ニュース
» 2017年09月07日 20時45分 公開

トレンドマイクロ、「ウイルスバスター クラウド」の新バージョンを発売 AIを使ったランサムウェア対策を搭載

トレンドマイクロのセキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」の新バージョンが登場した。Windows版において、AIを使ったランサムウェアスキャンに対応したことが大きな注目点だ。

[井上翔,ITmedia]

 トレンドマイクロは9月7日、個人向け総合セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」の最新バージョンを発表した。ダウンロード版は同日17時から、パッケージ版は9月14日から販売する。旧バージョンユーザーについては、契約期間内であればソフトウェアをアップデートすることで新バージョンを利用できる。販売価格は後述する。

ウイルスバスター クラウドウイルスバスター クラウド + デジタルライフサポート プレミアム 9月14日に発売するウイルスバスター クラウド(写真=左)とウイルスバスター クラウド+デジタルライフサポート プレミアム(写真=右)の新パッケージ。新搭載の「XGenセキュリティ」(後述)を意識して、「X」をモチーフにしたデザインが入った

PC版(Windows/Mac)の新機能・機能強化

AIベースの機械学習スキャンを併用する「XGenスキャン」(Windows)

 昨今、ランサムウェア(「身代金」を要求するマルウェア)による被害が世界規模で増加傾向にある。トレンドマイクロの調査によると、2016年の感染件数は日本国内だけでも4万8800件、世界規模の攻撃件数は約10億件に上ったという。

 ランサムウェアの被害が拡大した背景の1つとして、プログラム少しだけ改変した「亜種」の存在がある。2017年5月に感染が拡大した「WannaCry」では、わずか3カ月で約6万種類の亜種の存在が確認できたという。亜種は改変されているため、セキュリティソフトのパターン(定義)を使った脅威検知から漏れてしまう可能性もある。

ランサムウェアの状況 2016年のランサムウェアの状況。2016年は世界で約10億件の攻撃があったという

 そこで、Windows版の新バージョンでは、法人向け製品に一部導入されている「XGen(エックスジェン)スキャン」に対応した。

 「XGen」は既存のパターンスキャンとAIを使った機械学習型スキャンの「クロスジェネレーション(Xross Generation)」を意味している。パターンスキャンは既知の脅威を短時間で正確に検出できる反面、先述の通りマルウェア亜種の検知が苦手だ。一方、AIスキャンは亜種や未知の脅威の検知が得意なものの、誤検出・過検出率が高めだ。

 XGenスキャンではパターンスキャンとAIスキャンを併用し、両者の弱点を補い合うことで利便性を損なわずにマルウェアに対する脅威をより高めることを実現している。なお、AIスキャンはクラウド(トレンドマイクロのサーバ)で、複数のアルゴリズムを利用して判定を行うようになっている。

XGenスキャンの概要 既存のパターンスキャンにクラウド処理のAI機械学習スキャンを組み合わせた「XGenスキャン」。コンシューマー向け製品では初採用となる

「フォルダシールド」の機能強化(Windows/Mac)

 指定したフォルダへのアクセスを監視してランサムウェアによる暗号化攻撃を防ぐ「フォルダシールド」機能については、新たに複数フォルダの監視、クラウドストレージ(Dropbox、Google Drive、OneDrive)の同期用フォルダの監視、外部ストレージの自動保護(監視)に対応した。

 なお、最新版のフォルダシールドはWindows版に加えてMac(macOS)版でも使えるようになった。

フォルダシールド フォルダシールドは機能強化が図られ、Mac(macOS)版でも使えるようになった

サポート詐欺対策(Windows)

 最新のWindows版では、ネット詐欺の中でも最近急増している「サポート詐欺」への対策機能が新搭載される。Webサイトの設置期間や画面上に表示される内容をもとに「サポート詐欺サイト」の特徴に当てはまるサイトにアクセスした場合に、警告を表示してサイトに記載されている電話番号あてに電話をしないように促す仕組みだ。

サポート詐欺対策機能 サポート詐欺の特徴に当てはまるサイトにアクセスすると警告を出す「サポート詐欺対策」

モバイル版(Android/iOS)の新機能

 ウイルスバスター クラウドのライセンスで利用できるスマホ用セキュリティアプリ「ウイルスバスター モバイル」についても、新機能が追加される。

モバイルランサムウェア対策機能(Android)

 Android端末では、ユーザーが許可(パーミッション)を付与すればストア以外からもアプリをインストールすることができる。この仕組みを悪用し、有名アプリを装ったランサムウェアが昨今急増している。トレンドマイクロの調査では、2017年1〜6月の半年間で23万件を超える“新しい”ランサムウェアアプリが登場したという。

モバイルランサムウェア Androidではモバイルランサムウェアが急増

 そのような現状を踏まえ、Android版の新バージョンには遠隔操作でランサムウェアを強制終了できる「モバイルランサムウェア対策」が追加された。強制終了後は、端末設定をよりセキュアにするための設定変更を促す機能も新たに備えた。

モバイルランサムウェア対策 モバイルランサムウェア対策機能によって、を遠隔操作でスマホのランサムウェアを強制終了できるようになった

不正サイトへのアクセスブロック機能(iOS)

 安全でないWebサイトへのアクセス制限機能として、iOS版では専用Webブラウザ「セーフブラウザ」を提供している。これに加えて、新バージョンでは「アクセスブロック」を利用できるようになる。

 アクセスブロックは「保護者による使用制限」機能を有効にすると利用できる。対象となるブラウザは、「Safari」とiOSの「アプリ内ブラウザ」となる。アプリ内ブラウザに対するアクセスブロックは「Facebook」「LINE」といった主要なアプリをカバーしているが、一部のアプリでは正常に作動しないことがある。

 なお、Android版にはすでにアクセスブロック機能は実装済みだ(対象ブラウザは「Google Chrome」と「標準ブラウザ」)。

iOS版でもアクセスブロック iOS版でもアクセスブロック機能を使えるようになる

販売価格(ライセンス料金)

 ウィルスバスター クラウドには通常版の他、電話・メール・チャットを使ったデジタル機器に関するサポートサービスが付帯する「ウイルスバスター クラウド+デジタルライフサポート プレミアム」も用意される。

 いずれも「ダウンロード版」「パッケージ版」が用意されており、ダウンロード版の税込直販価格(ライセンス料金)は以下の通りとなっている。

ウィルスバスター クラウド(単体)

  • 1年版:5380円
  • 2年版:9680円
  • 3年版:1万2780円

ウイルスバスター クラウド+デジタルライフサポート プレミアム

  • 1年版:7980円
  • 2年版:1万3800円
  • 3年版:1万8580円

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう