NTTドコモは5月16日、「2018 夏 新サービス・新商品発表会」を開催した。
この記事では、発表会での質疑応答と、吉澤和弘社長の囲み取材の模様をお伝えする。
質疑では吉澤社長の他、森健一プロダクト部長、芦川隆範コンシューマビジネス推進部長が報道関係者からの質問に答えた。
―― (HUAWEI P20 Pro HW-01Kについて)Huawei(ファーウェイ)のスマートフォンは5年ぶりくらいだと思う。改めてHuaweiを採用した経緯が知りたい。P20 Proはドコモ限定ということで気合が入っている気がしたが、なぜそこまで注力したのか。(編集者注:ドコモのHuawei製スマートフォンは「Ascend D2 HW-03E」以来5年ぶりとなる)
森氏 昨今、日本でもSIMロックフリー市場を中心に、(Huweiの)プレゼンスがかなり高まって、利用する人が増えているという背景がある。もともと(Huaweiは)dtabも提供してきて、ずっと将来の可能性を模索していた。今回、素晴らしいスペックの端末で、しかも日本の周波数に対応し、FeliCa(おサイフケータイ)、VoLTEやスグ電といったドコモ仕様を盛り込む形で出していただけるということもあって採用に至った。
4、5年前と比べると、Huaweiさんも相当、研究開発に力を入れてらっしゃる。特にスマホ事業はここ数年、素晴らしいものが出ていた。そういったものが今回、我々のラインアップに加わるのは非常に喜ばしいことだと思っている。
―― 以前、「ひかりTV for docomo」を2018年春から提供する予定と発表していたと思う。もう陽気は「春」ではなくなってきていると思うのだが、どうなっているのか。
芦川氏 今、サービスローンチに向けて着々と準備をしている。しばらくお待ちいただければと思う。
―― my daizは他社のAIエージェントと比べて、どういった優位点があるのか。また、スマートスピーカーのようなハードウェアを用意する予定はあるのか。
芦川氏 ドコモの1番の強みは、キャリアとして、これまでいろいろなサービスを出して培ってきたファクトデータに基づき、ユーザーの行動を先読みして、パーソナライズをしっかりとしてサービスを提案できることにある。我々はスマホやタブレットを使ってもらっているので、ユーザーを常に身近で理解して提案することができる。
もう1つ、色々なパートナーのサービスをそろえて提案できるという強みもある。質問すると答えてくれる「スマート価値」も大事だが、我々はやはり「提案価値」(を重視したい)。ユーザーが、こうあってほしいと思う前に、我々がこちらから提案してユーザーに価値をしっかり伝えたいという思いで今回は出した。
AIスピーカーはいろいろあるが、我々にはスマホやタブレットがある。インフォメーションのプッシュ通知やアプリ上の表現などはスマホならでは。そういったものを使って我々からユーザーに語りかけ、自然な対話を誘発する、スマホならではの仕組みが大きな強み。スマホならではの強みを生かしていきたい。
サービスはオープンで、デバイスはいろいろなパートナーとタイアップしてやっていきたいと思っている。APIを公開しているので、デバイスを開発しているメーカーは、my daizをぜひ搭載してもらいたい。我々が独自でスピーカーなどを出すことは考えていない。我々はスマホとタブにこだわって、ユーザーの身近でやっていきたい。
―― my daizと投資サービス、いずれもキャリアフリーで使えるということで、dポイントの会員基盤を強化する意味合いもあると思う。改めて、ドコモが回線契約から会員へ顧客基盤を転換する狙いと、今回の新サービスが果たす役割や狙いを教えてほしい。
吉澤社長 ご指摘いただいたように、my daizも投資関係のサービスも、我々が「契約から会員へ」ということで取り組んでいることに連携している。会員という捉え方をすることで、いろんなサービスがくっついてくる。
例えば「THEO+ docomo」で運用すると同時にポイントが付いてくるなど、dポイントの促進につながっている。dポイントがどういう状態になっているかは、my daizですべて確認できる。パーソナルな会員1人1人のデータをしっかりと蓄積して、それをポイントやサービスのさらなる展開、促進に応用し、連携させていく。
特に今年度、事業革新していくことは、すべてdポイント、あるいはmy daiz、投資サービスに全てつながっていると考えていただいて良い。会員基盤をベースにしたサービスを拡大していくという意味での捉え方で良い。
―― ドコモでは直近1年で、モバイルデータ通信端末やWi-Fiルーターを出していないが、今後はどう考えているか。
森氏 Wi-Fiルーターは2017年3月に出たNECプラットフォームズ製の「N-01J」以降出ていないが、現在、商品企画を具体的に進めているものがあるので、もうしばらく待ってほしい。
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