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» 2010年07月21日 17時45分 UPDATE

iPhone/iPod touchでも使える:WindowsもMacもこれ1台のホームサーバ――「HP MediaSmart Server EX490」を試す (1/4)

「HP MediaSmart Server EX490」は、家庭内のデジタルコンテンツを1台に集約し、Windows PCだけでなく、MacやiPhone、ゲーム機にも配信できる多機能なホームサーバだ。

[織田薫,ITmedia]

日本HPがホームサーバを国内投入

tm_1007ex490_01.jpg 日本HPの「HP MediaSmart Server EX490」

 日本ヒューレット・パッカードの「HP MediaSmart Server EX490」は、OSにWindows Home Serverを搭載したホームサーバだ。7月23日に発売する予定で、同社直販「HP Directplus」での価格は4万9980円となっている。対応OSはWindows XP(SP2)以降/Vista/7、Mac OS X 10.5以降、Linuxだ。

 同社は7月12日にSOHO向けモデル「HP StorageWorks X510 Data Vault」を発売しており、EX490はこれをベースに一部スペックを変更した個人・家庭向けのモデルとなる。HPは以前からWindows Home Server搭載ホームサーバ製品を海外展開していたが、国内で販売するのはEX490が初めてだ。

 Windows Home Serverは、10台までのPCを所有している家庭やSOHO向けのサーバOSで、ファイル共有やバックアップ、メディアサーバ機能によるストリーミング配信、リモートアクセスなどに対応する。ホームサーバに必要な機能は一通りそろっているが、家庭内のさまざまなデバイスに散在するコンテンツを一元管理しようとすると、やや物足りない部分も出てくる。

 例えば、メディアサーバ機能で動画や音声のストリーミング配信はできるが、iPhoneやiPod touchといったユーザー数が多いデバイスには対応していない。また、Mac OSへの対応はWindowsほど充実していない。基本的には、Mac OS側の機能でWindows Home Serverにアクセスすることになる。

 これに対してEX490は、HP独自の機能によってWindows Home Serverの機能不足を補いつつ、扱いやすくしているのが特徴だ。iTunesサーバ機能や、iPhone/iPod touchの専用アプリを用意することで、Windows以外のクライアントもサポートしている。また、LAN内のPCから自動的にファイルを収集する機能も持つ。ファイルサーバを意識しなくても自動的にコンテンツを集められるので、PCに詳しくない家族も含め、家庭内のデジタルコンテンツを簡単に集中管理・バックアップしておけるのだ。

 つまり、EX490は家庭内のデジタルコンテンツを、ユーザーに手間をかけさせることなく収集し、さまざまなデバイスで利用できるようにする先進的なホームサーバといえる。今回は、EX490の独自機能を中心にレビューしていこう。

上質なボディにハイスペックを凝縮

 まずはEX490のハードウェア面から見ていこう。データストレージは標準1Tバイトの3.5インチSerial ATA HDD(7200rpm)、CPUはシングルコアのCeleron 450(2.2GHz/512Kバイト2次キャッシュ/800MHz FSB)、チップセットはIntel 945 Express、メインメモリは標準で2Gバイト(2Gバイト×1/DDR2)となっている。評価機の1TバイトHDDはシーゲイトのBarracuda 7200.12(ST31000528AS)だった。

 同価格帯のWindows Home Server搭載機には、CPUにAtomを採用していたり、メモリが1Gバイトの製品もあるが、これらに比べるとハイスペックだ。クライアントPCに「HP Pavilion Notebook PC dv7/CT」を利用し、EX490内に保存したCrystalDiskMark 3.0.0e(1000Mバイト設定)を実行したところ、シーケンシャルリードで55Mバイト/秒、シーケンシャルライトで65Mバイト/秒、ランダムリード512Kバイトで60Mバイト/秒、ランダムライト512Kバイトで45Mバイト/秒だった。個人向けのネットワークストレージ/メディアサーバとしては、満足できるパフォーマンスを確保している。

 本体には3.5インチHDDベイが4基あり、残り3基が空いた状態だ。ここにHDDを追加すれば、記録容量を増やすことができる。HDDを増設した場合、1パーティションとして扱えるほか、サーバ内のフォルダを2重化してバックアップの信頼性を高めることも可能だ。なお、日本HPからHDDを増設した状態で購入したり、オプションとしてHDDユニットを単体で購入することはできない。

 HDDの増設は簡単で、ドライバーなどの工具を使わずに行える。前面のカバーを開き、コインなどでロックを外し、HDD用のマウントを引き出して、ここに3.5インチSerial ATA HDDを装着して元に戻せばいい。HDDの固定はネジを使わずに行える。

tm_1007ex490_02.jpg 前面のカバーを開いたところ。通気性をよくするため、メッシュ加工になっている。4基の3.5インチHDDベイが縦に並ぶ
tm_1007ex490_03.jpg HDDベイの下にあるロックをコインなどで回して外すと、4基のHDD用マウントが引き出せるようになる

tm_1007ex490_04.jpg HDD用のマウントを外した状態。ベイのすぐ後ろに2基のファンが並んでおり、効果的に放熱を行う
tm_1007ex490_05.jpg HDD用のマウントはネジいらずで3.5インチHDDを固定できる。未使用時には後部パーツを折り曲げて立たせることができ、内部のエアフローに貢献する

 インタフェースは1000BASE-Tの有線LAN、USB 2.0×4(前面×1、背面×3)、eSATA×1を備える。eSATAやUSB 2.0に外付けのデータストレージを接続して、記録容量を増やすことも可能だ。その際にeSATAを使えば、内蔵HDDと同じようなパフォーマンスで扱えるだろう。

 ボディデザインは光沢あるピアノブラックを基調として、前面に水色(アクアブルー)のLEDをあしらっており、なかなか高級感がある。前面と背面はメッシュ加工で通気性がよく、HDDベイの背面にある2基のファンで効率的に空冷する仕組みだ。ボディの下部には基板類や電源が搭載され、電源ユニットのファンが放熱を助けている。通常の動作時ではファンの回転数が低速で落ち着いており、リビングに置いて騒音が気になることはなかった。

 光沢ボディが目を引くが、シャシーやマウントの剛性感も高く、この辺りは法人向けサーバ製品を幅広く扱ってきた同社のこだわりが感じられる。本体サイズは約140(幅)×230(奥行き)×250(高さ)ミリ、重量は約4.92キロとなっており、HDDベイの数などスペック面を考慮すると、納得できる設置性だろう。設置面積を少しでも抑えるためか、ボディは上部に向けて緩やかに広がっていくデザインになっている。

tm_1007ex490_06.jpg カバーを閉じた状態の前面。アクアブルーのLEDは明るさを変えたり、消灯させたりすることも可能だ
tm_1007ex490_07.jpg 側面は上に向かって緩やかに広がったデザインになっている
tm_1007ex490_08.jpg 主要なインタフェースや電源ボタンは背面に配置。盗難防止ロック用コネクタもある

 カタログ上の消費電力は標準で約43ワット、スリープ時で約1ワットだ。家庭内で利用するサーバにとって消費電力は重要なので、実際に動作させてサンワサプライの「ワットチェッカーPlus」(TAP-TST7)で計測したところ、低負荷時は約39ワット、高負荷時でも約42ワットとほぼ公称値通りだった。

 また、24時間フルに稼働させておかなくても、スリープ状態にしておき、クライアント側にインストールしたアプリケーションから、サーバのスリープを解除することもできるので、利用しないときはスリープにして省電力化を図るという使い方も可能だ。

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