Windows 10次期大型アップデート「Redstone 3」のユーザーテストが早くも始まる鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

» 2017年04月13日 06時00分 公開

 4月11日にWindows 10で3回目となる大型アップデート「Creators Update」の一般向け配信が始まったが、それに先駆けて次期大型アップデート「Redstone 3(RS3)」のユーザーテストも始まっている。

Creators Update 4月11日に一般向けの配信が始まった「Windows 10 Creators Update」に含まれる新アプリ「ペイント3D」

次期大型アップデート「Redstone 3」に向けたユーザーテストを開始

 米Microsoftは4月7日、PC版Windows 10 Insider Previewの「Build 16170」をWindows Insider ProgramのFast Ring参加者に公開した。これはWindows 10 Insider Previewで初のRS3相当となるビルドだ。今後半年ほどはWindows Insider Programを利用しつつ、RS3の開発フェーズが続いていくことになる。RS3は2017年秋ごろに一般公開される見通しだ。

 開発中の最新Windowsビルドが一覧できる非公式サイトのBuildFeedによれば、2月19日付けでBuild 15141のRS3相当ビルドの開発が始まって以降、3月末に一気にビルド番号が1000ほどジャンプし、数回の社内ビルドの提供を経て、今回のBuild 16170に至っている。

BuildFeed BuildFeedによれば3月末から16000番台のビルドが出現していることが分かる

 筆者もBuild 16170を導入しようとしたのだが、手元のPC環境と相性が悪いようで、何度インストールしても最後の再起動で失敗してOSがロールバックする状態が続いたため、次回以降の配信まで待つことにした。

 Windows Insider Programの窓口を担当する開発チームのドナ・サーカー氏によれば、Build 16170には特に新機能のようなものはなく、内部的に「(Windowsプラットフォーム全体で共通のコアを構築するという)OneCore」戦略のための調整を行うのが主な変更点だと伝えている。

 恐らくは、開発者向けイベントの「Build 2017」が開催される直前の4月末に配信されるビルドに幾つか新機能の片りんが盛り込まれる程度で、それまでは微調整やバグ修正がメインの内容となりそうだ。

ビジネスユーザー向けのWindows Insider Programも

 米Microsoftが同時発表した「Windows Insider Program for Business」にも注目したい。これは名前の通り、ITプロフェッショナルとビジネスユーザーへのサポート強化を目的に新設された法人向けのWindows Insider Programだ。

Windows Insider Program for Business 「Windows Insider Program for Business」の登録ページ

 Windows Insider Programは「開発者やプロ向けのテストプログラム」といった印象が強いかもしれないが、Microsoftにとってはもっと幅広く、「Windowsの開発に参加してもらう場」や「ファンとの交流の場」という意図があるという。

 実際、Windows Insider Programの参加には「(個人の)Microsoftアカウントが必要」なこともあり、特に企業内で従業員のPC向けにOSアップデートの配信管理を行うITプロフェッショナルなどのビジネスユーザーには、使いにくいという意見が少なからずあったようだ。

 そこでWindows Insider Program for Businessでは、「Azure Active Directory(AAD)」内にある企業アカウント情報を基に、Windows Insider Programへのサインインが可能になっている。つまり、Microsoftアカウントのサインインなしに、同プログラムで提供される最新ビルドへのアクセスなど、Windows Insider Programの各種機能が利用できるようになるわけだ。

 Windows Insider Program for Businessの開始によって、企業内でITプロフェッショナルの参加が増えるとともに、従業員のフィードバックがより多く得られるようになり、Windows 10におけるビジネス上の課題の対応力が高まることが期待される。

間口がさらに広がったWindows Insider Program

 このように、参加者の間口がさらに広がったWindows Insider Program。RS3で追加が見込まれる「Project NEON」関連の新UIや、2016年にプレビューが行われながら結局Creators Updateには搭載されなかった「MyPeople」機能なども今後のビルドでの搭載が気になるところだ。

 Windows 10 Insider Previewには不具合がつきものなので、自己責任での利用となるが、Windowsの最新動向が気になる方やWindowsの開発に参加したい方は、登録してみてはいかがだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  5. QualcommがPC向けSoC「Snapdragon X Plus」を発表 CPUコアを削減しつつも圧倒的なAI処理性能は維持 搭載PCは2024年中盤に登場予定 (2024年04月25日)
  6. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  7. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  8. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  9. AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目! (2024年04月25日)
  10. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー