PCとしての主な仕様は、Hyper-Threading Technology(HT)とIntel Turbo Boost Technology(TBT)に対応するデュアルコアのCore i5-450M(2.26GHz/3次キャッシュ3Mバイト)とIntel HM55 Expressチップセットを中心に、高機能なノートPC向けのプラットフォームを採用し、グラフィックス機能は従来のIntel GMA 4500MHDに改良を加えたGPUコアであるCPU統合のIntel HD Graphicsを用いる。
CPUは4スレッドを同時に処理でき、TBTにより、CPUの温度や電力に余裕がある場合に動作クロックを最大2.53GHzまでオーバークロックして動作させることが可能だ。ストレージも1Tバイトと大容量のHDDを備え、一般的なPC用途向けデータ以外に地デジ録画用の領域としても十分な容量を確保している。地デジ番組の録画は、別途USB外付けHDDにも録画できるようにもなっている。このあたりは家庭用レコーダーとは少し異なるPCならではの柔軟性があるといえる。
なお、下位のVN550/WG6はCPUにCore i3-330M(2.13GHz/TBT非対応)を搭載し、HDDは500Gバイト、光学ドライブはDVDスーパーマルチ、そして地デジチューナーは非搭載となる。VN550/WG6は、VN770/WG6より実売価格で約3万円ほど安価なので、テレビ系機能やBlu-ray Discドライブが必要ない層はこちらを選択するのもよいだろう。
搭載インタフェースは、本体左側面にSDHC対応SDメモリーカード、PRO-HGデュオ対応メモリースティック対応のマルチメモリカードスロット、IEEE1394(4ピン)×1、マイク入力/イヤフォン出力、USB 2.0×1、右側面にBlu-ray Discドライブ(2層BD-R/同REへの記録とDVDスーパーマルチ機能に対応)、明るさ調整/画面消灯スイッチ、USB 2.0×1、本体背面にUSB 2.0×4、1000BASE-T対応有線LAN、TVアンテナ用F型同軸端子、DC入力端子を実装する。
デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、USBメモリ、イヤフォンなど、ひんぱんに抜き差しする機器の使用時に、本体側面の端子やメモリカードスロットを本体側面に備えるインタフェースで楽に利用できる。PCとしての利便性だけを考えると前面にもあるとより便利だが、こちらはデザイン性とのトレードオフと考えたい。また、計6基あるUSB 2.0のうち、PCの電源オフ時も電力を供給する「パワーオフUSB充電」対応端子を左側面に1つ備える。こちらは携帯電話やポータブルAV機器、携帯ゲーム機などの充電に大変便利だ。
ベンチマークテスト | VALUESTAR N VN770/WG6R | |
---|---|---|
PCMark05 1.2.0 | PCMark | 5831 |
CPU | 6412 | |
Memory | 5593 | |
Graphics | 2687 | |
HDD | 5931 | |
PCMarkVantage 1.0.1.0 | PCMark | 4152 |
Memories | 3114 | |
TV and Movies | 3278 | |
Gaming | 3117 | |
Music | 4514 | |
Communications | 4142 | |
Productivity | 2505 | |
HDD | 3175 | |
CINEBENCH R10 | 1CPU | 2784 |
xCPU | 5957 | |
3DMark06(1280×768) | 3DMark | 1903 |
SM2.0 | 579 | |
SM3.0 | 774 | |
CPU | 2627 | |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 | LOW | 3632 |
HIGH | 2417 | |
なお、有線LAN以外にIEEE802.11b/g/n対応の無線LANも内蔵するので、無線LAN環境が備わっている家庭はこちらも有効に活用したい。これなら、本体に接続するものは電源(ACアダプタ)とテレビアンテナケーブルだけでOKだ。
このほか、背面のカバー内にSO-DIMMスロット2基とB-CASカードスロットを設ける。メインメモリは両モデルとも4Gバイト(PC3-8500対応の2GバイトDDR3 SDRAM×2)で、2基すでに埋まっている。将来的なスペックアップやミドル/ハイエンドユーザーでなければ、基本的にはここに触れる必要はないだろう。
なお、OSは32ビット版のWindows 7 Home Premiumなので、OSで利用できるメモリ容量は約3Gバイトまでに制限される。B-CASカードは、地上デジタル放送のみに対応する従来どおりのクレジットカードサイズのカードが同梱される。今後、こちらがSIMカードサイズのminiB-CASカードとなるなら、ボディサイズのさらなる小型化も望めそうだ。
パフォーマンスは、プライベートルーム向けとしてテレビ機能とWeb、メール、オフィスアプリケーション、動画・写真再生といった一般的なシーンにおいては十分といえる。
Windows 7のWindowsエクスペリエンスインデックスはCPUとメモリスコアが6.4に達し、PCMark VantageのPCMarkスコアも4000台となっている。3D描画を含めたグラフィックス性能は、CPU統合グラフィックスだけに高度な3D描画性能を要する最新3Dゲームタイトルをぐりぐり動かすには力不足だが、それ以外のオンラインベースのカジュアルゲームなら十分快適に楽しめるだろう。
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