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» 2018年05月29日 16時30分 公開

5分で知るモバイルデータ通信活用術:「1日90円」プラスで海外データ通信! Y!mobileからクラウドSIM搭載の「セカイルーター」登場 (1/2)

ソフトバンクとウィルコム沖縄(Y!mobile)が、クラウドSIMを使って海外でデータ通信できる「Pocket WiFi」の新モデルを発売。その特徴に迫ります。

[島田純,ITmedia]

 24時間あたり980円(非課税)を追加で支払うことで、海外で国内用のデータ(パケット)容量を使って高速データ通信できるサービス。au(KDDI・沖縄セルラー電話)が初めて導入し(参考記事)、しばらくたってNTTドコモも追随しましたが(参考記事)、ソフトバンクからは対抗サービスがなかなか出てきませんでした。

 そんな中、ソフトバンクが「Y!mobile」ブランドで「Pocket WiFi 701UC」なるモバイルWi-Fi(無線LAN)ルーターを発売しました。定額料金に「1日90円」を追加で支払うことで、海外でも月間7GBの高速データ通信ができるというものです。

 別途ルーターを購入する必要はあるものの、1日90円というプライシングは破格。それを実現したのは、以前も紹介した「クラウドSIM」という仕組みです。

 今回は、大手キャリア初となる「セカイルーター」の実像に迫ります。

Pocket WiFi 701UC 大手キャリア初のセカイルーター「Pocket WiFi 701UC」

701UCのスペック・サービスをおさらい

 701UCは、専用料金プラン「Pocket WiFi 海外データ定額」に加入することで海外でも使えるようになります。組み立て的には、既存プランである「Pocket WiFi プラン2」に専用オプション「海外データ定額」を組み合わせたもので、ベースプランにオプション料金として月額284円(税別)が加算されます。これにより、国内、海外でそれぞれ月間7GBのデータ通信量が使えます。3年契約の「さんねん」を適用した場合の月額料金は、オプション料金込みで3980円(税別)です。

 701UCの本体(一括)価格は3万7800円(税別:Y!mobileオンラインストア価格)で、購入に伴い月額1050円の「月額割引」36回適用されるため(総額3万7800円)、3年間使うと「実質0円」となります。

 ルーターとしての主なスペックは以下の通りです。

「Pocket WiFi 701UC」の主な仕様
機種名 Pocket WiFi 701UC
メーカー uCloudlink
画面 約4型液晶
バッテリー容量 5350mAh(ユーザー交換不可)
連続通信時間 約18時間
連続待受時間 約1070時間
対応通信規格・周波数帯 FD-LTE:Band 1/2/3/4/5/8/17/19
AXGP・TD-LTE:Band 38/39/40/41
W-CDMA:Band 1/2/4/5/6/8/9/11/19
GSM:850/900/1800/1900MHz
無線LAN(Wi-Fi) IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz帯):最大5台接続可能
サイズ 約65(幅)×126(高さ)×19(奥行き)mm
重量 約240g

海外通信料の安さの秘訣は「クラウドSIM」

 701UCの最大の特長は、何といっても海外利用時のデータ通信料が割安であることです。

 他社に先駆けて、ソフトバンクは1日2980円(非課税)の「海外パケットし放題」や、米国での音声通話・データ通信に追加料金が発生しない「アメリカ放題」など、印象深い海外渡航者向けサービスを提供してきました。しかし、ここ最近は「他社と比べて海外ローミングサービスに力を入れていないのでは……?」とも思えるぐらいに動きがありませんでした。

 そんな中で突然発表された701UCとPocket WiFi 海外データ定額ですが、ソフトバンク(SoftBank)とY!mobileの両ブランドを通して(アメリカ放題は別として)従来の海外データローミングサービスよりも圧倒的に低廉な料金を実現しています。

 その秘訣(ひけつ)が、701UCが内蔵する「クラウドSIM」です。

 通常の海外ローミングサービスでは、現地のモバイルネットワークを一時的に借りて使う形となります。そのため、ローミングを受け入れる現地の事業者に料金の支払いが発生するため、ある程度割高になっています。

 それに対し、クラウドSIMは「渡航先の現地SIMを仮想化して使う」仕組みとなっているため、ローミングと比べて圧倒的に安価に使えるのです。

クラウドSIMの概念図 クラウドSIMの概念図

 クラウドSIMを使った通信サービスを提供する事業者(701UCの場合はuCloudlink)は、「SIMバンク」あるいは「SIMプール」と呼ばれる装置を用意し、そこに大量のSIMカードをストック(装着)しています。

 ユーザーが渡航先に到着してルーターの電源を入れると、ルーターはストックの中から最適なSIMカードの情報を仮想化して、ネットワーク経由でルーター上のクラウドSIMに書き込みます。イメージとしては、「屋台に並べられたSIMカードの中から、最適なSIMカードを自動的に選択して差し込んでくれる」といった感じです。

SIMバンク(イメージ) SIMバンクのイメージ。渡航先に合わせたSIMカードをストックしている
SIM屋台 SIM屋台(写真)で売っているSIMカードの中から、渡航先に合わせて最適なものを自動で選んで、オンラインで買えるようにしたようなイメージでもある
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