アップルの「新しいMacBook」は、まるで2008年に登場した初代MacBook Airをほうふつとさせるかのような仕上がりだ。作り込まれた高級感のあるボディ、そぎ落とされたインタフェース、そして厚さ3.5〜13.1ミリというスリムボディに、約920グラムという重量。加えて、2304×1440ピクセル(226ppi)対応の12型Retinaディスプレイを搭載し、ボディカラーはゴールド、シルバー、スペースグレイで展開する。
sRGB相当の色域をカバーした液晶ディスプレイの発色は精細で美しく、質感の高いボディと相まって物欲を大いに刺激してくれる(個人的にはスペースグレイの深い色合いが好みだ)。
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何かと話題になっている「バタフライ構造」を採用した新型キーボードは、キートップの面積が大きい割にタイプしてもぐらつかない。使用当初こそ浅いキーピッチに違和感を覚えるかもしれないが、小一時間も使っていればむしろしっくりとくるから不思議だ。
感圧センサー内蔵の「感圧タッチトラックパッド」も同様で、電源オフ時にタップしても無反応でクリック感がないことから、初めてこれまでのパッドとの違いを認識できる。従来のパッドと同じ使い心地を維持しつつ、アプリごとに割り当てを変更できたりとさらに多機能化しているのが特徴だ。
左側面にあるUSB Type-Cコネクタも、新しいMacBookの評価を分けるポイントだろう。別売のMultiportアダプタを使えば、外部ディスプレイに4K出力することも可能だが、純正アダプタは9500円(税別)と安くはない。
付属のUSB Type-Cケーブルが約2メートルと長めで、持ち運びにややかさばるのも気になるが、このあたりは対応機器やアダプタが出そろうことで解消される部分ではある。とはいえ当面は、新しいMacBookに合わせた形での運用で切り抜けるしかないところだ。
もっとも、細かい懸念を吹き飛ばすだけの魅力を備えたモデルであることは間違いなく、筆者としては常に持ち歩きたいガジェットの最右翼という位置は揺るがない。ただ、下位モデルでも税込みで16万を超える価格と、Apple Watchが発売されるこの時期、何かと入り用なのが悩ましい。
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