ソニーだから大画面ノートも“薄型軽量”で攻める――「VAIO S(SE)」徹底検証15.5型フルHDのIPS液晶が美しい(1/6 ページ)

» 2011年09月28日 12時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

VAIO Sの新モデルは予想外の“大画面”

薄型軽量オールインワンノートPC「VAIO S」の新モデル「VAIO S(SE)」

 「VAIO S(SE)」は、2011年秋冬モデルからVAIOノートのラインアップに加わった15.5型フルHD液晶ディスプレイを搭載した薄型軽量ノートPCだ。

 名前からも分かるように、13.3型ワイド液晶を搭載するモバイルノートPC「VAIO S(SA)」「VAIO S(SB)」の発展系で、モバイルノートPCの技術を大画面ノートPCへと転用し、大画面ながらスリムで堅牢なボディを備え、長時間のバッテリー駆動を可能にした興味深い製品となっている。

 今回は2011年10月8日の発売に先駆け、店頭販売向け標準仕様モデル「VPCSE19FJ/B」の試作機を入手できたので、使い勝手や性能を検証していこう。

モバイルノートPCで培った技術をフルに生かした大画面スリムノート

 一般にモバイルノートPCは薄くて軽く、バッテリー駆動時間も長いが、画面やキーボード回りが小さい。大画面ノートPCは、画面やキーボードが大きくて使いやすいが、厚くて重く、バッテリー駆動時間も短い。このVAIO S(SE)は、両者を「Crossover(交差すること、混じり合うこと)」させることで、それぞれの長所の両立を狙った製品だ。

 モバイルノートPCで培った薄型化・軽量化の技術を惜しみなく投入することで、快適な環境(性能、機能、使い勝手)をどこにでも持ち出せる大画面ノートPCになっている。大画面ノートPCとしてはこれまでになかった、薄く、軽く、堅牢性も確保したボディは、見た目のよさや質感、所有感という部分での高い付加価値にも大きく寄与している。

フルフラットなフォルムを採用し、背面の液晶ディスプレイヒンジ部に細長いパーツをはめ込んだシンプルなデザインは、VAIO S(SA/SB)から継承している

 ボディの外観はまさしくVAIO S(SA/SB)の大型版だ。特徴的なデザイン、フルフラットなフォルム、スリムさはそのまま、液晶ディスプレイのサイズに合わせて引き延ばしたような印象を受ける。

 本体サイズは380(幅)×255.9(奥行き)×24.5(厚さ)ミリで、重量は約1.99キロ(VAIOオーナーメードモデルの最軽量構成は約1.87キロ)だ。実測での重量は約1.96キロと公称値よりわずかに軽かった。

 同じ2011年秋冬モデルのVAIO S(SB)は、13.3型ワイド液晶を搭載して本体サイズが331(幅)×224.5(奥行き)×23.9(高さ)ミリ、重量が約1.79キロなので、これに比べると、横幅が49ミリ、奥行きが31.4ミリと大幅にフットプリントが広がっている一方、厚さはわずか0.6ミリの増加にとどまっている。

 VAIO S(SA/SB)でおなじみの、断面が六角形となる「ヘキサシェルデザイン」も受け継いだ。マグネシウム合金を上下から包むように組み合わせており、デザイン面だけでなく、軽量化と高剛性化にも大きく貢献している。また、液晶ディスプレイのヒンジが使用時に見えないようデザインした「コンシールドヒンジ」、アルミの1枚板から成形した美しいパームレスト/キーボード一体型ベゼルも健在だ。

マグネシウム合金のシャシーを上下から包むように組み合わせ、断面を六角形にして剛性を確保した「ヘキサシェル」構造は、VAIO S(SA/SE)から継承されている(写真=左)。オプションの本革製キャリングケースもVAIO S(SA/SE)とデザインが共通化されている(写真=中央/右)。キャリングケースの直販価格は1万800円だ

 これだけフットプリントが大きくてもスカスカしたような感覚はなく、ソリッドに仕上がっている。外観と違って内部はそのままというわけにいかなかったようで、マザーボードの設計はVAIO S(SA/SB)と共通化しつつも、強度を確保するために内部の構造は別物となっている。具体的な数値は公開されていないものの、ほかのVAIOのモバイルノートPCと同じように、衝撃、振動、一点加圧、ディスプレイ開閉、落下などに対する耐久試験をクリアしているという。

マグネシウム合金で作られるボトムカバーは、バッテリーとストレージの収納部に段差を付けてボディがたわまないよう堅牢性を確保しつつ、パンチングなどで軽量化も図っている(写真=左/中央)。フットプリントが広がっても、美しいパームレスト/キーボード一体型ベゼルは健在だ(写真=右)

天板もマグネシウム合金でマットな質感が心地よい(写真=左)。天板の上部はワイヤレス通信のアンテナが内蔵される部分で、電波を通すように樹脂製になっているが、見た目は素材の違和感が少なくなじんでいる(写真=右)

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