4型の「iPhone SE」を買う? 買わない?――Mobile編集部の場合

» 2016年03月23日 20時45分 公開
[ITmedia]

 ついに登場した「iPhone SE」。事前の情報通り、その正体は4型液晶を搭載したコンパクトなモデルでした。iPhone 5/5sから続くおなじみのデザインに、iPhone 6s/6s Plusと同じシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色を用意。プロセッサと通信性能も高速化しました。

「iPhone SE」は3月24日に予約開始、31日の発売です 「iPhone SE」は3月24日に予約開始、31日の発売です
iPhone SEのカラーバリエーション シルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色をそろえたiPhone SE

 3月24日に予約を開始し、3月31日に発売となるiPhone SE。2015年9月の6s/6s Plusの発売から半年ほどで登場した新型iPhoneは果たして「買い」なのか?今回もITmedia Mobile編集部の田中、平賀、井上の感想をまとめてみました。なお、例によって3人とも米サンフランシスコの発表会には参加しておらず、まだ実機には触れていません。あくまで発表された情報をベースにした感想である点をご了承ください。

田中の場合

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選択肢には入らないけど、ローズゴールドは気になる


 仕事柄、いろいろな大きさのスマホに触れている中で、個人的にベストフィットする画面サイズは5型〜5.2型だと感じています。やっぱり一度大きくてちょどいいサイズに出会うと、それより小さいサイズには戻れませんから。なのでiPhone SEのディスプレイが4型という時点で、選択肢からは外れます。

 あとはデザイン。予想記事にも書いた通り、iPhone SEはiPhone 6/6sの丸みを帯びたボディーを採用するかと思いきや、iPhone 5sと同じデザインを踏襲しました。確かに、斜めにそぎ落としたエッジ部分は、角度によってキラキラと表情を変えてくれてとても美しいのですが、いざ握ると、ここが手に当たって違和感を覚えてしまいます。側面はカーブを描いている方が手になじむので、個人的にはiPhone 6/6sのデザインがしっくり来ます。

 また、これはiPhone 5の頃から感じていましたが、シルバーやゴールドの背面上下が白い樹脂で覆われているのも、せっかくの高級感が損なわれているようで残念でした。もちろんアンテナの感度を確保するためには仕方がないのですが、樹脂を入れるのなら、iPhone 6以降の白線(Dライン)の方がまだマシに思えます。

 ただ、iPhone 6sのローズゴールドを使っている筆者にとって、iPhone SEのローズゴールドは気になる存在です。Appleの製品写真を見ると、SEのローズゴールドも、6sと同じく、ケバケバしさのない落ち着いた色味だと感じます。日本人としては、桜を連想させるところもポイントが高いですし、白い樹脂との組み合わせも、ピンク系の色とならまだ許せるかなと思えます。まだ実物を見ていないので断言できませんが、男性が持って違和感がないのでは?

iPhone 6sのローズゴールド 個人的には6シリーズの丸いデザインが好き(写真はiPhone 6sのローズゴールド)

 個人の感想を抜きにすれば、iPhone SEが登場する意義は大いにあるでしょう。最近は4型台後半でも「小型」といわれるくらい、スマートフォンのディスプレイは大型化が進んでいます。特にSIMロックフリースマホは大型化が顕著で、4型台のスマホはほとんどなく、あってもスペックを抑えた安いモデルのみ。iPhone SEの主要なスペックはiPhone 6s相当ですし、価格も5〜6万円台とまずまずの安さなので、小型スマホを求める幅広いユーザーにオススメできそうです。

平賀の場合

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SIMフリー版は買いかも……


 iPhone 6sに機種変更してはや半年。すっかり4.7型のiPhoneに慣れてしまいましたが、あらためて4型の5sを使うとこのコンパクトさも良いなと思います。しかしもう6sから機種変するのはちょっと……という印象です。

 大型化した6s/6s Plusを避け、5/5sを使い続けているならSEへの買い換えはマストでしょう。手にした際のサイズ感や、ほとんどのアクセサリーを引き続き使えるのは、Appleが最も重視するUXの面でも大きなメリットだと思います。

4型のiPhone 5s、4.7型の6s、5.5型の6 Plus 左から、4型のiPhone 5s、4.7型の6s、5.5型の6 Plus

 SEの発表直前に、5s/6s/6の3サイズのiPhoneを比較しました。そこで感じたのは、アプリやWebなどのコンテンツが大画面に最適化されており、4型液晶ではちょっと狭いかもという点です。動画を見る場合だけでなく、メールやメッセンジャーなどテキスト中心の用途でも、もう少し大きい方が良いのでは? と思うことが増えました。

6s/6s Plus並みのスペックとなったiPhone SE 6s/6s Plus並みのスペックとなったiPhone SE

 さて、SEもSIMロックフリーモデルが発売されます。価格は16GBが5万2800円(税別、以下同)、64GBは6万4800円。特に64GBは32GBの5sと同じ価格で、カメラなどのスペックも上がったことを考えると、かなりお得な気がします。

 まだまだあと2年は古くならない、ということであれば、格安SIMで使う用に1台買っても良いかなぁ、と思っております。

井上の場合

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欲しいけど、ちょっと引っ掛かる……


 iPhone SEは、「片手に収まるiPhone」を待望していた人にとって、福音となるモデルです。6s/6s Plusの発表時にも触れましたが、自分もこのサイズ感を待っていた1人です。

 iPhone 5sのアクセサリー類をそのまま流用できるのに、プロセッサは6s/6s Plusと同じで、アウトカメラも画素数が増えて4K(3840×2160ピクセル)の動画が撮れるようになるなど、順当にスペックアップしています。「このサイズ感なら……!」と思います。

photo iPhone SEのカメラ。アウトカメラは高画素化したが……

 しかしながら、ちょっと気になる点もいくつかあります。まず、インカメラがわずか120万画素であることです。iPhone SEは、恐らくミドルレンジのAndroidスマートフォンと競合すると思うのですが、その競合相手たちは「自撮り」をウリにすべくインカメラの画素数アップや画質向上に余念がありません。カメラの画質は“数値”だけでは決まらないのは重々承知なのですが、残念です。

 また、LTEにおいてTD-LTE(日本では「AXGP」「WiMAX 2+」)に対応したことは喜ばしいのですが、最高通信速度が下り最大150Mbpsであることも気になります。ミドルレンジAndroidスマホとの競合モデルと考えれば十分なのですが、ハイスペックさを期待していた身からするとちょっと残念です。

 ただし、対応周波数帯がコンパクトな割には広いため、海外で幅広く使えるSIMロックフリー(にもなる)スマホ」としては、間違いなく最強の部類に入ります。

iPhone SEの対応バンド iPhone SEの対応バンド

 ストレージ面では、128GBモデルがないことが不安です。同一アプリでの比較では、Android版よりもiOS版の方がサイズが大きくなる傾向にあります。また、別記事の通り、4K動画撮影やLive Photosなど、新機能を活用しようとするとあっという間にストレージがいっぱいになってしまい、64GBでも容量が足りなくなる可能性があります。想定ユーザー層を考えてのラインアップだとは思うのですが、より大容量のモデルも必要なのではないでしょうか。

 と、いろいろと引っ掛かる点はありますが、待望のコンパクトモデルであることには変わりないので、iPhone 6の64GBモデルから買い換えようとお財布と絶賛相談中です。

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