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» 2008年08月22日 11時45分 UPDATE

富士通謹製UMPC再び:Atom搭載「LOOX U」の進化ぶりを写真でじっくり解説する (1/3)

富士通のコンバーチブル型UMPC「FMV-BIBLO LOOX U」は、Atom搭載機でもNetbookとは一味も二味も違う。新旧比較を交えつつ、写真とともにじっくりチェックする。

[前橋豪,ITmedia]

Centrino Atom採用のUMPCとなったLOOX U

tm_0808looxup01.jpg 店頭モデルの「FMV-BIBLO LOOX U/B50」。予想実売価格は13万円前後だ

 プラットフォームを「Intel Ultra Mobile Platform 2007」から「Centrino Atom」(開発コード名:Menlow)に切り替え、フルモデルチェンジを果たした富士通の新生「FMV-BIBLO LOOX U」が8月30日に発売される。店頭販売向けに「U/B50」の1モデルが用意されるほか、同社直販サイト「WEB MART」で購入できるモデルの「U/B50N」では、仕様のカスタマイズが可能だ。

 インテルの新しい低消費電力・小型CPUであるAtomは、「Silverthorne」の開発コード名で知られるMID(Mobile Internet Device)向けのZ500番台と、「Diamondville」の開発コード名を持つ低価格ノート/デスクトップPC向けの200番台が用意されている。現在、ノートPC市場をにぎわせている「Eee PC 901-X」などの低価格ミニノートPC(いわゆるNetbook)に使用されているのは低コストを重視した後者だが、LOOX Uが採用したのは「WILLCOM D4」と同じ前者で、専用チップセットとの組み合わせにより、低消費電力化と小型化に注力しているのが特徴だ。

 新型LOOX UはCPUにAtom Z530(1.6GHz)、チップセットに開発コード名PoulsboことIntel SCH(システム・コントローラ・ハブ)を採用し、IEEE802.11n(ドラフト2.0)の無線LAN機能、約5.3時間の連続駆動をうたうバッテリー、タッチパネル式の5.6型ワイド液晶ディスプレイを備えることで、Centrino Atomの要件を満たす。

 その製品概要はニュース記事動画での紹介記事を参照していただくとして、ここでは店頭向けモデルのU/B50を中心に、写真とともにLOOX Uを詳しく見ていこう。なお、今回入手した機材は試作機のため、実際の製品とは一部異なる場合がある。

大幅に見直された液晶ディスプレイとキーボード

 タッチパネル式の液晶ディスプレイが回転・反転する構造のコンバーチブル型ボディは前モデルから継承され、本体サイズは標準バッテリー搭載時で171(幅)×135(奥行き)×26.5〜33(高さ)ミリとほぼ据え置き、重量は約565グラムと約34グラム減となった。軽くなった理由としては店頭モデルからワンセグチューナーが省かれたことも挙げられるため、本体サイズと重量はほとんど従来と同じといえるが、ボディのデザインは変更されている。

tm_0808looxup02.jpgtm_0808looxup03.jpgtm_0808looxup04.jpg ボディは文庫本より少し大きい程度に仕上がっており、CDケースと並べてもこんなに小さい(写真=左)。店頭モデルは光沢あるオーシャンブラックの天板カラーを採用(写真=中央)。単に黒一色の天板ではなく、よく見ると太さの異なるラインが何本も縦に走っており、凝ったデザインになっている(写真=右)

 プラットフォームの刷新とともに大きく変わったのが、液晶ディスプレイとキーボードだ。Atomの搭載よりも、この2つの変更点がモデルチェンジのキモといっても差支えないだろう。まずは液晶ディスプレイだが、LEDバックライト付きの5.6型ワイドスーパーファイン液晶(光沢仕様)を採用する。サイズはそのままに、解像度を1024×600ドット(WSVGA)から1280×800ドット(WXGA)に高め、1画面に表示できる情報量が増えたのがポイントだ。Atom搭載Netbookより画面サイズは小さいが、高解像度を獲得している。

 ただし、画面サイズ自体が5.6型ワイドと小さいため、高解像度化でドットピッチは0.0945ミリと非常に細かくなり、OSのメニューや小さな文字などは読みにくいが、両手でLOOX Uを抱えて操作したり、タブレット機能を利用するシーンでは、必然的にユーザーの目と画面との距離が近くなるため、「表示が細かくても意外に使える」という印象を受けた。

tm_0808looxup05.jpgtm_0808looxup06.jpg 新モデル「U/B50」(写真=左)と前モデル「U50X/V」(写真=右)の液晶ディスプレイ比較。液晶パネルが高解像度になり、一度に表示できる情報量がぐんと増した。利用スタイルに合わせて、解像度を切り替えつつ使ったり、OSのWindows Vista Home Premium(SP1)に含まれるDPIスケーリング機能でフォントやアイコンのサイズを大きくしてもいいだろう。

 キーボードの改良は、特に前モデルで文字入力に苦労した経験のあるユーザーにとって朗報に違いない。5段配列の56キー構成から6段配列の68キー構成に大型化され、イチから設計し直したものになっている。前モデルではFnキーとほかのキーを同時に押すことで、Delete、Tab、ファンクションキー、カーソルキー、「−」(長音)などを入力する仕組みで、クセの強い操作感だったが、キー数の増加によって、これらのキーが独立して搭載されるようになったのはうれしい(ファンクションキーはF1〜F6キーまでが独立)。

 Fnキーを押しながらの操作が減ったため、文字入力時のストレスはかなり軽減されたうえ、入力ミスを抑えるため、キーピッチの拡大や、キートップ形状の変更、全体的なキーレイアウトの見直しがなされているのも見逃せない。標準的なミニノートPC並みにキー入力がしやすいとまではいえないが、これなら前モデルのキーボードに不満を感じていたユーザーの多くが納得できるのではないだろうか。

tm_0808looxup07.jpgtm_0808looxup08.jpgtm_0808looxup09.jpg 液晶ディスプレイをそのまま開けば、小さいものの通常のノートPCと見た目は変わらない(写真=左)。6段配列の小型キーボードは、テーブルやヒザの上に置いて一般的なノートPCのスタイルで入力できるのはもちろん(写真=中央)、両手で本体を抱えて左右の親指で入力するのも無理がない(写真=右)

tm_0808looxup10.jpgtm_0808looxup11.jpg 新モデル「U/B50」(写真=左)と前モデル「U50X/V」(写真=右)のキーボード比較。キーを1段増やして、Delete、Tab、F1〜F6キー、カーソルキー、「−」を独立させた。代わりに、「@」や括弧のキーなどはFnキーとの併用になったが、全体的な利便性を考慮すると、妥当な判断だろう。Enterキーは大きくなり、キーピッチは従来の約14ミリから約14.8ミリに広がった。主要キーのサイズを実測したところ、縦が14ミリで横が11.5ミリ、スペースバーの長さは31.5ミリだった。右Shiftキーが追加され、Fnキーと同時押しするキーがキーボードの右側に集められたことで、両手の親指入力時でも無理の少ないキー入力が可能になっている

tm_0808looxup12.jpgtm_0808looxup13.jpgtm_0808looxup14.jpg キートップの4辺に段差を設け、キーとキーの間隔を約3ミリから約4.2ミリに拡大することで、隣接するキーに誤って触れることが少なくなった(写真=左、中央)。液晶ディスプレイ左下のボタンを長押しすれば、暗所で手元を見やすくするキーボードライトが点灯する(写真=右)

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