も。
「格安スマホ」は安い反面、サポートや環境は必ずしも大手キャリアのスマホのようにはならないもの。そのことを考慮したうえで、どちらを選ぶか判断するといいだろう。
(池田園子)
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