今回は、これまで計測したGeForce GTX 680、GeForce GTX 580、そして、Radeon HD 7970のベンチマークテスト結果にGeForce GTX 670と、GeForce GTX 570のデータを追加して比較した。評価に用いたシステム環境はこれまでとそろえている。
評価用システム構成 | |||
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GPU | GeForce GTX 680/670 | GeForce GTX 580 | Radeon HD 7970 |
グラフィックスカード | リファレンスデザイン | ASUS ENGTX580 DCII/2DIS/1536MD5 | GIGABYTE GV-R797OC-3GD |
CPU | Core i7-3960X(3.3GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz) | ||
マザーボード | Intel DX79SI | ||
チップセット | Intel X79 Express | ||
メモリ | Corsair Memory CMZ8GX3M2A1866C9R(DDR3-1600 4GB×4枚) | ||
HDD/SSD(1) | PLDS Plextor SSD PX-128M2P 128GB | ||
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate Service Pack 1 | ||
3DMark VantageにおけるGeForce GTX 670の結果は、PerformanceでP37367を記録した。この値は、GeForce GTX 680に次ぐスコアで、GeForce GTX 570をはるかに上回ることはもちろん、なんと、GeForce GTX 580も超えている。Radeon HD 7970も上回るが、PhysXの影響を排除したGraphicsスコアでは、Radeon HD 7970の下になる。
3DMark 11は、3DMark Vantageと異なる傾向を示している。Entry、Performance、Extremeという3つのプリセット条件のすべてで、GeForce GTX 670は、わずかながらRadeon HD 7970を上回っている。GeForce GTX 680に続くスコアで、GeForce GTX 580も超えるというポジションは3DMark Vantageと変わらない。GeForce GTX 580に対してはPerformance条件でP1700の差で上回っている。
Unigine HeavenとTessMarkでも、GeForce GTX 680に次ぐスコアで、Radeon HD 7970も上回る。特にTessMarkではスコアを3桁台に乗せており、“Kepler”アーキテクチャにおけるテッセレーション性能の高さを見せつけている。
Battlefield 3でも、GeForce GTX 680に次ぐフレームレートを出している。2560×1440ドットの「高」画質設定でも60fpsを超える値を出していることに注目したい。これは、Radeon HD 7970よりも高いスコアだが、その一方で、低解像度条件でリードが大きいものの、高解像度になるにつれてリードが少なくなるのは、ほかの“Kepler”世代のGPUと同様の傾向といえる。
F1 2011で、GeForce GTX 670のスコアをGeForce GTX 570と比べると、2560×1440ドット条件で20fps以上も差をつけ、GeForce GTX 580に対しても10fps以上高い。そして、すべての解像度条件でRadeon HD 7970よりも高いレンジで、GeForce GTX 680に次ぐ値となっている。
Just Cause 2では、Radeon HD 7970に対して、1680×1050ドット、1920×1080ドットの解像度条件で劣るが、それより高い2560×1440ドット条件で上回った。ただ、フレームレートの差からすると誤差に近いともいえる。とはいえ、テスト結果全般にわたって、明らかに“Fermi”世代のGeForceシリーズより高いレベルであることに間違いはない。
消費電力は、今回比較したなかでピーク時の値が最も低い。GeForce GTX 670は、ピーク時における消費電力測定値が318ワットで、Radeon HD 7970の331ワットよりも10ワット以上低い。一方、アイドル時では103ワットという値を記録しており、これは、GeForce GTX 680とほぼ同等だ。
NVIDIAは、GeForce GTX 670の実売価格を399ドルに設定している。この価格のままで市場に登場すれば高いコストパフォーマンスといえるが、GeForce GTX 680搭載グラフィックスカードでもそうだったように、実際の販売価格はそれよりも高くなる可能性も高い。おそら4万〜5万円弱という価格帯ではないだろうか。それでも、GeForce GTX 680より若干安いあたりだろう。
ただ、長期的に考えると、性能を追求するGeForce GTX 680が、高付加価値で高価なモデルが主流となるのに対して、GeForce GTX 670は、たとえ、付加価値を訴求する場合でも、価格はある程度セーブするモデルが主流になると考えられる。その点で、コストパフォーマンスを重視する実売価格が主流となるのではないだろうか。
GeForce GTX 680の下というのがGeForce GTX 670の位置づけだ。しかし、今回の性能評価で確認した性能差は、“GTX 580とGTX 570の差”を比べると少ない。現在出荷しているゲームタイトルであれば、その多くが快適に動作する性能を有している。「GeForce GTX 680と比べて明らかに性能は低いが、現役ゲームタイトルは快適に動く」ことを受け入れられるユーザーには、お買い得なGPUといえるだろう。
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