「実質0円終了の影響はこれから」「熊本地震ではソフトバンクが最速で復旧した」――孫社長

» 2016年05月10日 19時30分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソフトバンクが5月10日に開催した2016年3月期の決算説明会で、ソフトバンクグループの孫正義社長が、国内の携帯電話市場でスマートフォンの実質0円販売が規制されたことについて、考えを述べた。

 孫氏は、「実質0円で販売されなくなってもユーザーの数は変わらない。端末をたくさん出して回転率が上がっても、利益は増えない。回転率よりもユーザーの総数が大事」と持論を展開する。やみくもに端末を増やすのではなく、スマートフォンを軸にさまざまなサービスを提供すれば、その分だけARPU(ユーザーあたりの売上)も増える――というのが孫氏の考えだ。

孫正義 ソフトバンクグループの孫正義社長

 総務省が、キャッシュバックや実質0円での販売を規制したことに対しては、「新しい端末の売り方に対する業界規制だと思うが、これは国によっていろいろな方針がある。それを批判する、意見を述べる立場にはなく、日本もいろいろな体験をすべきだと思う」と理解を示した。一方で、「まだ競争が新しい枠組みになったばかりだから、収益にどう影響があるかコメントをするには時期尚早」とした。

 3月からY!mobileで「iPhone 5s」の販売を始めたことについては、「画面が大きい方がいい」という人もいれば、「片手に収まる方がいい」「電車のつり革につかまりながら使いたい」という人もいるため、多様なニーズの1つに応えるべく「Appleと交渉した」と説明した。Y!mobileは低価格なプランを提供していることもあり、「そういう(=料金の安さを求める)ユーザーのニーズに応えている。けっこう売れていると認識している」と手応えを語った。

 4月に発生した熊本地震の対応も万全であったことを孫氏は強調した。「(2011年の)東北地震で(ソフトバンクの携帯電話が他社に比べてつながらず)多くの人々にご迷惑を掛けたので、創業以来、圧倒的な規模で設備投資を行った。その結果、熊本地震で一番早く(通信障害から)復旧したのがソフトバンクだった(復旧日時はソフトバンクが4月25日8時23分、KDDIが26日14時46分、ドコモが27日15時48分)。前回の震災とは結果が違う。『ソフトバンクが災害対策に対して設備投資が小さいのではないか』というのは全くの勘違い」と同氏は胸を張った。

孫正義 熊本地震の発生後、福岡に係留気球無線中継システムによる臨時基地局を設置した

 海外事業ではSprintが好調に推移していることを孫氏は説明した。ポストペイド携帯電話の純増数が前年比で約200万増の44万となり、T-Mobileには遠く及ばないものの16年1〜3月にはVerizonとAT&Tを抜いた。15年度の営業利益は3億ドルで、過去9年間で初の黒字化を果たした。ニールセンの調査で、LTEの実効速度が全米1位になったことも紹介した。

孫正義 純増数でVerizonとAT&Tを抜いた
孫正義 単位は不明だが、LTEの実効速度は1位になったという

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