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キーボード着脱式でCore i搭載のWindows 8タブレット――「FMV STYLISTIC WQ2/J」を攻略する“2Wayスタイル”でいいとこ取り?(2/5 ページ)

» 2012年12月17日 18時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

キーボードドックと合体してクラムシェル型ノートPCに

専用のキーボードドックと合体させて、クラムシェル型のノートPCとして利用できる

 WQ2/Jの大きな特徴の1つが、専用のキーボードドックと合体させて、クラムシェル型のノートPCとして利用できることだ。店頭モデルではキーボードドックが標準で添付されるが、直販モデルでは付属の有無を選択できるほか、追加購入にも対応する。

 専用のキーボードドックだけあって、本体と同じダークシルバーのカラーリングだが、本体はきめの細かい梨地仕上げであるのに対し、キーボードドックのキーボード/パームレストはヘアライン加工と、表面の質感に変化をつけている。

 キーボードドックの装着は簡単だ。タブレット下部の端子と、キーボードドックのスロット(合体するとディスプレイのヒンジ部となる)にある端子の位置を合わせて、カチッと音がするまで差し込むだけで固定できる。ヒンジを開くと、本体の奥が持ち上がってキーボードにチルト角度がつく。画面は水平に対して約147度まで開くため、低い位置に置いても画面が見づらいようなことはない。

 画面側とキーボード側がほぼ同じ重さのため、あまり勢いよく画面を開くとキーボードが浮き上がってしまうことがあるが、意識して少しゆっくり開けたり、キーボードの端に軽く手をそえてやれば問題なく、最大まで画面を開いても、後ろに倒れこんでしまいそうな不安はない。ヒンジは固すぎず緩すぎず、ちょうどいい調整具合で、スムーズに開閉が可能だ。

キーボードドックを装着した状態では、クラムシェル型ノートPCそのもののスタイルになり、液晶を閉じて持ち運ぶこともできる(写真=左/中央)。合体した状態では、画面が水平に対して約147度まで開く(写真=右)

 キーボードは標準的な日本語の6段配列を採用する。公称のキーピッチは約17ミリ、キーストロークは約1.7ミリとなっているが、筆者が実測したところ、キーピッチは横方向が約17.5ミリ、縦方向が約16.5ミリだった。フルサイズよりは少し狭いものの、慣れで対応できる範囲内だろう。特にイレギュラーな配置も見られない。

 FMVのほかのノートPCと異なり、キートップには指の形に合わせたカーブなどはついていないが、スイッチの感触は良好だ。意識して強く押せばキーボードユニット全体が少したわむものの、気にならないレベルといえる。

 キーボード手前には2ボタン式のタッチパッドがある。左右のボタンが独立して用意されているため押しやすい。特に多機能ドライバは導入されておらず、パッドを使ったスクロールやチャームの表示といった操作はできない。できるのは標準的な2ボタンマウスに相当する操作のみだ。Windows 8特有のジェスチャー操作は、画面に直接触れて行うことになる。

キーボードドックには、日本語86キーのアイソレーション型キーボードと2ボタンのタッチパッドが備わっており、操作感は通常のモバイルノートPCと変わらない(写真=左/中央)。キーボードドックの裏面はブラックで統一されている(写真=右)

キーボードドックは使い勝手の向上にも配慮

 キーボードドックを装着すると、厚さと重さは増すものの、単にキーボードとタッチパッドの機能がタブレットに加わるだけでなく、さまざまな利点がある。

 前述の通り、キーボードドックにもバッテリーを内蔵しており、本体と装着した状態では駆動時間を公称で約10.7時間まで延ばすことが可能だ。バッテリーの運用方法にも工夫が見られる。「バッテリー間充電」という機能が用意されており、これを有効にすると、スリープ時や電源オフ時にキーボード側バッテリーから本体側バッテリーへと充電することが可能だ。タブレットPCの本体だけを取り外して使う機会が多い場合、非使用時にキーボードドックから充電される仕様は重宝するだろう。

バッテリー間充電機能を有効にすると、スリープ時、休止状態、電源オフ時にキーボード側バッテリーから、本体側バッテリーへと充電できる(画面=左)。合体時はキーボード側バッテリーから使われるようになっている(画面=右)。キーボード側バッテリーの残量があるうちは本体側バッテリーの容量は減らない

バッテリー充電モードはフル充電のほか、バッテリー寿命を延ばすための80%充電が選べる(画面=左)。ピークシフト設定ツールでは、指定した時間帯にACアダプタからの充電をやめ、電力需要のピーク時間帯の電力消費を抑えることができる(画面=右)

 さらにキーボードドックには、2基のUSB 2.0ポートのほか、有線LAN(1000BASE-T)、アナログRGB出力も装備しており、周辺機器との接続性がさらに高まる。また、操作補助と手書き入力に使えるスタイラスペンを収納するホルダーも用意されている(スタイラスペンは本体に標準添付)。このホルダーもロック機構があるしっかりしたもので、ちょっとした衝撃で外れてしまうことがない。

 最近のUltrabookなどではUSBポートが少なく、有線LANも省かれやすい傾向にあるが、キーボード使用時にはマウスを接続して使いたいというユーザーも多いと予想され、USBポートが増えるのは便利だ。また、外出先でのプレゼンや宿泊では、アナログRGB出力や有線LANしか使えない環境も少なくない。モバイルノートPCに加えて、USBハブや有線LANアダプタを携帯しているような方は、キーボードドックが有用だろう。

キーボードドックを装着した状態の前面(写真=左)と背面(写真=右)。PC本体を支えるヒンジ部には厚みがある

キーボードドックの左側面にはアナログRGB出力とUSB 2.0ポート、ACアダプタ接続用のDC入力を装備(写真=左)。右側面にはスタイラスペンのホルダー、USB 2.0、有線LANを備える(写真=右)

 キーボードドック装着時の本体サイズは302(幅)×203(奥行き)×26.1(高さ)ミリ、重量は約1.7キロとなる。モバイルPCとして見た場合、かなり重くて厚くなる印象だが、タブレットスタンド、キーボードとタッチパッド、拡張バッテリーと充電器、有線LANアダプタ、2基のUSBハブ、アナログRGB出力まで兼ね備えていると考えれば、850グラム弱の増量もそう重くは感じない。

富士通 STYLISTIC QH

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