NVIDIAのプレスカンファレンスでは、同社CEOのジェンスン・ファン氏が、これまで開発コード名「Wayne」と呼んでいたNVIDIAの新型SoC「Tegra 4」の概要を紹介した。5つのCPUコアを搭載する、Tegra 3で採用した「クアッドコア+コンパニオンコア」の構成となっている。通常は、低消費電力のコンパニオンコアが動作し、負荷に応じてワークロードを残りのクアッドコアに分散することで、省電力と高い処理性能を両立するのはTegra 3と共通する。ただし、Tegra 4では、Tegra 3のARM Cortex-A9ベースではなく、最新のCortex-A15ベースを採用している。これにより、単体のCPUコア性能が向上したほか、動作クロックが向上した。
しかし、プレスカンファレンスでファン氏は、新しくなったARMではなく、Tegra 4のグラフィックスコアを訴求している。グラフィックスコアが異なるため単純比較はできないが、Tegra 3ではULP GeForceコアが12基の構成だったのに対し、Tegra 4では72基と強化している。SoCのダイに占めるグラフィックスコアの面積も5分の2程度となっており、グラフィックスコアにリソースを割いていることがうかがえる。Tegra 3では、グラフィックス性能をそれほど強調してこなかったが、グラフィックス性能をメイントピックの1つとして取り上げるTegra 4は、NVIDIAが考えている“これからNVIDIAが向かっていく道」を示しているといえる。
Tegra 4の性能について、NVIDIAは汎用のグラフィックスコアやCPUの性能を測るベンチマークではなく、Webサイトを順番に25ページ開いてそれにかかる時間を計測する、(NVIDIAが考える)「一般的なユースケース」に沿った処理を紹介している。比較対象はCortex-A15をベースにしたSamsungのクアッドコアプロセッサを搭載する「Nexus 10」で、Tegra 4搭載のプロトタイプタブレットとの比較で2倍近い差が出たことを強調している。
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