個人のスキルを売買するサービスを提供しているココナラが、新サービス「ココナラ法律相談」を8月下旬に提供する。
ココナラ法律相談は、オンライン上で弁護士に相談ができるサービス。相談料は無料。現在提供されている「ココナラ」の派生サービスとなる。ユーザーは相談したい内容を投稿し、1つの相談につき最大5人(先着順)の弁護士から簡単な回答が送られてくる。その中から実際に依頼したい弁護士を決める。サービス開始時の8月には約100人の弁護士を抱える予定。
相談内容は非公開となっており、弁護士以外のユーザーは見られないので、ユーザーはより具体的な相談ができる。また、オンラインで手軽に相談ができることから、悩みがあるものの「法律で解決できるのかが分からない」「費用が分からない」「どの弁護士が自分に合っているのかが分からない」といった不安を抱いている潜在ユーザー層にもアプローチできる――と、ココナラの南章行CEOは説明する。
ココナラには現在30万人以上の会員が登録しており、「お金を払ってでも問題を解決したいという優良顧客が多い」(南氏)ため、弁護士にとっては受任につながりやすいというメリットがある。また、ココナラ法律相談では、登録した弁護士の写真やプロフィル、インタビュー記事などを掲載できるので、弁護士の人となりを広く知らせることもできる。
ユーザーから相談料は徴収せず、弁護士から広告料を徴収することで収益を挙げる。弁護士費用については、依頼を決めた弁護士と個別に確認していく。弁護士は無料で1分野に登録でき、その分野の相談のみ対応できる。これに加え、月額3万〜6万円で複数の分野に登録できる有料プランを用意する。2018年8月までに2500人の弁護士登録(無料+有料)、1000人の有料弁護士登録、月3000万円の広告収入を目指す。
ココナラ法律相談では、じっくりと相談をするという性質上、現在はPCの利用を想定しており、スマートフォン向けアプリの提供は予定していない。従来のココナラではiOSとAndroid向けアプリも提供しており、「PC・スマートフォンの利用率と男女の利用率は、どちらも1:1」(南氏)とのこと。
既存のココナラは、個人のスキルや知識を出品し、それを求めている人が購入(依頼)するというサービス。料金は1案件あたり500円から。例えば「ビジネスメールの添削をできます」といった形で出品をし、実際に添削してほしい人がそれを依頼するという流れ。南氏によると、男性が仕事について、女性はプライベートについての相談をすることが多いという。利用実績として特に多いのが、占いや似顔絵。現在出品されている8万件の中で、イラストや似顔絵だけでも7000件以上に及ぶ。
「ココナラ」=「オンラインで仕事を依頼するサービス」と考えると「クラウドソーシング」と近いが、ココナラは「知識・スキルの個人間取引であること(企業間ではない)」と「出品者と発注者が1対1でやりとりすること(不特定多数ではない)」が違いだと南氏は説明する。
2012年にサービスを開始してから順調に流通高を伸ばしており、2016年7月には8000万円を超える見込み。最初に購入してから半年後〜4年後までの購入継続率が、20%からほぼ横ばいなのもココナラの特徴だ。南氏は「(ココナラで)10件以上購入したヘビーユーザーのうち、3割が5カテゴリー、6割が3カテゴリーを購入している。特定分野だけではなく、あらゆるシーンで困ったら相談してみようという層が多い。ヘビーユーザーのうち25%が出品者にもなっている」と説明する。
今後はジャンルを絞り、旅行、生命保険、結婚相談といった巨大市場に特化したサービスを提供する。その第1弾がココナラ法律相談となる。「相談するならココナラ」と言われるようなサービスを目指し、「リアルへの送客を目的としたビジネスに枠を広げていく」と南氏は意気込みを語った。
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