台湾・台北のCOMPUTEX 2016に合わせて開催されたASUSの新機種発表会「Zenvolution」で、ついにベールを脱いだ「ASUS ZenFone 3」シリーズ。前モデル「ZenFone 2」は、高性能と低価格を併せ持つ「コスパの高いSIMロックフリースマートフォン」として、日本国内でも人気を博した機種だ。その後継機となるZenFone 3は、ユーザーのニーズに合わせた3機種が市場に投入される。今回は現地からファーストインプレッションをお届けしたい。
ラインアップは、ZenFone 2と同じく5.5型ディスプレイを搭載する「ZenFone 3」、ZenFoneシリーズ最高のスペックを誇る「ZenFone 3 Deluxe」、スマートフォンとタブレットの間を埋める6型サイズの「ZenFone 3 Ultra」。3機種とも、プロセッサはZenFone 2で採用していたIntel製のAtomから、Qualcomm製のSnapdragonに変更されている。
海外では2015年3月に発売されたZenFone 2の後継機種が、5.5型のZenFone 3(ZE552KL)だ。
ディスプレイに5.5型のフルHD液晶、プロセッサに「Snapdragon 625」を搭載しており、必要十分なスペックを持つ。販売価格は249ドル(約2万7000円)から。背面の素材はZenFone 2のプラスチックからガラスに変更され、指紋認証センサー搭載、ハイレゾ音源対応、USB Type-Cコネクター採用など、前モデルから大きく進化している。
幅77.38×高さ152.59×奥行き7.69ミリで、このクラスでは平均的なサイズといった印象だ。重量は155グラムと、金属ボディーにGorilla Glassのコーティングが施されているため、ややずっしりと感じる。
本体下部に設けられたUSB端子はUSB 3.0のType-Cとなっている。Quick Charge 3.0に対応し、3000mAhの内蔵バッテリーを素早く充電できる。
カメラ性能も見ていこう。アウトにソニー製の最新CMOSセンサーを採用した1600万画素のカメラを搭載。第2世代レーザーオートフォーカスで、最速0.03秒のフォーカススピードを誇る。光学式と電子式の手ブレ補正を組み合わせることで、被写体を追尾しながら焦点を合わせことができる。また、カラー修正用のセンサーも搭載しており、ホワイトバランスの調整精度も向上している。
インカメラは85度広角の800万画素を採用。HDR撮影やローライト(暗所)のセルフィー(自分撮り)にも対応している。
SIMカードはスロット1がmicroSIM、スロット2がnanoSIMとなっている。スロット2はmicroSDと併用する形となる。2つのSIMとmicroSDは1つのトレイに収まる。
指紋センサーは背面のカメラレンズ下のボタンに設けられている。この位置に設けたのは、片手で認証させやすいためなのだろう。実際に試してみたが、センサーの反応は良く、一瞬のタイムラグがあるものの、誤認識はほぼなかった。
ZenFone 3は、5.5型というほどよく大きなディスプレイ、美しいガラスパネル、それでいて高い基本性能を兼ね備えた「バランス重視のモデル」といえる。
ZenFone 3 Deluxe(ZS570KL)は、ZenFone史上最高の性能を誇るフラグシップスマホだ。ディスプレイは5.7型(1080×1920ピクセル)の有機ELを採用。プロセッサにSnapdragon 820を搭載し、メインメモリは6GBとPC並みのハイスペックな仕様になっている。
カメラはZenFone 3と同じくソニー製センサーのCMOSセンサーを採用。6層レンズで2300万画素と高い解像度を誇る。最速0.03秒で被写体に焦点を合わせるレーザーオートフォーカス、光学式と電子式の手ブレ補正機能などZenFone3と同じ性能を高い撮影機能を搭載している。背面に配置されたカメラレンズは出っ張りが目立つものの、サファイアガラスが最前面に採用されていて高級感がある。
ZenFone 3に比べ5.7型と大きなZenfone 3 Deluxeだが、ベゼルを1.3ミリに狭めたことで、幅はZenFone 3とほぼ同じ77.4ミリに抑えた。さらに、背面から側面にかけてゆるやかにカーブしており、側面は4.2ミリまで薄くしている。実際に握ってみると、ラウンドフォルムの仕上げが効果的で、手にしっかりとフィットした。
指紋センサーも、ZenFone 3と同じく背面のカメラレンズ下に配置されている。実際に握ってみると、人差し指での片手認証にちょうど良いポジションだということが分かる。
ZenFoneシリーズ史上最強の6GBのメモリをフルに使用する場面があるのか、現状では疑問に思うところもあるが、価格は499ドル(約5万4000円)とコストパフォーマンスが良く、高スペックを好むユーザー層からは人気を集めそうだ。
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