ソニーだから大画面ノートも“薄型軽量”で攻める――「VAIO S(SE)」徹底検証15.5型フルHDのIPS液晶が美しい(6/6 ページ)

» 2011年09月28日 12時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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大画面ノートPCの新たな可能性を感じさせる意欲作

 モバイルノートPCは、PC市場においては花形といえるジャンルだろう。特に日本では薄型化や軽量化、堅牢性に対するシビアなニーズに応えるため、最先端の技術が競って投入され、その結果実現できる薄さや軽さ、頑丈さは実用面でのアドバンテージでもあり、それがまた見た目のよさ、質感という部分で高い付加価値にもつながっている。

 一方、大画面のノートPCでは実用面で薄さや堅牢性をそれほどシビアに突き詰める必要がないため、そういった高コストが要求される付加価値よりもコストダウンが優先される傾向があり、モバイルノートPCのようなスタイルのよさや、素材の実用面での裏付けがある高い質感を備えた製品は少なかった。

 モバイルノートPCの付加価値をすべて備えた大画面ノートPCであるVAIO S(SE)はそれだけに高い価値がある。しかも、液晶ディスプレイにはあえて高コストなIPS方式のフルHDパネルを採用している。ここまで出し惜しみせずに作られた大画面ノートPCは、近年ではあまり記憶にない。

 先行して開発されたVAIO S(SA/SB)をベースとしているだけに、製品としての完成度も文句がない仕上がりだ。特に液晶の品質と見やすさは特筆できる。データ集計やプレゼンテーション作成などを行うビジネスユーザー、写真編集などクリエイティブな作業をモバイルでやりたいというニーズにも応えられるだろう。単に「薄くてカッコいい大画面ノートPCが欲しい」といった人にも当然おすすめだ。

 標準仕様モデルの実売価格は15万円前後の見込み。高い付加価値を備えた製品ながら、意外に求めやすい印象だ。小型のモバイルノートPCと同様、要求するスペックや予算に応じて、直販のVAIOオーナーメードモデルで仕様を細かくカスタマイズして購入できるのもありがたい(直販価格は9万2800円から)。こういう製品が欲しかったユーザーならば、すぐにでも飛びつくのではないだろうか。実際に試用して実感した完成度の高さから考えて、勢いで飛びついても後悔することはなさそうだ。

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