Acerは5月27日(現地時間)、2010年のワールドワイド戦略を説明するプレスカンファレンス「source home 2010」を北京で開催した。2つの新製品が登場しているので、そちらを先に速報しよう。
AcerのCEO、ジャンフランコ・ランチ(Gianfranco Lanci)氏が壇上で披露した新製品の1つが電子書籍端末「LumiRead」だ。詳細なスペックは明らかにされていないが、EPUB形式をサポートし、6インチの画面(ノングレア、E-Ink)とキーボードを備え、2Gバイトの内部メモリを搭載。またインタフェースとしてMicroSDスロットとUSBを、ネットワーク機能としてWi-Fiと3Gを利用できる。バッテリー駆動時間の目安として、Acerスタッフの話では6000〜8000ページの書き換えが可能だという。
外観も仕様もちょうどAmazonの「Kindle 2」と非常によく似たデバイスで、本体サイズは実測値で118(幅)×208(奥行き)×10.3(高さ)ミリ。特徴的な機能として、本体背面にISBNスキャナを内蔵しており、本のバーコードからISBNを読み込んで、そのままインターネットで目的の本を検索し、購入あるいはダウンロードできるという。
発売時期は2010年の第3四半期以降で、米国、ドイツ、中国で順次展開される予定。価格は未定だ。また、これにあわせて、米国ではBarnes&Nobles、ドイツではLibri.de、中国ではFouderグループ(方正集団)と協業していく。特にデスクトップPC市場と電子書籍で強い影響力を持つFouderとの提携は、中国のPC市場シェアでも、レノボ、ヒューレット・パッカードに次ぐ第3位(第5位のAcerと第8位のFounderを総合すると)の規模になるため、中国のメディアにとっては非常に大きなニュースだったようだ。
もう1つ、スペシャルサプライズとしてタブレット端末も披露されている。そのタブレット端末が登場したのは午前に実施されたイベント終了間際の数分のみで、その後の展示はおろか、Acerスタッフ内でもトップシークレット扱いとなっているようだ。このため、投入時期が2010年第4四半期ということ以外では、スペックや価格を含む詳細はまったくの不明。ただし、PC市場シェアでデルを抜きさり、世界制覇に指をかけたAcerにとって、このタブレット端末が“次の10年”の構想として描くホームネットワーク戦略「clear.fi」の中核を担う製品であることは間違いない。
イベント全体を通した内容は追って掲載していく。
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