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» 2015年08月13日 10時00分 UPDATE

大和恒成の「光コラボ」講座:徹底解説! いま話題の「光コラボ」って一体なに?

最近、「光コラボレーション(光コラボ)」という言葉をよく聞きます。どうやら、光回線を使ったインターネットの新しい“かたち”であるようですが、私たちにどのようなメリットをもたらすのでしょうか。光コラボのエキスパート、大和恒成氏が解説します。

[大和恒成,ITmedia]

 最近CMなどでよく聞く「光コラボ」。どうやら、超高速なインターネットをより安い料金で使える、NTT東日本・西日本の「フレッツ光」ユーザーは原則工事不要で簡単に乗り換えできる――というふうに、多くのメリットがあるようですが、本当なのでしょうか?

 本稿では、「光コラボ」に関する疑問を解消すべく、その概要を説明していきます。

今さら聞けない「光コラボレーションモデル」とは?

 光コラボこと「光コラボレーションモデル」は、2015年2月にNTT東日本・西日本が開始した、光ファイバーインターネット回線の新たなビジネスモデルです。両社が全国に展開している「フレッツ光」の回線をさまざまな企業に卸すことで、光回線のさらなる普及を図ろう、というものです。

 フレッツ光回線の卸提供を受けた業者(以下、光コラボ事業者)は、FVNO(仮想固定通信事業者)として独自ブランドの光回線サービスを展開できるようになりました。新たな設備投資をすることなく、「超オトク!光回線○○パック」というような、独自の名称を持つ自社サービスとして光回線を提供できるのです。

 同じ商品でも小売店によって価格が違っているように、光コラボ事業者は「価格で勝負!」「付加価値(サービス)で勝負!」など、それぞれの“ウリ”となる違いを出すことができます。そうすると、いわゆる「競争原理」が働きやすくなり、さまざまなサービスをより安価に使えるようになったり、バラバラだったサービスの窓口を一本化できたりと、フレッツ光とは異なるメリットを享受できるのです。

photo 光コラボレーションでは、回線サービスなどを自社サービスと組み合わせて提供可能(画像は、NTT東日本の転用解説ページ)から引用

これまでの光回線との違いは? メリット・デメリットもチェック

 インターネット回線にはいくつか種類がありますが、現在の主流は光ファイバー回線(光回線)です。光回線は、高速で安定した通信が特徴です。電話線を利用したADSLや携帯電話回線と比較すると、交換局・基地局までの距離の影響を受けにくく、ノイズに強いからです。

 光回線サービスは光コラボが始まる前から複数ありますが、NTT東日本・西日本の「フレッツ光」が全国規模で展開している事実上唯一のサービスです。従来、NTT東日本・西日本は契約を結んだ販売代理店を介するルートを中心にフレッツ光を販売していました。

 フレッツ光では、回線はNTT東日本・西日本、インターネット接続はインターネットサービスプロバイダー(ISP)とそれぞれ契約することになります。よって、回線料金の支払いと接続料金の支払いは別個となり、支払管理が面倒になることがあります(※)。また、ネットにつながらないときに問い合わせ先も2つあることになり、どちらに問い合わせるべきか迷ってしまうこともあります。

※一部のISPには、フレッツ光とISPをまとめて契約できる「withフレッツ」プランがあります。以前は、withフレッツで申し込むと、回線料金を接続料金とまとめてISPに支払うこともできましたが、現在は回線・接続料金を一括で支払えるタイプの新規受付は終了しています。

 光コラボでは、光回線サービスの一義的な提供者が光コラボ事業者となります。特にISPサービスも一体化した光コラボサービスであれば、料金の支払い先やサポート窓口を1本化できるので、支払管理の煩わしさやサポートに問い合わせる際の迷いから解放されます。また、フレッツ光が使えるエリアがそのまま提供エリアとなるので(※)、純粋に月額料金や付加サービスの比較がしやすくなります。

※光コラボ事業者によっては、NTT東日本エリアのみ、あるいはNTT西日本エリアのみサービスを提供、というケースもあります。

photo NTTドコモの「ドコモ光」では、携帯電話料金、光回線利用料金とISP料金を全てまとめて支払える(ISPを別個契約するコースもあり)

 光コラボの主なメリットをまとめると以下のような感じになります。

  • インターネット料金の支払いを一本化できる(ISP一体型の場合)
  • フレッツ光+プロバイダ契約よりも安く利用できることがある
  • 事業者独自のサービスから契約先を選ぶこともできる
  • 転用(乗り換え)前に「フレッツ光」で使っていたオプションサービスの多くが利用継続可能
    (一部、継続利用できないサービスがあります。また、継続利用できるサービスでも、提供者が変わる場合があります。詳細は、NTT東日本またはNTT西日本のWebページで確認してください)
photophoto 光コラボ事業者が提供するオプションサービスは、NTT東日本・西日本のWebページで確認できる。「―」になっているサービスについては、引き続きNTT東日本・西日本から提供される

 しかし、全てのことが“良くなる”とは限らないのは世の常。メリットが転じてデメリットになることもあります。

 光コラボの主なデメリットは以下の通りです。

  • フレッツ光+プロバイダ契約のままにした方が料金を安くできる場合がある
    (特に、「マンションタイプ」ではその傾向が強い)
  • NTT東日本・西日本と光コラボ事業者との接続方法によっては、速度面・安定性においてフレッツ光+プロバイダ契約時より劣る場合がある
  • 光コラボ回線契約を、別事業者の光コラボサービス、あるいはフレッツ光に(再)転用することが現状ではできない
    (乗り換える時は、いったん回線も解約する必要がある)
  • 契約期間(縛り)のないプランを用意していない事業者が多い
photo ビッグローブの「ビッグローブ光」は、24カ月(2年間)の契約期間があり、中途解約をすると9500円(非課税)の解約金が発生する。ビッグローブ光では、契約期間なしの選択肢を用意していない

 ただ、デメリットといっても、一方的に不利益を被るようなものばかりではありません。例えば、契約期間を設けることで、期間内に解約した場合、違約金が発生するというデメリットは確かにありますが、その代わり、より安価に光回線を使えるというメリットはあるわけです。このような契約については、携帯電話ではもはや当たり前のものです。

 短期で解約しづらいからこそ、自分や家族の状況、転居予定、回線の利用目的など、少し先までのライフプランに合ったものを選択すれば、デメリットはある程度は解消されるわけです。

 また、回線こそフレッツ光と同一ですが、借り受け条件によっては、フレッツ光で同じISPを使った時よりも通信速度が“遅く”なってしまうこともあります。NTTコミュニケーションズの「OCN光」やビッグローブの「ビッグローブ光」は、回線の速度や混み具合がフレッツ光で接続しているときと変わらないことを明言していますが、全ての光コラボ事業者がそうではありません。

 メリット・デメリットをしっかり踏まえた上で、入念に事業者とプランを選びたいものです。

代表的な「光コラボ」サービス

 光コラボの開始を受けて、さまざまな企業から光コラボサービスが次々に誕生しています。

 NTTドコモの「ドコモ光」は、ISPサービスとのセット契約と、光回線のみの契約を選択できることが大きな特徴です。ISPとのセット契約にすれば、携帯電話料金・光回線利用料金・ISP料金をまとめて支払うことができます。光回線のみの契約を選択すれば、フレッツ光に対応する複数のISPを使い分けることができます(ISPとの契約は別途)。ドコモ携帯電話とのセット割引である「ドコモ光パック」を用意しています。

 ソフトバンク(旧ソフトバンクモバイル)の「SoftBank 光」は、光回線とISPのセット契約のみとなります。ソフトバンク携帯電話とのセット割引である「スマート値引き」と、Y!mobile携帯電話とのセット割引である「光おトク割」を用意しています。

 ドコモもソフトバンクも、自社の携帯電話と組み合わせることで、よりおトクに使えることが大きなメリットです。

photo 「SoftBank 光」では、ソフトバンクやY!mobileの携帯電話に対する割引を提供している

 「OCN」「BIGLOBE」「So-net」「@nifty」「IIJmio」など、今までフレッツ光のインターネット接続事業を手がけてきたISPも、光コラボサービスに参入しています。

 ISPの光コラボサービスは、(当然かもしれませんが)光回線と自社ISPサービスとのセット契約です。よって、回線と接続のサポートを同じ窓口で受けられることが最大のメリットです。「NTTに問い合わせようか、それともISPに……」と悩む必要がなくなるのです。また、自社がMVNO(仮想移動体通信事業者)として提供する「格安SIM」とのセット割引を提供したり、KDDI(au)の携帯電話とのセット割引「auセット割」を提供したりしているISPもあります。

photo NTTコミュニケーションズの「OCN 光」では、同社のMVNOサービス「OCN モバイル ONE」とのセット割引を用意している
photo ニフティの「@nifty 光」では、au携帯電話とのセット割引「@nifty光 × auセット割」を用意している

 通信とは一見すると縁遠い感じのする企業からも、光コラボサービスが登場しています。T-MEDIAホールディングスの「TSUTAYA光」がその代表例です。TSUTAYA 光は、回線サービス、接続サービスがセットになっており、同社の映像配信サービス「TSUTAYA TV」の「セレクトプラン」が無料で付帯します。毎月20本まで動画を楽しめる、という通信以外での付加価値があるサービスとして注目です。

photo カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのT-MEDIAホールディングスが提供する「TSUTAYA 光」など、通信事業者以外からも光コラボサービスが登場

 現在フレッツ光を利用しているのであれば、多くの場合は新たな工事をすることなく、好きな事業者の「光コラボ」に切り替えることが可能です。品質が変わらず、サービスや付加価値の多いプランが見つかったなら、「いや乗り換えない手はない」といえます。ここまでの情報を参考にして、自分に合った事業者を選んで、ぜひ乗り換えを検討してみてください。

大和恒成(やまと・こうせい):株式会社オールコネクト 統括部長

1990年、福井県生まれ。横浜国立大学卒業。2012年、株式会社オールコネクト入社。フレッツ事業部に配属後1か月で営業成績1位を獲得。2014年、ブロードバンド事業本部第一事業統括部長に最年少で昇格を果たす。2015年1月、光コラボレーションモデルが開始されると同時に光コラボ事業の立ち上げに携わり、柱を作る。光コラボ事業を行う数多くの事業者と日々交渉を行い、事業の根幹に関わる業務を担っている。

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