ベンチマークテストの結果を見てみよう。Atom Z520とUS15Wの組み合わせを採用する製品は多いが、SSDの性能が気になるところだ。
CrystalDiskMark 3.0のスコアは下に掲載した画面の通りだ。以前にレビューした「Viliv S10 Blade」など同社製ミニノートPCで採用されていたSSDの「pSSD-P2」に比べて、シーケンシャルリードや512Kバイトのランダムリードは速いが、ライト性能ではシーケンシャル、ランダムともにわずかながら劣る。
ただ、WindowsエクスペリエンスインデックスのスコアやPCMark05のHDDスコアなどを見ると、総合的な性能ではpSSD-P2よりも上といえる。体感での操作感も悪くない印象だ。
HDD関連以外のスコアはAtom Z520とUS15Wを搭載する製品としては標準的で、特筆する部分はない。また、YouTube動画(480p)再生時にタスクマネージャで見たCPU使用率は40〜45%程度だった。
バッテリー駆動時間のテストは、BBench1.01(海人氏・作)で行った。Windows 7の電源プランは「バランス(ディスプレイ輝度40%)」を利用し、BBenchの設定は「120秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」および「10秒間隔でのキーストローク」でテストを行なっている。結果は4時間15分で「残り5%」と表示され、休止状態に移行した。公称の約6時間には及ばなかったが、このサイズのミニノートPCとしては十分実用的な駆動時間だ。
ファンレス設計に加えて、データストレージにSSDを採用しているため、動作音は無音だ。ボディの発熱に関しては、しばらく使っていると底面に熱を帯びる印象があるが、熱くて触れられないというほどではない。Webブラウズを中心に、YouTubeでの動画観賞も含めて数十分使った後に放射温度計で測定してみたところ、底面、キーボード面ともに最高で39.5度だった。
今回試用したWindows 7 Starter/32GバイトSSD搭載モデルの直販価格は6万7800円だ。同じくハンファ・ジャパンが取り扱うWindows XP Home Edition/16GバイトSSD搭載モデルは、6月末まで5万5800円のキャンペーン価格となっている(通常価格は6万2800円)。また、Windows XPモデルには予備バッテリーと8GバイトmicroSDカードが付属する点もポイントだ。OSがWindows XP、ストレージが最小限の容量で構わなければ、こちらも検討してみるといいだろう。
細かい部分ではいくつか欠点も指摘したが、ボディデザイン、性能、バッテリー駆動時間、発熱、静音性、モバイル時の操作性など、どれもミニノートPCとしては納得できるレベルを実現している。しかも、キーボードを搭載して、横幅172ミリに重量約388グラムという小型軽量ボディである。この「小ささ」と「軽さ」に大きな魅力を感じるならば、積極的に検討したい製品だ。
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