かつてWindows 10の正式発表時に、ジョー・ベルフィオーレ氏が「コマンドプロンプトでキーボードショートカットを使ったコピー&ペーストが可能になる」と発言して話題になったが、今回のBuild 2018でもやはり「メモ帳(notepad.exe)」での新機能を同氏が発表して注目を集めている。
メモ帳アプリはこれまで「CR+LF」のWindows標準の改行コードしか表示をサポートしておらず、Linux・Unixの標準方式(LF)やMacの標準方式(CR)で記述されたテキストファイルを読み込むと、改行が認識されず文字列がつながって表示される現象がみられたが、Build 17666以降ではどの形式でも問題なく表示できるようになった。
また地味ではあるが、Build 17666にはメモ帳で特定のキーワードを選択しておくことでBing検索が可能になる新機能も含まれている。これで行ったBing検索はSetsを使って新しいタブとして同一のウィンドウ内に検索結果が表示される。
Cortanaの検索ウィンドウも表示内容が若干リッチになった。アプリに対応する過去の作業ファイルの一覧や、ファイルのプロパティが表示される他、Bing検索をインラインで表示できる。検索窓をもっと積極的に使ってほしいというMicrosoftからのメッセージといえる。
Build 2018で紹介されていた「Your Phone」アプリもBuild 17666から利用可能になった。機能の概要についてはBuild 2018の初日基調講演レポートの中でも紹介したが、近隣のAndroidデバイスまたはiPhoneと連携して中の画像ファイルをドラッグ&ドロップで簡単に呼び出したり、あるいはSMSの通知や返信をPC上で行えたりと、スマートフォンとPCを連携するアプリだ。
なお、米MSPoweruserによれば、連携するデバイスが同じネットワーク上に接続されている必要はなく、Bluetoothを使っての通信も行えるようだ。いわゆるAppleにおける「Handoff」機能に近いものだと考えていい。
これまで紹介した新機能のほとんどはBuild 17666で実装されたものだが、次に配られたBuild 17672(米国時間で5月16日に配信開始)では、1つだけ重要なアップデート内容が含まれている。
それはセキュリティソフトに関する変更だ。同ビルド以降の「Windowsセキュリティセンター(WSC)」では、連携するアンチウイルスソフトウェアが保護されたプロセスとして実行されている必要があり、これが有効でない場合にはWSCの製品選択の一覧に出現しなくなる。標準の「Windows Defender」ではないサードパーティー製品を使う場合は注意が必要だ。
なお、Windows 10 Insider Previewでの実験用の措置として、レジストリの書き換えでこの機能を無効化できる。下記のレジストリキーの値を設定した後、デバイスを再起動することで機能が無効化される仕組みだ。
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