ハイエンドモバイルの破壊と創造、そして――新型「VAIO Z」を徹底攻略する(後編)最先端“Z”を集中テスト(1/5 ページ)

» 2011年07月12日 17時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

←・このノートPCは事件だ:“光”がもたらすハイエンドモバイル革命――新型「VAIO Z」を徹底攻略する(前編)

先進技術で新たなスタイルを手にした「VAIO Z」

専用ドッキングステーションを採用した13.1型ワイド液晶搭載モバイルノートPC「VAIO Z」

 “パフォーマンスとモビリティ(携帯性)の高次元な融合”を目指し、ソニーの最先端技術を惜しげもなく投入したフラッグシップ・モバイルノートPC――それが「VAIO Z」だ。

 2008年発売の初代「VAIO type Z」以来(正確にはその前身となる2006年発売の「VAIO type S(SZ)」以来)、通常電圧版のモバイル向けCPU、CPU/チップセット統合グラフィックスコアと外部GPUの同時搭載、および手動スイッチによる切り替え機能、光学ドライブまで内蔵したオールインワンスタイルといった特徴を引き継いできた。

 しかし、約1年半ぶりのフルモデルチェンジとなる2011年夏モデルのVAIO Zは、2010年発売の第2世代「VAIO Z(Z1)」まで続いたこの伝統を打ち破り、まったく新しい姿の“Z”を提案してきた。モバイルノートPC本体と専用ドッキングステーション「Power Media Dock」を組み合わせたセパレート型スタイルへと生まれ変わったのだ。

 外部GPUや光学ドライブを外付けのドックに分離することで、本体を超薄型・軽量に仕上げて携帯性を高めつつ、ドックの接続によって描画性能や機能の向上が図れるという柔軟性の高いスタイルが目新しい。

 先に掲載したレビューの前編に続き、今回は後編として、液晶ディスプレイやキーボードの使い勝手、そしてドックの影響が気になるパフォーマンス面を検証していこう。

表示品質に優れた高解像度の液晶ディスプレイは健在

液晶ディスプレイへのこだわりは、数あるモバイルノートPCでも随一だ

 13.1型ワイド液晶ディスプレイの仕様は、高い評価を得ていた従来機を継承。VAIO独自の液晶ディスプレイグレードで最も高品位な「VAIOディスプレイプレミアム」とされている。

 店頭販売向け標準仕様モデルの「VPCZ219FJ/B」は、表示解像度が1600×900ドット(WXGA++)だ。13型クラスのノートPCでは、1366×768ドット表示が標準的なので、情報の一覧性は段違いに高い(そのぶん、表示は細かくなるが)。色域についてもNTSC比で100%(u'v'色度図による)と、ノートPCにしては非常に広いといえる。

 液晶パネルの表面には低反射コートが施され、光沢と非光沢の間、つまり半光沢(ハーフグレア)のような見た目だ。光沢パネルの抜けのよい発色と、非光沢パネルの映り込みの小ささをうまく両立した優れた表面処理となっている。白色LEDバックライトを採用しており、輝度とコントラストが高く、発色も実によい。

 さらに、購入時に仕様をカスタマイズできるソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデル「VPCZ21AJ」では、1920×1080ドット(フルHD)に対応した高解像度の液晶パネルも選択可能だ。このフルHDパネルは、NTSC比100%に加えて、Adobe RGBカバー率96%の広色域というプレミアも付く。同画面サイズでさらに表示が細かくなるものの、情報の一覧性はさらに向上し、HD映像コンテンツの視聴でも威力を発揮してくれる。

 標準仕様モデルが搭載する1600×900ドットの液晶パネルも「VAIO S(SA)」の同解像度パネルに比べて、色鮮やかでメリハリのある表示だが、フルHDの液晶パネルはさらに色域の広さを感じる濃厚な色表現で、現状のモバイルノートPCとしては間違いなく最高の表示品質といってよい。ここは相変わらず、VAIO Zの強いアドバンテージを味わえる部分だ。

標準仕様モデルは1600×900ドット表示(写真=左)。VAIOオーナーメードモデルで選べる1920×1080ドット表示の液晶パネルは色域がさらに広い(写真=中央)。ディスプレイは照度センサーによる自動輝度設定に対応しており、有効にすると周囲の明るさに応じて最適な輝度に調整される(画像=右)。そのほか、従来機種同様、用途別の色モード設定も用意している

 視野角については、左右方向で色味の変化、上下方向で黒つぶれや白飛びが発生し、この点では優秀ではないが、液晶ディスプレイの角度は水平に対して145度程度まで開くので、低い位置に置いても画面を見やすい角度に調整可能だ。

 ちなみに、液晶ディスプレイを開くと、背面のヒンジ部にあるアルミニウム製のバーが本体の下に回り込み、バーの両端にある突起がフットスタンドとなり、本体の奥が少し浮き上がって、キーボード面に傾斜が付く。この底面と本体の間にできたスペースを利用し、底面の吸気口から積極的に外気を本体内部に取り込むことで、放熱を助ける仕組みだ。底面に2つの吸気用ファンがあることを考えても、ヒザの上で使うには不向きだろう。

液晶ディスプレイ背面のヒンジ部に装着されたアルミニウム製のバーには、両端に2つの突起があり、これがフットスタンドの役割を持つ(写真=左)。液晶ディスプレイを開くと、背面にあるアルミニウム製のバーが本体の下に回り込み、本体の奥が少し持ち上がる(写真=中央)。液晶ディスプレイの角度は145度程度まで開く(写真=右)

新型VAIO Zを左に、旧VAIO Z(Z1)を右に並べてみた。VAIOオーナーメードモデルで選択できるフルHD対応の液晶パネルは従来機譲りだ。新型VAIO Zは液晶の左右フレームが太いが、ここにワイヤレス通信のアンテナをまとめて内蔵している

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