むむむ……さすが“ThinkPadクオリティ”とうたうだけある。ストロークはしっかり深め。打鍵音もかなり静かで心地よい。薄型Ultrabookのストロークが浅いキーボードにおける“パチャパチャ”音に対し、本機は“スコスコ”といった音質。キー押下時、ベースプレートにカチャッと当たらないよう“逃げ”の穴加工とショック吸収部品を設け、底付き感がソフトに、かつ過度な高い音が鳴らないよう工夫している。
G、H、Bキーの間にある“赤ポッチ”「トラックポイント」も、改めて感じるが操作性は秀逸だ。ホームポジションのままカーソル/スクロール操作でき、マウス作業における誤操作がないのがなによりうれしい。タッチパッドにおける手のひら誤操作……あれはどうにかならんのかと何度思ったことか。
剛性はそれなりに高いと感じる。足を立てて強めに押してもわずかにたわむ程度で、かなり強めにガシガシ打鍵しても不安感はない。足にも赤いゴム足があるので机上でずれることもほとんどない。なお、本機もThinkPadシリーズの拷問テストをパスしているとのこと。
の拷問テストをクリアした品質としている。
また、Bluetooth 3.0(HID)対応ということで、Bluetoothキーボード対応のAndroid/iOSスマートデバイス(タブレット、スマートフォン)でも活用できる。基本はWindows用なのでキーマップがやや異なり、この点ではAndroid専用キーボード比では少々使い勝手が劣る部分もあるが、“ThinkPadクオリティ”の打ち心地をタブレットでも使えるとなれば、やはり1台持っていれば活用シーンは広がるだろう。
なお、Androidタブレット(LifeTouch L/Android 4.0.3)と接続してみたところ、キーボード操作はもちろん(日本語/英語の切り替えは[漢字 半角/全角]キーで行えた)、トラックパッドでカーソルも操作できた。カーソル操作とクリックボタンの操作で、画面下のホーム/戻る/タスク切り替えボタンも押せる。これはかなーりいい感じだ。
iOS機器(今回はiPad miniで検証)でもハードウェアキーボードとして認識できる(ただ、カーソル操作はサポートされない)。日本語と英語の切り替えはWinキー+スペースキーにて行うスタイルだ。ただ、キーマップがUS配列となる都合にてローマ字入力な人は若干苦労する点には注意したい。iOS機器で使用するならUS配列版を選択する方法もあるだろう。
ThinkPad トラックポイント・キーボードの特長はとてもシンプルだ。どの特長も「なにより業務効率向上のため」に通じているのが心地よい。
本機の想定利用シーンには、キーボード/ポインティングデバイスを外付けするデスクトップPC、さらにWindowsタブレットにひとまず無条件でマッチする。薄く、そこそこ軽量なのでキーボードごとバッグに入れて携帯する運用方法もアリ。トラックポイントもあることで狭い場所で使用──例えばサーバルームなどへの導入にも向いている。Bluetoothモデルは、Android/iOSタブレット用として併用する方法もカバーできる。
最後に“ノートPC用”はいかがだろう。
最近のUltrabookは、解像度、重量、バッテリー動作時間、価格帯などメリットや物欲ポイントが多々ある。ただ、薄型化を推進するだけにキーボードの打鍵感、特にストロークの深さが犠牲になったことで、ペラペラな打ち心地になってしまった「残念キーボード」の製品も意外と多く存在する。それなら外付けで本機を活用すればいいわけだ。
……というわけで、わたしは現在このようにして使っている。うん、とてもいい感じだ。
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