Core i7×クアッドSSD×フルHD液晶の最上位モバイル――「VAIO Z」2010年PC春モデル(1/2 ページ)

» 2010年02月16日 14時00分 公開
[ITmedia]

フルモデルチェンジでユーザー層の新規開拓を狙う

標準仕様モデル「VPCZ119FJ/S」

 ソニーは2月16日、13.1型ワイド液晶ディスプレイ搭載モバイルノートPC「VAIO Z」の2010年春モデルを発表した。店頭販売向けの標準仕様モデルと同社直販のVAIOオーナーメードモデルが用意され、いずれも3月6日に発売される予定だ。

 標準仕様モデル「VPCZ119FJ/S」の価格はオープンで、実売価格は24万円前後と予想される。仕様のカスタマイズに対応したVAIOオーナーメードモデルの価格は15万9800円からだ。

 2010年春モデルはシリーズ初のフルモデルチェンジを行い、ボディデザインから内部のPCアーキテクチャまでを一新した。ターゲットユーザーについても、従来からのエグゼクティブなビジネスユーザーに加えて、プロカメラマンやデザイナー、エンジニアといった層の新規開拓を狙う。


アルミ削り出しパームレストなど、各部の見直しでさらに軽量化

VAIO Zの内部構造

 ボディは前モデルの基本デザインを継承しつつ、キーボードパネルとパームレスト、そして電源周囲のシリンダー部分までを1枚のアルミ板で構成。アルミの1枚板を押し出し成型で加工した後、それを削り出して成型することで、必要な部分のみ厚みを持たせ、剛性と軽さを両立している(従来機はアルミ1枚板を打ち出したキーボードパネルとパームレスト一体型パーツで、シリンダー部分は別パーツだった)。

 また、天面には「VAIO X」と同様、カーボンレイヤーの間に特殊シートを挟むことで、軽量化しつつ剛性も確保した「ハイブリッドカーボン」を採用し、光学ドライブも強度を保ちつつ軽量化するなど、サイズと重量の削減に努めた。

 こうした工夫により、基本スペックを強化しながら、本体サイズは314(幅)×210(奥行き)×23.8〜32.7(高さ)ミリ、重量は約1.36キロ(直販モデルは約1.35〜1.62キロ)と、前モデルよりさらに薄型・軽量になった。

 本体内蔵のスイッチから、パフォーマンスの高い外部GPUと消費電力が少ないCPU統合グラフィックスコアを状況に応じて切り替えられる「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」機能はさらに進化し、AUTOモードが追加された。これはACアダプタ接続時とHDMI/DVI出力時に外部GPUを使い、バッテリー駆動時(HDMI/DVI出力時を除く)にCPU統合グラフィックスコアを使うように、グラフィックス機能を自動で切り替えるモードだ。モード切り替えは、一瞬画面が暗くなるだけで行われる。

肉厚なアルミの1枚板を押し出し成型で加工
左の写真のパーツを削り出して成型したシリンダー、キーボードパネル一体型のパームレスト
「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」機能の切り替えスイッチ。SPEEDは外部GPU、STAMINAはCPU統合グラフィックスを利用する

店頭モデルはCore i5-520M、デュアルSSD、1600×900ドット液晶を標準装備

 CPUは従来のCore 2 DuoからCore iシリーズ(開発コード名:Arrandale)に世代交代し、そのほかのスペックも軒並みアップグレードした。

 標準仕様モデルの基本スペックは、CPUがCore i5-520M(2.4GHz/Intel Turbo Boost Technology利用時は最大2.93GHz/3次キャッシュ3Mバイト/HT対応)、チップセットがIntel HM57 Express、メインメモリが4GバイトDDR3 SDRAM(2Gバイト×2/PC3-8500)、データストレージが合計128GバイトのSerial ATA SSD(64GバイトSSD×2によるRAID 0構成)、光学ドライブがDVD±R DL対応DVDスーパーマルチを搭載する。

新採用のデュアルSSDモジュール

 なお、SSDはVAIO Z用に独自形状のモジュールを新たに採用。基板の両面にフラッシュメモリとコントローラをそれぞれ実装し、1枚の基板の裏表でRAID 0構成のデュアルSSDを実現している。

 グラフィックス機能は、外部GPUにNVIDIA GeForce GT 330M(専用グラフィックスメモリ1Gバイト)を搭載し、CPU統合グラフィックス機能のIntel HD Graphicsと使い分ける仕様だ。

 液晶ディスプレイについては、1600×900ドット表示の13.1型ワイド液晶パネルを装備。LEDバックライトを備え、NTSC比100%(u'v'色度図)の広色域に対応し、アンチグレア処理と低反射コート、ハードコーティングも施したVAIOで最上位グレードのディスプレイ(VAIOディスプレイプレミアム)となっている。液晶ディスプレイの輝度は内蔵の照度センサーによる自動調整が可能だ。

 音声面ではソニー独自のサウンドチップ「Sound Reality」を内蔵。サラウンド音響を実現する「Dolby Home Theater v3」もサポートする。

 通信機能は最大送受信速度300Mbpsに対応したIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、最大受信速度20Mbps/最大送信速度6Mbpsに対応したWiMAX、Bluetooth 2.1+EDRを搭載する。

 インタフェース類は、3基のUSB 2.0、アナログRGB出力、HDMI出力、ヘッドフォン、マイク、FeliCa 2.0、有効画素数31万画素のWebカメラ、指紋センサー、TPMセキュリティチップを備える。カードスロットは、メモリースティックデュオ(PRO-HG対応)用、SDメモリーカード(SDHC対応)用、ExpressCard/34用をそれぞれ内蔵する。

 バッテリー駆動時間は、付属の標準バッテリー(6セル)で約7.5時間、別売のLバッテリー(9セル)で約11時間をうたう。こちらは前モデルに比べて、標準で約1.5時間、Lバッテリーで約2.5時間短くなっている。

 OSは64ビット版のWindows 7 Home Premium、オフィススイートはOffice Personal 2007がプリインストールされる。また、2010年春モデルで新たに追加されたソニーオリジナルの写真・動画管理ソフト「PMB VAIO Edition」とサポートソフト「VAIO Care」も搭載。PMB VAIO EditionはNVIDIA CUDAにより外部GPUで高速な映像編集が行える。

※記事初出時、1600×900ドット表示の液晶ディスプレイの仕様に一部誤りがありました。おわびして訂正させていただきます(PC USER編集部/2010年2月18日16時)


iconicon
Sony Style(ソニースタイル)
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年07月13日 更新
  1. 実売99万8000円のヌルヌル動くPCケース「Infinite」がひたすら目立つ (2025年07月12日)
  2. AMDのデータセンター向けGPU「Instinct MI350シリーズ」って? 歴史と構造、シリコンなどをチェック! (2025年07月11日)
  3. アドビが「Creative Cloudコンプリートプラン」の名称を変更、8月1日から値上げ (2025年07月07日)
  4. 手のひらサイズでCore Ultra(シリーズ2)はフルに生かせる? 「GEEKOM IT15」を試して分かった驚きの結果 (2025年07月11日)
  5. 「Meta Quest 3S」が3万円台で手に入る! Amazonやヨドバシカメラなどでセール中 (2025年07月11日)
  6. 新型「Fire TV Stick 4K」と「Fire TV Stick 4K Max」はどちらを選べばいい? ポイントをチェック! (2023年10月13日)
  7. 128GBメモリMacの対抗馬か? 日本HPのモバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G1a 14inch Mobile Workstation」でローカルLLMを試す (2025年07月10日)
  8. 瑞起がミニPC「X68000 Z2」専用ディスプレイをクラファン形式で単体販売 本体の「セカンドロット」も募集 (2025年07月11日)
  9. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  10. 13.3型の電子ペーパー「BOOX Tab X C/NoteMax」を試す “巨大サイズ”が最大の魅力、2機種の違いは? (2025年07月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー