MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大225Mbps」「下り最大375Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介。今回は2017年10月編として、ドコモ系MVNOの通信速度をレポートしたい。au系MVNOやY!mobileについても同時に調査したので、別途記事を掲載する。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。
今回、テストを行ったのは以下の18サービス。
顔ぶれは前回代わりない。ドコモ純正サービスである「mopera U」を除くと、MVNOのサービスは計17となる。いずれのSIMもLTEの高速通信に対応したものを使っている。
調査条件は以下の通り。
通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定としている。用意しているのは4台のスマホなので、全サービスを同時に測定しているわけではない。各サービスの測定開時刻は、テスト結果の表を確認してほしい。記事で明記している速度結果は特記がないものを除き、3回の平均値となる。
本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。
まずは8時54分から実施した午前中の測定結果をお伝えする。この時間帯のみ、他の時間帯の翌日に計測を実施した。
天候は、爽やかな秋晴れ。前回、この時間帯の下り平均速度のトップはドコモ純正のmopera Uがトップで、MVNOでは「イオンモバイル」が68Mbpsと一歩抜きん出る結果を残した。今回はどうだろうか。
意外(?)にも、今回の下り平均速度のトップは48.11Mbpsを記録した「NifMo」。NifMoは前回も40Mbps台を記録しており、遅くはない。新たな主役に躍り出るか、今後に注目だ。
2位には平均47.18Mbpsという僅差のmopera U。3位以下は「エキサイトモバイル」「IIJmio」「BIGLOBEモバイル」「楽天モバイル」「ロケットモバイル」「mineo(Dプラン)」、イオンモバイル、「nuroモバイル」と8サービスが平均30Mbpsで続く。
20Mbps台を記録したのは、「OCNモバイルONE」「DMM mobile」「U-mobile LTE使い放題」「DTI SIM」の4サービス。「LINEモバイル」は10Mbps台だった。
下り平均のワースト1は、3.3Mbpsの「FREETEL SIM」。前回もワースト2で冴えない状況が続く。11月1日から楽天に事業譲渡されたが、今後どうなるか。前回ワースト1だった「b-mobile(おかわりSIM)」は、今回ワースト2で平均5.18Mbps。ワースト3は、下り平均8.2Mbpsの「0 SIM」だった。
最近の午前中のワーストは、これら3サービスで固定化されつつある。しかし、0 SIMについては速度が改善傾向にあるのが嬉しいところだ。
一方、上り平均速度は、全サービスが1〜3Mbps台に収まっている。トップは平均3.62Mbpsで、何と0 SIMだ。ほんの少し前まで下りも上りもワースト1が続いていたことを考えると、本当に改善していることが実感できる。次点は平均3.6MbpsでOCNモバイルONEが続く。
上りのワースト1は平均1.95MbpsのU-mobile、ワースト2は平均1.97MbpsのDMM mobileとなった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 8:54 | 30.62 | 3.45 |
OCN モバイル ONE | 8:54 | 24.48 | 3.6 |
BIGLOBEモバイル | 8:54 | 34.98 | 2.45 |
b-mobile(おかわりSIM) | 8:59 | 5.18 | 2.64 |
LINEモバイル | 8:59 | 10.55 | 2.47 |
楽天モバイル | 8:59 | 36.68 | 2.57 |
NifMo | 8:59 | 48.11 | 2.64 |
ロケットモバイル | 9:04 | 35.08 | 2.71 |
FREETEL SIM | 9:03 | 3.3 | 3.33 |
DMM mobile | 9:03 | 22.14 | 1.97 |
U-mobile LTE使い放題 | 9:03 | 26.84 | 1.95 |
mineo(Dプラン) | 9:07 | 36.91 | 2.79 |
DTI SIM | 9:07 | 20.5 | 2.08 |
0 SIM | 9:07 | 8.2 | 3.62 |
イオンモバイル | 9:07 | 30.23 | 2.49 |
エキサイトモバイル | 9:13 | 38.94 | 2.53 |
nuroモバイル | 9:13 | 36.18 | 2.91 |
ドコモ(mopera U) | 9:13 | 47.18 | 2.93 |
午後(ランチタイム)と夕方の計測は、午前中の計測の前日(26日)に実施した。
この日も爽やかな秋晴れだった。夏頃と比べると、駅周辺にいる人は少なめだ。
ランチタイムは通信量が増えて混雑しやすい。そのため一気に通信速度が落ち、下り平均速度は1Mbps未満が続出する。前回、下り平均1Mbps以上を記録したサービスは3つだったが、今回はどうだろうか。
今回も、下り平均1Mbpsを超えた通信サービスは3つとなった。1位と2位は前回と同じで、mopera U(平均56.5Mbps)とnuroモバイル(平均27.72Mbps)。mopera Uはランチタイムでも50Mbps以上の速度が出やすい。nuroモバイルは前回の約14Mbpsよりも高速化しており、MVNO勢のなかでも混雑時の強さが際立ってきた。
3位は前回平均1Mbps未満のU-mobileで、今回は平均4.45Mbps。毎回これくらい出てくれるだけでも好印象なのだが続くだろうか……?
残りのサービスは、全て下り平均1Mbps未満となった。ワースト1は、残念なことに0 SIM。他のサービスと比べてもひときわ遅い平均0.19Mbpsという結果に終わった。前回はギリギリ1Mbps以上を記録したので期待していたのだが、改善は幻だったのか……?
上り平均速度は、DTI SIMが上り平均3.48Mbpsでトップ。次点にはおかわりSIMが3.44Mbpsで迫り、他のサービスも平均1〜3Mbps台。ワースト1のイオンモバイルは平均1.07Mbpsで、辛うじて1Mbps未満を回避した。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 12:27 | 0.62 | 2.65 |
OCN モバイル ONE | 12:27 | 0.45 | 1.68 |
BIGLOBEモバイル | 12:27 | 0.85 | 1.76 |
b-mobile(おかわりSIM) | 12:32 | 0.81 | 3.44 |
LINEモバイル | 12:32 | 0.51 | 3.18 |
楽天モバイル | 12:32 | 0.61 | 2.55 |
NifMo | 12:32 | 0.35 | 1.75 |
ロケットモバイル | 12:37 | 0.68 | 2.55 |
FREETEL SIM | 12:37 | 0.35 | 3.12 |
DMM mobile | 12:37 | 0.64 | 2.02 |
U-mobile LTE使い放題 | 12:37 | 4.45 | 2.56 |
mineo(Dプラン) | 12:41 | 0.45 | 1.3 |
DTI SIM | 12:41 | 0.42 | 3.48 |
0 SIM | 12:41 | 0.19 | 2.35 |
イオンモバイル | 12:41 | 0.63 | 1.07 |
エキサイトモバイル | 12:45 | 0.64 | 1.55 |
nuroモバイル | 12:45 | 27.72 | 2.43 |
ドコモ(mopera U) | 12:45 | 56.5 | 1.69 |
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