アウトカメラの画素数は2016年夏モデルと同じく2260万だが、レンズを一新した。
35mmフィルム換算で焦点距離が26mmから22mmに短くなったことで、より広角に撮影できるようになる。これは「通常の構図を考えて美しく撮るカメラよりも、スマートフォンは見たままの臨場感を残すことが重要と考えた」(小林氏)ため。接写できる距離も従来機より近くなり、花びらなどのディテールを、よりリアルに記録できる。
また手ブレ補正は、従来の静止画、動画撮影での光学式手ブレ補正に加え、アウトカメラとインカメラでの動画撮影時に、電子式手ブレ補正にも新たに対応した。
AQUOS Rは、これまでのハイエンドAQUOSが取得していた、リコー「GRシリーズ」開発メンバーによる画質認証プログラム「GR certified」は取得していないが、「画質の面で従来モデルより劣ることはない」(担当者)とのこと。
インカメラは、2016年夏モデルの500万画素から1630万画素に大幅に画素数がアップ。レンズの焦点距離も24mmから23mmに短くなり、アウトカメラ同様、広角に撮影ができる。
AQUOS Rでは液晶の材質を工夫することで、「2016年夏のAQUOSよりも液晶の応答速度が約1.5倍向上した」(シャープ)という。また、新しいファイルシステム「UFS(Universal Flash Strage)」を採用したことで、アプリの起動や切り替えが速くなり、「ハイスピードIGZOの性能を最大限引き出す」(小林氏)効果も期待される。
放熱性能も向上させた。本体の外郭付近に温度センサーを配置し、より正確に内部の温度を監視できるようになった。内部にはアルミニウム合金を採用し、熱を逃がす「グラファイトシート」の厚みも増している。こうした工夫により、過去機種より約4度温度を下げられるようになった。
端末の温度が上がるとCPUを制御して100%のパフォーマンスを発揮できなくなるが、発熱を抑えることで、より高いパフォーマンスを維持できるようになる。
シャープが目指す「人により添う家電」のコア技術である「AI」も、スマートフォンへ積極的に取り入れていく。
その新しい形として提案するのが、AI機能「エモパー」と連動する充電台「ロボクル」だ。ロボクルにAQUOS Rをセットすると、充電台が回転し、AQUOS Rの各種センサーやカメラが検知した人に向けて、エモパーがニュースや天気などの情報を話しかけてくれる。
ロボクルは「スマートフォンを常に触っている生活から脱却してほしい」(小林氏)との思いら生まれた。「スマートフォンを遠くに置いていても、いろいろ気遣ってくれる」(同氏)ため、家の中でスマホを手にする時間が減るかもしれない。
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