ニュース
» 2009年02月24日 18時14分 UPDATE

「外も中も“WD”という時代が来る」――ウェスタンデジタル新製品説明会

周辺機器メーカーにHDDのOEM供給を行っているウェスタンデジタルが、国内市場にメディアプレーヤーとNASを投入する。自社ブランドの強化が狙いだ。

[ITmedia]

 ウェスタンデジタルジャパンは2月23日、同社が国内投入を予定している新製品説明会を報道関係者向けに開催した。同説明会で披露されたのは、HDメディアプレーヤー「WD TV」と、DLNA対応のギガビットNAS「My Book World Edition」、そして3.5インチ2TバイトHDD「WD20EADS」の3製品だ。

HDメディアプレーヤー「WD TV」

og_wd_001.jpg WD TV

 WD TVは、USBストレージに保存したデジタルコンテンツを大画面テレビなどに出力できるメディアプレーヤー。125(幅)×100(奥行き)×40(高さ)ミリのコンパクトな本体に2基のUSBポートを搭載し、さまざまなUSBストレージを接続できるほか、HDMIとコンポジット出力を備えており、HDMI接続時には1080pまでのHD映像を再生できる。

 ユーザーインタフェースには大画面への出力を想定した10フィートUIを採用し、付属の小型リモコンで操作する仕組みだ。写真や音楽アルバム、映画などはサムネイルで表示されるほか、コンテンツの保存フォルダに関わらずメディアタイプごとにブラウズできる。また、アーティスト名やタイトル、ファイル名などによる検索も行える。

 対応ファイル形式は、動画がMPEG-1/2/4/WMV9/AVI(MPEG-4/Xvid/AVC)/H.264/MKV/MOV(MPEG-4/H.264)、静止画がJPEG/GIF/TIFF/BMP/PNG、オーディオがMP3/WMA/OGG/WAV(PCM/LPCM)/AAC/FLAC/AIFF/MKAなど。また、メディアファイルをWD TV用に最適化されたフォーマットへ変換するソフトウェアとして、ArcSoft MediaConverter 2.5が同梱されている。

 なお、同製品は2008年末から米国で販売が始まっているが、日本国内では3月中旬より発売される見込み。価格は1万3800円だ。

og_wd_002.jpgog_wd_003.jpgog_wd_004.jpg WD TVの背面。ビデオ出力はHDMIとコンポジットの2系統(写真=左)。手のひらサイズのリモコンが付属する(写真=中央)。デモではポータブルHDD内のコンテンツをコンポジットビデオ経由でプロジェクターに出力していた(写真=右)

og_wd_005.jpgog_wd_006.jpgog_wd_007.jpg 音楽ファイルのアルバムカバーを表示したところ(写真=左)。再生中は曲名やアルバム名、ジャンルなどの情報が表示される(写真=中央)。検索にも対応する(写真=右)

ネットワークストレージ「My Book World Edition」

og_wd_008.jpg My Book World Edition

 My Book World Editionは、ギガビットLANに対応したネットワークストレージで、既存のホームネットワーク(ルータ)に接続するだけで、ユーザーのPC(VistaもしくはLeopard)が自動的にドライブを検出し、簡単に共有できるのが特徴(Windows XPの場合は付属のツールを使用)。標準でiTunesサーバを搭載し、ホームネットワーク上のどのPCからでも音楽ファイルを再生できるほか、Xbox 360やPlaystation 3などのDLNA対応機器があれば、My Book World Editionに保存した動画や静止画を大画面テレビに出力できる。また、5ユーザーライセンスのバックアップソフトを標準で付属し、あらかじめ設定した内容に従ってネットワーク上のクライアントを自動的にバックアップする機能も持つ。このほか、「MioNet」を利用することで、外出先などから自宅に設置したMy Bookにリモートアクセスすることも可能だ。

 本体サイズは、58(幅)×147(奥行き)×173(高さ)ミリ、重量は約1.09キロ。容量は1Tバイトと2Tバイトのラインアップがあり、日本国内では3月下旬に発売される予定だ。なお、現時点で価格は未定となっている。

og_wd_009.jpgog_wd_010.jpgog_wd_011.jpg My Book World Editionをルータに接続すると、ネットワーク上のPCが自動的にネットワークドライブを認識する(写真=左)。DLNAに対応(写真=中央)。同社が公開したファイル転送のベンチマークテスト結果(写真=右)。※評価機は、Core 2 Quad(2.4GHz)、Intel X38 Express搭載マザーボード、2Gバイトメモリ、Intel PRO/1000 GTで構成されたシステムで、NETGEARのギガビットスイッチングハブ(GS108T)を使用している

 このほか、2テラバイト容量を持つ業界初の3.5インチHDD「WD20EADS」も紹介された。WD20EADSは、500Gバイトプラッタ(面記録密度400Gビット/平方インチ)4枚構成のSerial ATAドライブで、32Mバイトのキャッシュを備える。同製品は「WD Caviar Green」シリーズの3世代目にあたり、アクセスアルゴリズムの最適化や低消費電力タイプのコントローラLSIの採用、データアクセスの状態に応じて3段階に切り替わる電力管理などにより、低消費電力かつ低発熱を実現したという。また、今回4枚プラッタとなったことで、リード/ライト時の振動を抑えるために、モーターシャフトを両側で固定する「StableTrac」技術が採用されている。

og_wd_012.jpgog_wd_013.jpgog_wd_014.jpg WD20EADSのスペック(写真=左)。StableTracなどの新技術が採用されている(写真=中央)。グラフのうち左3本がWD Caviar Greenシリーズ。1番左が第3世代のWD20EADSで、稼働時の消費電力が7.5ワットまで抑えられている(写真=右)

外付けドライブの投入でブランド強化――「中も外もWDに」

og_wd_015.jpg ウェスタンデジタルジャパン代表取締役社長 金森苧(かなもり・あさお)氏

 発表会の冒頭で、ウェスタンデジタルジャパンの代表取締役社長である金森氏は、同社の業績を説明するとともに今後の方針を示した。同氏は世界的な不況への対策として、2008年12月までに行ってきたタイとマレーシアの工場閉鎖や2500人(ワールドワイド全従業員の5%にあたる)のレイオフ、上級管理職の給与カットなどを挙げたほか、1999年に起こしたリコール以来、常に経営の見直しを行ってきたとし、「それが功を奏したのか、各社が赤字に転落する中、10〜12月期も黒字を達成することができた」と説明。また、「予定の生産量の15%をカットし、全体の出荷台数が減ったにも関わらず、エンタープライズを除いた市場シェアではシーゲイトを抜き、世界で1位になることができた」と語り、厳しい状況の中でも堅調なビジネスを維持しているとアピールした。

 金森氏は「いま本当の意味で我々の競争力が試される時が来たと思っている。昔の教訓(1999年の40万台のリコール)を生かして、よい品質、よいサポート、時代にマッチした製品を出したいと思っている。これからも本物の製品だけを提供していく」と抱負を述べた。

og_wd_017.jpgog_wd_018.jpgog_wd_019.jpg エンタープライズ製品を除くHDD市場シェア。2008年4Q(10〜12月期)にウェスタンデジタルが首位に躍り出た(写真=左)。右肩上がりの成長を続ける新参入の2.5インチ分野がシェア拡大をけん引している(写真=中央)。3.5インチ分野でのシェア(写真=右)

 ウェスタンデジタルは今回2つのリテール製品を投入するが、日本国内における外付けHDDの市場シェアは、同社がHDDをOEM供給するいくつかの周辺機器メーカーが占めている状況だ。この現状に対して金森氏は「外付けHDDを販売することによってウェスタンデジタルのブランド強化につながると考えている。(OEM供給先との)すみ分けは確かに難しいが、やらざるを得ないと思っている。(ストレージ製品は)外も中もすべてウェスタンデジタルという時代がくる」と自信を見せた。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.