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» 2016年02月25日 21時16分 UPDATE

Mobile World Congress 2016:ドコモは「2020年の日本」をテーマに5G技術や翻訳サービスなどを展示

NTTドコモは、「Welcome to Japan in 2020 〜2020年の日本へようこそ〜」をテーマに、MWCで5Gネットワークや翻訳サービス、Bluetoothデバイスとアプリを連携させるプラットフォームなどについて展示している。

[房野麻子,ITmedia]

 NTTドコモは、スペインのバルセロナで開催されているMobile World Congress 2016に出展。「Welcome to Japan in 2020 〜2020年の日本へようこそ〜」をテーマに、2020年の商用化を目指している5Gネットワーク、翻訳サービス、Bluetoothデバイスとアプリを連携させるプラットフォーム「Linking(リンキング)」、ネットワークコンサルティングサービスを展示している。

NTTドコモ ドコモはブースで4つのテーマで展示やデモを行っていた

5Gの実証実験や技術コンセプトを紹介

 5Gネットワークについては、要求されるパフォーマンスや5G展開のロードマップ、さらに2020年以降に進化する「5G+」などについて紹介していた。また、ドコモが世界の主要ベンダーと共同で取り組んでいる実証実験の進展状況についても紹介。ブースではノキアネットワークスと共同開発した実験装置を展示し、電波の送信状況をARで見られる装置を用いて、70GHz帯という高周波数帯の電波が、携帯電話に相当する移動局装置に追従する様子が見られるようになっていた。

NTTドコモ ノキアネットワークスと共同開発した実験装置。奥の装置から手前の移動局に向かって、70GHz帯の電波が飛ばされる
NTTドコモ ゴーグルをかぶると、移動する装置に電波が追従していく様子がARで見られる

 また、5G商用化に必要なコアネットワーク技術として「ネットワークスライス」の概念を紹介していた。ネットワークスライスは、低遅延、高セキュリティ、IoTといった用途ごとに、最適な仮想ネットワークを作成する技術。例えば、IoT機器であれば、大量の端末が収容できるネットワークが必要になり、自動運転の場合は非常にセキュアで遅延の少ないものが要求される。ARゴーグルを使ったスポーツ観戦のようなサービスであれば、非常に低遅延なネットワークを必要とする。

 こうしたサービスに個々の専用ネットワークを構築するには、時間やコストが掛かる。ドコモは現在、ネットワークの仮想化を進めており、エンドツーエンドで仮想的に専用のネットワークを作るというコンセプトを掲げている。これがネットワークスライスだ。

NTTドコモ ネットワークスライスのコンセプト。仮想的なネットワークリソースの層の上にネットワークスライスレイヤーがあり、サービスレイヤーから流れるデータは、ここでタイプ別に適したネットワークに振り分けられる

 大量の端末を収容できるが遅延については保証しないようなネットワーク、反対に非常に低遅延だが大量の端末を収容できないネットワークなど、サービスに合ったネットワークを仮想的に作り、サービスオペレーターに提供する。データはサービスによって最適なネットワークへと振り分けられるイメージになる。

NTTドコモ 自動運転サービスなどITSの場合は非常にセキュアで遅延の少ないネットワークを要求するので、それに対応したネットワークに振り分けている

 現状の試験では、ネットワークを構築するのに数日、スライスを作ってサービスを載せ替える作業は数秒で行われているが、将来的にはネットワーク構築に数分、切り替えはミリ秒レベルまで高速化する考えだ。

崩した日本語も翻訳できるプロトタイプアプリをデモ 

 訪日外国人が利用する3つの翻訳サービスも紹介していた。スマートフォンやタブレットに書いた言葉を翻訳する「てがき翻訳」、スマートフォンに向かって相互に話しかけることで、互いの母国語で会話ができる音声翻訳サービス「Jspeak(はなして翻訳)」を紹介。

 ほかに、SNSで使われるような日常的な言葉を翻訳できるサービスのプロトタイプも展示していた。例えば、レストランの口コミのページを表示してアプリを操作すると、画面がキャプチャーされてサーバに送られ、翻訳された英文が元の言葉に重ねるように表示される。ドラッグして元の日本語も確認できる。サーバ内で話し言葉をきれいな日本語に直し、それを翻訳する技術によって実現している。

NTTドコモ 口コミサイトを翻訳

 英字や顔文字は翻訳されず、最後に他の翻訳された言葉と再び合わせて表示される仕組み。崩し言葉のサンプルは数十万レベルで集めたという。英語にもスラングがあるが、他の言語から日本語に翻訳することも今後はできるようになるという。

NTTドコモ 翻訳の流れ

複数のBLEデバイスを一元的に管理できる「Linking」

 スマートフォンのアプリとBluetooth Low Energy(BLE)対応デバイスを連携させるためのプラットフォーム「Linking(リンキング)」と対応デバイスも展示している。基本的に1つのデバイスと1つのアプリが連携するペアリングとは異なり、Linkingは複数のアプリと複数のデバイスの連携情報を一元的に管理し、アプリとデバイスを相互に連携できる点がポイント。ユーザーはLinking対応サービスアプリとLinking対応デバイスを自由に組み合わせて使うことができる。

NTTドコモ Linkingに対応するデバイス。手のひらに載る小さなデバイスで、キーホルダーのようにぶら下げたり、バッグの中に入れたりして使う
NTTドコモ BLE対応の複数のデバイスとサービスアプリの連携情報を一元的に管理できる

 Linkingはあくまで仲介するだけで、何ができるかはサービスアプリとデバイスの組み合わせで変わってくる。例えば子どもにデバイスを持たせ、親から離れたときに親のスマートフォンに通知するようなサービスに使うこともできれば、同じデバイスを傘に付けると、天気予報アプリと連携して雨が降るときにはデバイスが光って教えるといった使い方もできる。他にブースでは、取っ手部にデバイスが埋め込まれたスーツケースが置かれ、スマートフォンのアプリでサーチモードにすると、デバイス部分が光って知らせるというデモも行われていた。

NTTドコモ Linkingの活用例
NTTドコモ スマートフォンのアプリをサーチモードにすると、スーツケースの取っ手に埋め込まれたデバイスが光る。空港のターンテーブルで似たようなスーツケースがあっても自分のものだと分かる
NTTドコモ スマートフォンにはスーツケースが近づくと通知が届く

ネットワークのコンサルティングサービスを紹介

 ドコモは日本で培った技術や経験を活用し、海外の移動通信事業者に対してネットワークの設計・構築、運用・保守に関するコンサルティングサービスを2015年11月から提供。そのサービス内容も展示していた。

NTTドコモ 携帯電話のネットワークについてコンサルティングサービスを提供する

 ドコモは社内にエンジニアを抱え、3Gや4G、さらに現在は5Gでも研究開発とサービスを運用しており、コンサルティングサービスを提供する素地があるという。キャリアの立場でこうしたコンサルティングサービスを提供する事業者はなく、ドコモが初めてのケースだという。今回の展示でサービスについて認知を広めたい考えだ。

NTTドコモ 具体例として、東海道新幹線の東京から大阪までの通信を改善した案件を紹介していた

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