Acerが電子書籍端末「LumiRead」を発表、タブレットも投入かAcerの野望 2010 in 北京

» 2010年05月27日 19時36分 公開
[後藤治,ITmedia]
Acer CEOのジャンフランコ・ランチ(Gianfranco Lanci)氏と電子書籍端末「LumiRead」

 Acerは5月27日(現地時間)、2010年のワールドワイド戦略を説明するプレスカンファレンス「source home 2010」を北京で開催した。2つの新製品が登場しているので、そちらを先に速報しよう。

 AcerのCEO、ジャンフランコ・ランチ(Gianfranco Lanci)氏が壇上で披露した新製品の1つが電子書籍端末「LumiRead」だ。詳細なスペックは明らかにされていないが、EPUB形式をサポートし、6インチの画面(ノングレア、E-Ink)とキーボードを備え、2Gバイトの内部メモリを搭載。またインタフェースとしてMicroSDスロットとUSBを、ネットワーク機能としてWi-Fiと3Gを利用できる。バッテリー駆動時間の目安として、Acerスタッフの話では6000〜8000ページの書き換えが可能だという。

 外観も仕様もちょうどAmazonの「Kindle 2」と非常によく似たデバイスで、本体サイズは実測値で118(幅)×208(奥行き)×10.3(高さ)ミリ。特徴的な機能として、本体背面にISBNスキャナを内蔵しており、本のバーコードからISBNを読み込んで、そのままインターネットで目的の本を検索し、購入あるいはダウンロードできるという。

見た目はKindleそっくりの「LumiRead」。カバー内にMicroSDカードスロットとSIMスロットがあり、Wi-Fiと3Gの両方を利用できる。音声出力とスピーカーを搭載し、オーディオブックなどの再生も可能なようだ

本体背面にISBNスキャナを内蔵し、読み込んだISBNをウィッシュリストに追加できる。目当ての書籍をインターネットから手軽に検索するための仕組みだ

コンテンツはSDメモリとUSB、もしくはインターネット経由でダウンロードする。Acerの新しいホームネットワーク構想「clear.fi」にも対応しており、ホームネットワーク上のPCでダウンロードしたEPUB形式のファイルを別室にあるLumiReadで読むというデモが行われた

 発売時期は2010年の第3四半期以降で、米国、ドイツ、中国で順次展開される予定。価格は未定だ。また、これにあわせて、米国ではBarnes&Nobles、ドイツではLibri.de、中国ではFouderグループ(方正集団)と協業していく。特にデスクトップPC市場と電子書籍で強い影響力を持つFouderとの提携は、中国のPC市場シェアでも、レノボ、ヒューレット・パッカードに次ぐ第3位(第5位のAcerと第8位のFounderを総合すると)の規模になるため、中国のメディアにとっては非常に大きなニュースだったようだ。

 もう1つ、スペシャルサプライズとしてタブレット端末も披露されている。そのタブレット端末が登場したのは午前に実施されたイベント終了間際の数分のみで、その後の展示はおろか、Acerスタッフ内でもトップシークレット扱いとなっているようだ。このため、投入時期が2010年第4四半期ということ以外では、スペックや価格を含む詳細はまったくの不明。ただし、PC市場シェアでデルを抜きさり、世界制覇に指をかけたAcerにとって、このタブレット端末が“次の10年”の構想として描くホームネットワーク戦略「clear.fi」の中核を担う製品であることは間違いない。

ジャンフランコ・ランチ氏が取り出した問題のタブレット端末。見た限り、iPadのようなタッチ入力に対応した光沢液晶を搭載する端末だが、キーボードも搭載している。画面のアイコンを指でタッチし、写真をめくったり、電子書籍のページをめくったりする様子をデモした

 イベント全体を通した内容は追って掲載していく。

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