筆者はどちらかといえばヒキコモリ系であり、あちこち取材に飛び回り、いつでもどこでも原稿を書ける体制が必要ということはないが、近場のファミリーレストランやファストフード店にPCを持ち込んで仕事をすることはちょくちょくある。自宅でずっと仕事をしているとメリハリがなく集中力が散漫になりがちで、外に出たほうがはかどることが多いためだ。
そんなわけで、さっそく自宅近くの方南町(東京杉並区)にある「マクドナルド」に持ち込んで使ってみた。ここは24時間営業、そして公衆無線LANのBBモバイルポイントが使え、かつ自由に使える電源コンセントも用意されているという、実にありがたいお店である。
入るや否やさっそく接続にかかる。無線LAN、WiMAX、Bluetooth、無線WANとたくさんの接続オプションを持つこのVAIO Pだが、タスクバーに常駐している「VAIO Smart Network」ユーティリティでそれぞれのオン/オフを一括して管理できる。バッテリーの持ちをよくするためにも必要な回線以外はオフにしておきたい。b-mobileの3G回線を利用するなら「無線WAN」だけオンにしておけばよい。公衆無線LANサービスを利用するなら当然「無線LAN」をオンにしておく。
b-mobileでの接続は、3G/公衆無線LANともに、プリインストールされている「bアクセス」という専用ユーティリティから行なう。初めて利用する際には開通手続きの作業が必要だ。手続きといっても、携帯電話などから24時間受付の開通手続きダイヤルに電話し、端末番号を入力するだけなので実に簡単である。どちらの番号もbアクセスユーティリティに表示されるので、あらかじめメモしておくなどの手間も不要だ。
開通手続きが済むと、bアクセスにチャージ残り時間や電波状況などが表示される。3G回線が利用できる場合は「3G」がハイライト表示されているので、「3G」ボタンを押せばよい。接続はほんの数秒で完了だ。IDやパスワードの入力なども必要ないので非常に簡単である。こういった手続きや接続の簡単さは、利用権利がユーザーではなく端末にヒモ付けられているメリットだ。
それでは回線速度はどうだろうか。b-mobileでFOMAの3G回線に接続し、スピードテストで通信速度を計測してみたところ、USENで1.979Mbps、gooで2.23Mbpsだった。Webブラウズなどの使用感は快適そのもの、YouTubeも360pの動画再生ならばコマ落ちがなく、余裕で楽しめる。
ここのマクドナルドは公衆無線サービスのBBモバイルポイントにも対応しているので、そちらも試してみた。こちらの接続手順もかなり簡単だ。ユーティリティで回線を選択して「接続ボタン」を押せばいいだけ。こちらもIDやパスワードの入力は不要で、すぐに接続できる。
以前個人的に別途プロバイダ経由でBBモバイルポイントを契約していたことがあるが、プロバイダのIDやパスワードとは別のログインIDとパスワードが必要なことに面倒を感じていたので拍子抜けだ。
「そんなものは事前にチェックしておけ」といわれるかもしれない。それはごもっともだが、筆者の考えは違った。当時の筆者にとって公衆無線LANサービスはオマケ以下の存在で、たまたま利用できる機会に遭遇したので試してみようと思ったら、すんなり接続できずに右往左往してしまったという次第だ。あまり利用する機会がない人というのは、結構そういうものではないだろうか。ともあれ、このDoccicaなら普段モバイル通信に慣れていない人でも簡単で問題なしといえる。
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