iPhone 13が「2021年のベストスマホ」に選ばれなかった決定的理由(2/2 ページ)

» 2022年01月19日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]
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個性的なAndroidが多数、指紋認証見送りもマイナス

 インパクトでAndroidに負けていても、しっかり売れていれば加点の対象になったはずですが、BCNが発表した2021年のスマートフォン実売台数ランキングを見ると、1位がiPhone SE(第2世代)、2〜3位がiPhone 12/12 mini/12 Proでした。ただ、iPhone 13も6位にランクインしているので、決して売れなかったわけではありません。本来ならiPhone 13はノミネートされてもおかしくないはずですが、審査員は誰1人ノミネートしませんでした。唯一、iPhone 13 Proを2人がノミネートしましたが、Galaxy Z Fold3 5Gの3票に惜しくも届きませんでした(あと1人が選んでいたら、Galaxy Z Fold3 5Gとの決選投票でした)。

 iPhoneにとってはかなり厳しい結果になりましたが、選外の決め手になったのは、「指紋認証が復活しなかったこと」に尽きると捉えています。審査員の佐野さんも「iPhoneはどんな理由があるにせよ、生体認証がFace IDしかないので、現状のコロナ禍を考慮すると、入れる気はしなかった」とコメントしている通り、指紋認証の見送りは大きなマイナスポイントになってしまいました。

 コロナ禍に突入した2020年に発売されたiPhone 12シリーズに指紋認証が復活しなかったのは、開発期間を考えれば致し方なかったとはいえ、そこから1年後のiPhone 13シリーズでも非搭載というのは、悪い意味で驚きました。指紋センサーはディスプレイ内蔵にする、「iPad Air(第4世代)」や「iPad mini(第6世代)」のように側面の電源キーに搭載するなど、いくらでも搭載方法はあったはずです。

iPad mini iPhone 13と同時発表された「iPad mini(第6世代)」は電源キーに指紋センサーを搭載している

【訂正:2022年1月19日10時00分 初出時、iPad miniの世代に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】

 2022年1月現在でも私たちはマスク生活を余儀なくされており、Face IDでの顔認証を利用するにはマスクを下ろす必要があります。Apple Watchと連携していれば、マスクをしたままロックの解除はできますが、万人が使える方法ではありませんし、Apple Payでの支払いではこの連携機能は使えません。もし、iPhone 13シリーズが指紋認証を搭載していたら、少なくとも候補には入ったのではないか――と思わずにはいられません。

 2022年のiPhoneは、順当ならメジャーバージョンアップをするはずですが、2021年以上の新しさや驚きがあるのか、そして私たちの生活に寄り添った進化を果たすのか、注目したいところです。

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