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» 2012年12月31日 19時30分 UPDATE

Retina、Ultrabook、ハイブリッドPC、そして……:2012年を代表するノートPC“10選” (1/2)

PC USERでノートPCのレビューを中心に執筆しているテクニカルライターの鈴木雅暢氏が、2012年に登場した代表的な10台のノートPCを選出する。果たしてその顔ぶれは……。

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

 2012年は、第3世代Core(開発コード名:Ivy Bridge)、高画素密度のIPS液晶ディスプレイ、そしてタッチ操作を重視したWindows 8と、キーテクノロジーがどっと押し寄せ、革新的なノートPCが次々と登場した。まさに激動の1年だったといえる。

 それでは、個人的に強く印象に残った合計10のモデルを取り上げつつ、この1年の業界動向を振り返っていこう。

未来を先取りした「15インチMacBook Pro Retina」

tm_1212note_01.jpg アップル「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」

 「これは2年先、3年先のPCの画面だな」――そう感じずにはいられなかった。アップルが6月に発売した「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」の美しい表示は、それほどまでに感動的だ。画素密度の数値(約220ppi)は、iPadやiPhoneのRetinaディスプレイに比べればだいぶ劣るのだが、それでも15.4型ワイドの大画面で見るRetinaクオリティの臨場感は別格に違いない。

 2012年前半、最も強い存在感を放ったのは、この15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルだった。とにかく写真や映像の美しさは文章で表現しきれないほど。これで精細なカラーPDFデータなどを見ると、いよいよ雑誌類の電子書籍化も実用的な段階に来ていると改めて意識する。10月には13インチモデルもラインアップに加わり、2012年もアップルはディスプレイの高画素密度化に積極的だった。

 Windows PCにおいては、Retinaディスプレイのようなアプローチはまだ本格化していないが、それでも画面の高画素密度化と表示品質の向上は着実に進んでいる。13型はもちろん、11型や12型のクラスでもIPS方式のフルHD液晶ディスプレイを備えたPCは複数販売され、高画素密度ならではの精細な表示を体感できる製品が少しずつ増えてきた。

 この高画素密度はもはやスマートフォンやタブレットでは欠かせない要素になりつつあるが、これからはWindowsノートPCでもそうなってくるだろう。そしてこの流れは、アプリケーションの設計やコンテンツのあり方にも大きな影響を与えることになる。

軽量志向を極めたUltrabook「LaVie Z」

 Retinaディスプレイ以外で2012年前半の大きな出来事といえば、Ivy Bridgeこと第3世代Coreプロセッサー・ファミリーの登場だ。3Dトランジスタ技術をいち早く採り入れた22ナノメートルのプロセスルールを採用したことで、第2世代Core(開発コード名:Sandy Bridge)以上に電力効率が向上し、高性能かつ省電力になった。

 第3世代Coreにはモバイル向けにTDP(熱設計電力)を下げた超低電圧版も用意され、これを採用する第2世代のUltrabookも誕生。第1世代のUltrabook(Sandy Bridge搭載)では投入を見送っていたメーカーからも魅力的な製品が次々と発売され、国内メーカーの健闘も目を引いた。

tm_1212note_02.jpg NEC「LaVie Z」

 中でも約875グラムという超軽量ボディを引っさげ、NECから8月に発売された13.3型Ultrabook「LaVie Z」のインパクトは絶大だ。この製品のすごさは、単に軽いだけでなく、実用性も現代のモバイルノートPCとしてほぼ完璧に確保したところにある。

 1600×900ドット表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイに、キーピッチ約18ミリのキーボードを備え、パームレストも十分にあり、パフォーマンスも他の“重い”Ultrabookに見通りしない。インテルがUltrabookを推進するずっと前から優れたモバイルPCを生み出してきた日本市場においても、ここまでの軽量ボディと実用性を両立した製品は類を見ないといえる。

 特に近年のUltrabookを含めたモバイルノートPCは、薄さや性能はともかく、軽さという点ではあまり進歩していない。Ultrabookも1.2キロ以上ある製品がほとんどだ。軽量化を突き詰めたモバイルノートPCが少なくなってきているだけに、このLaVie Zは実に貴重な存在だ。

個性的な第2世代Ultrabookが続々――「dynabook R632」「ZENBOOK Prime UX31A」「ThinkPad X1 Carbon」「Floral Kiss」

 同じく軽量志向のUltrabookとしては、東芝の13.3型モデル「dynabook R632」も挙げておきたい。重さは約1.12キロとLaVie Zには及ばないものの、3基のUSBポートやアナログRGB出力、有線LAN、WiMAXを備えるなど、Ultrabookとしては充実した端子類を装備しており、こちらも貴重な存在である。

 そのほか、重さは平凡ながら、いち早くフルHD液晶ディスプレイを搭載しながらリーズナブルにまとめたASUSTeK Computerの13.3型モデル「ZENBOOK Prime UX31A」、最高レベルのキーボードを搭載したレノボ・ジャパンの14型モデル「ThinkPad X1 Carbon」なども魅力的な存在だ。ZENBOOK Primeシリーズには11.6型フルHD液晶ディスプレイを備えた「ZENBOOK Prime UX21A」もある。

 これまでにない製品としては、女性にターゲットを絞った「Floral Kiss」こと富士通の13.3型Ultrabook「FMV LIFEBOOK CH55/J」にも注目したい。富士通は「FMV LIFEBOOK UH75/H」という完成度の高い14型Ultrabookも出したのだが、今回は話題性からこちらを選出した。ボディのカラーだけでなく、排気口やボタン類、マウス、ACアダプタに至る細部まで「女子向けデザイン」を徹底した意欲作だ。

tm_1212note_03.jpgtm_1212note_04.jpg 東芝「dynabook R632」(写真=左)。ASUSTeK Computer「ZENBOOK Prime UX31A」(写真=右)

tm_1212note_05.jpgtm_1212note_06.jpg レノボ・ジャパン「ThinkPad X1 Carbon」(写真=左)。富士通「Floral Kiss/FMV LIFEBOOK CH55/J」(写真=右)

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