Acerは11月23日(米国時間)、2011年に向けたワールドワイド事業戦略および新製品発表会をニューヨークで開催した。「interract」と名付けられた今回のイベントは、2010年5月に実施した「source home 2010」を受けたもので、同社の次世代ホームネットワーク構想である「clear.fi」のアップデートが主な内容だ。Acerは2011年以降、clear.fiの中核を担う製品としてタブレットデバイスに取り組み、音楽や動画、電子書籍、ゲームなどを販売するコンテンツ配信サービス「alive」も展開していく。まずは、タブレットデバイスの第一弾としてラインアップされた新製品群を見ていこう。
まず初めに披露されたのは、14型のボディに2つのマルチタッチ液晶を搭載した「ICONIA」だ。2画面タッチ液晶を搭載したノートPCと聞くと東芝の「libretto W100」を連想するが、ICONIAは1366×768ドット表示に対応する14型LEDバックライト液晶を2枚搭載しており、ボディサイズが347(幅)×248.5(奥行き)×19〜31.9ミリ(高さ)、重量は約2.9キロとかなり大柄。基本システムもCore i5とIntel HM55 Expressを組み合わせた従来のノートPCに近い構成になっている。OSはWindows 7だ。
キーボードの代わりにタッチ液晶を搭載したことで、マルチタッチに最適化した独自のメディアブラウザや多数のアプリケーションを使って直感的に操作できるのが特徴。例えば、5本の指を画面の上に乗せると、ランチャーの「Acer Ring」が起動し、写真、音楽、動画などを2つの画面を使ってシームレスに参照できる。また、2画面Webブラウズが可能な「Touch Browser」や、FacebookとYouTube、Flickerの更新情報を手前の液晶に3ペイン構成で表示する「SocialJogger」、Webから切り抜いた画面(動的に更新される)を保存/管理する「MyJournal Web Clipboard」といったユニークなソフトがプリインストールされている。
一方、画面に10本の指と手のひらを置くと、自動的にタッチパッドエリア付きのバーチャルキーボードが起動し、通常のノートPCのような感覚で操作が可能だ。発表会場に置いてあった実機を試したところ、画面に右手の5本指を乗せるとAcer Ringで呼び出されるアプリが左側に表示され、左手を乗せると右側に表示された。タッチポイントの形を認識して、自分の手でUIが隠れないようにする配慮だと思われるが、そのほかにもUIはかなり練られている印象だ。ただし、ソフトウェアキーボードは、振動フィードバックがないため、タイピングしている感覚がやや希薄だった。耐久性についてはディスプレイ表面はキズに強いゴリラガラスが採用されている。
インタフェースは、USB 2.0×2、USB 3.0、HDMI出力、アナログRGB出力、Webカメラ(静止画:1280×1024/動画:640×480)など。無線機能として、IEEE802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 3.0+HSを搭載する。バッテリ駆動時間は3000ミリアンペア/4セルの標準バッテリーで約3時間。発売時期や価格は今のところ未定だ(追記:発売時期はワールドワイドで2011年1月予定、価格は1499ユーロ、17万円前後になる見込み)。
なお、液晶部分を取り外してタブレット端末としても利用できるコンバチ仕様のノートPCも披露された。ハードウェアスペックは、1280×800ドット表示の10.1型ワイド液晶を搭載し、基本システムにAMD製“最新デュアルコアCPU”を採用するという。
また、液晶部のフロントとリアに130万画素のWebカメラをそれぞれ1つずつ搭載する。こちらは液晶側にパーツを内蔵するため、ノートPCというよりもキーボード機能を持つドッキングステーションにタブレットを装着するような印象だ。発売時期は2011年2月とアナウンスされていたが、実機が展示会場にはなく、詳細については確認することができなかった。
続いて、10.1型/7型のAndroidタブレットを紹介していく。
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