iPhone 5s/6sと何が違う? 「iPhone SE」を分解してみたバラして見ずにはいられない(1/2 ページ)

» 2016年04月20日 20時00分 公開

 Appleは3月31日、日米などで「iPhone SE」を発売した。Appleが4型ディスプレイのiPhoneを“復刻”するうわさは以前からあった。というのも、画面が4.7型に大型化したiPhone 6/6sは便利とはいえ、片手操作には大きすぎると思うユーザーが多かったためだ。

「iPhone SE」を分解 「iPhone SE」

 SEは多くのユーザーに歓迎されているようで、店頭で在庫切れになるなど、売れ行きは好調なようだ。なお、モデル名の「SE」とは「Special Edition」を意味するという。

外観は確かに同じ

 iPhone SEと2013年に発売された「iPhone 5s」を比較すると、SEの外観はまさに5sの復刻版そのものだ。アルミ合金製の筐体は2機種とも、幅58.6ミリ、高さ123.8ミリ。奥行きはSEが7.8ミリと、5sの7.6ミリから0.2ミリほど増えているが、ほぼ同じといえるだろう。重量はSEが1グラム重たい113グラムだ。

「iPhone SE」を分解 「iPhone SE」。iPhone 5sと同じデザイン、ほぼ同じサイズでボリュームキーの位置と形状も同じ
「iPhone SE」を分解 分解したところ。メイン基板の大きさは板ガムを少し大きくした程度だ

 アプリケーションプロセッサの「A9」や約1200万画素のアウトカメラは最新のiPhone 6s/6s Plusと同じものが使われている。また最近のiPhoneではおなじみの指紋認証センサー「Touch ID」対応のホームボタンも採用されている。

「iPhone SE」を分解 プロセッサは「A9」。DRAM容量も2GBと、中身は6sと同等だ
「iPhone SE」を分解 アウトカメラは約1200万画素のCMOSになった
「iPhone SE」を分解 ホームボタンは指紋認証センサーの「Touch ID」を内蔵
「iPhone SE」を分解 バッテリー容量は1624mAh

 SEのバッテリー容量は1624mAh。ボディーが小さいため、6sの1715mAhよりも少ない。一方、同サイズである5sの1560mAhより多少増えた。5sの登場から2年半がたち、プロセッサもA7からA9に進化。配線の微細化や省エネ特性の増加により、3Gでの通話時間が5sでは最大8時間程度であったのが、SEでは12時間(LTEの場合は13時間)に増えている。なお待受時間は6sとSEが約240時間、5sが250時間と違いがある。

6sから間引かれたもの

 SEの通信用ICは2014年に販売されたiPhone 6で採用されたものと同じで、LTE環境での最大通信速度は150Mbpsと6sの半分だ。LTEの周波数を束ねて通信速度を高速化するキャリアアグリゲーションも対応していない。またWi-Fiでは複数のアンテナを使うMIMOも採用していない。

 しかしこれらは自動車でいう最高速度の差であり、通常の環境では大きな差にはならないことが多いだろう。また対応バンド(周波数帯)は6s/6s Plusと差がないが、5sからは大幅に増えている。

 SEには6sでいまひとつ好評でなかった「3D Touch」を実現する感圧センサー(容量性センサー)も搭載されていない。このセンサーは原価が9〜10ドル程と推定されており、かなりのコスト削減効果になったと思われる。

 SEに搭載された液晶パネルは5sと解像度が全く同じだ。解像度は640×1136ピクセルと変則的で、最も近いHD表示(720x1280ピクセル)よりも低い。しかしAppleが「Retina」(網膜)と呼ぶグレードで、画像の目の粗さは人間の目では認識できないレベルといわれる。もっとも、あまり小さなディスプレイに超高精細な液晶パネルを積んでもあまり意味はなく、Retinaであればこれで十分という判断なのだろう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年