ASUSは2015 CES会期前日の1月5日(現地時間)に、米ラスベガスで新製品発表会を開催した。なお同社はCESには出展しておらず、別会場で独自に発表会を行っている。モバイル関連では、スマートフォンのラインアップを広げる2製品が披露された。
ASUSが2014年に発売したスマートフォン「ZenFone」は、ディスプレイサイズ別に「ZenFone 4」「ZenFone 5」「ZenFone 6」という3つのモデルをラインアップし、日本ではZenFone 5のLTE版が販売されている。2014年第4四半期には150万台/月を出荷するほどのヒット製品となった。そのZenFoneシリーズの2015年モデルは第2世代の製品ということから「ZenFone 2」という名前で発表された。
ASUSのチェアマン ジョニー・シー(Jonney Shih)氏は発表会の席で「ZenFone 2はより美しい写真体験、より高いパフォーマンス体験、より使いやすいユーザーインタフェースを提供する製品だ」と語り、初代モデルから性能が大幅にアップしたことをアピール。CPUは64ビットのIntelZ3560またはZ3580を採用し、Z3580のパフォーマンスは他社CPUの3倍以上に達するという。
スマートフォンとしては業界初の4Gバイト RAMモデルも投入する。OSはAndroid 5.0 Lollipop。通信方式はFDD-LTEがB1、2、3、4、5、7、8、9、17、18、19、20、28、29、TD-LTEがB38、39、40、41に対応するが、1モデルで全通信方式に対応するのではなく、販売国別によって通信方式は異なる。
ディスプレイはZenFone 5の5型HD(720×1280ピクセル)から、5.5型フルHD(1080×1920ピクセル)に進化した。前面全体に占めるディスプレイ面積の割合は72%。これは同じディスプレイサイズのiPhone 6 Plusの68.3%よりも高い。片手で操作しやすくよう、ホームボタンをダブルタップすると画面が小さく表示される工夫も盛り込んだ。
カメラはZenFone 5の800万画素から1300万画素に強化された。PixelMaster技術によりオートモードでも最適な写真撮影が可能なほか、セルフィーのための美顔モードも備えている。ZenFoneの象徴的なパーツでもある前面下部のヘアライン加工は初代モデルから引き継いだほか、従来の側面ではなくカメラ下にボリュームキーを配置し、持ちやすいエルゴノミックデザインに仕上げた。
製品はフルHDディスプレイの「ZenFone 2(ZE551ML)」と、スペックを抑えたHDディスプレイ採用の「ZenFone 2(ZE550ML)」の2種類となる。前者のZE551MLは、CPUがZ3560(1.8GHz駆動)またはZ3580(2.3GHz駆動)を搭載、RAMは2Gバイトまたは4Gバイトだ。後者のZE550MLは、CPUがZ3360(1.3GHz駆動)またはZ3560(1.8GHz駆動)、RAMは1Gバイトまたは2GBとなる。価格はZenFone 2(ZE551ML)の2GバイトモデルがSIMロックフリー単体で199ドルとなり、3月から発売予定。RAM 4Gバイトモデルは若干価格が高くなる見込み。
ディスプレイ解像度の低いZenFone 2(ZE550ML)は、より低価格になる予定とのこと。なお発表会会場の展示モデルには日本語ロケールが搭載されていたが、日本での発売についてはいずれのモデルも現時点では未定。
カメラ体験をより豊かにするスマートフォンとして、3倍光学ズームレンズを搭載した「ZenFone Zoom(ZX550)」も合わせて発表された。ASUSによると、同ズームレンズを搭載するスマートフォンとしては世界最薄だという。本体とほぼツライチの薄い部分に10層からなるレンズモジュールを搭載している。レーザーオートフォーカスや高解像度なマクロ撮影、そしてシャッタースピードやピントの手動調整ができるなどスマートフォンのカメラとして高い性能を誇る。ズーム時でもブレの少ない写真を撮影できるよう、光学手ブレ補正を搭載した。
OSはAndroid 5.0 Lollipopで、5.5型フルHD液晶を搭載する。LTEの対応バンドはZenFone 2と同じだ。プロセッサやRAMは確定していない。会場に展示されていた製品はガラスケースの中に収められ、実機を操作することはできなかった。発売は2015年第2四半期、価格はSIMロックフリー単体で399ドルとなる予定。
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