グラフィックスカードも新しいGPUを搭載したモデルが各社から登場し、毎週のように新製品が確認できた。まず9月第2週に、GeForce 7900GTの下位として「GeForce 7900GS」を搭載するカードが登場。各モデルが2万円台後半の価格で売られており、同7900GTよりも約1万円安いとあって、すでにミドルレンジの売れ筋モデルとなっている。
その1週間後の9月第3週には、GeForce 7900GTの上位として「GeForce 7950GT」が出回った。価格は3万7000円から5万円。これら2種類のGPUが登場したことで、GeForce 7900GTは製造終了となる。GeForce 7950GTはミドルレンジとしては高めの価格のため、値頃感のあるGeForce 7900GSに比べるとユーザーの反応はやや薄かった。
一方のATIは、最上位となる「RADEON X1950XTX」を投入、同GPUを搭載した製品が9月第3週に登場した。価格は6万3000円から7万円で、在庫は10月2日の時点で潤沢だ。
RADEON X1950XTXはメモリクロックがグラフィックスカードで初めて2.0GHz(実クロックは1.0GHz)に到達しており、高い処理速度を求めるユーザーの注目を集めた。また、BLESS秋葉原本店など、一部のショップでは「RADEON X1950 CrossFire Edition」搭載製品の予約も受け付けている。こちらは10月初旬に登場する見込みだという。
RADEON X1950XTXを搭載したグラフィクスカードは、発売当初はそこそこの反響が得られたものの、絶対数ではNVIDIA陣営に圧倒される状況が続いている。某ショップは「ATI陣営のカードはNVIDIAの同クラスのカードよりも、値段が高くなっています。デュアルGPU環境を構築するにも、CrossFireは条件がSLIよりも厳しい。次世代のプラットフォームが登場するまでは勢力図を変えることは難しいですね」と語る。
水冷キットといえば春先から夏にかけて新モデルが登場する“季節モノ”の印象が強かったが、今年は各社の新製品を投入する時期が分散する傾向が強まっている。某ショップは「水冷キットが特別なものではくなったため、夏だけに売れるわけでなく、年間を通してまんべんなく売れるようになっていますね」と話す。9月末には、ギガバイトとクーラーマスターの新顔が店頭に並んでいた。
ギガバイトの「3D Galaxy II」はCPUブロックとPC内蔵型のラジエーターとポンプをセットにした増設可能な水冷キットだ。価格は2万円前後で、潤沢に出回っている。チューブのジョイントパーツとして、バルブ付きの部品を2点付属しているのが特徴。VGAブロックなどを追加するさいにバルブを閉じれば、水抜きせずに増設できる。T-ZONE.PC DIY SHOPは「水漏れを防ぐことで、循環系に空気が入ることも防げます。分岐バルブだけ目当てでも買う価値はありますね」と勧めていた。
クーラーマスターの「AQUAGATE VIVA」もPC内蔵型の水冷キットだ。CPUブロックやポンプが出荷時から組み立てられたタイプで、薄型のラジエーターを付属している。ブラケットを使うことで、ブランクベイやサイドパネル、空いた拡張スロットに固定できる。高速電脳は「PC内蔵型といっても、数段のブランクベイが必要だったりと、水冷キットを組み込むのに空間的な制限を多く受けるのが普通です。設置スペースに余裕がないならAQUAGATE VIVAは有力な選択肢でしょう」という。
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