スマート加湿器とスマートスピーカーの相性を試す山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/3 ページ)

» 2019年02月06日 07時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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 この他、スキル内の音声コマンドのサンプルに「加湿器を55%に設定する」「加湿器の湿度を下げる」といった例が表示されているのだが、実際には本製品で対応しない操作も多く、例文通りに指示したのに「申し訳ございません。このデバイスは○○には対応していません」とそっけなく返されることもある。取扱説明書ではきちんと使える音声コマンドだけが掲載されているのだが、このあたりが非常にちぐはぐだ。

 加えて、言い換えのバリエーションも極めて少なく、不自然な日本語でのやりとりを強いられるため、音声での操作が次第に煩わしくなり、やがてスマホアプリでしか操作しなくなる。実際、音声でのやりとりに要する時間を考えると、例えベッドの中にいても、スマホを取り出して操作した方がよほど速い。現状では、スマートスピーカー連携はあくまでおまけにすぎないというのが、今回試した結論だ。

TT-AH023 本製品と対話した際のログ。一回のやり取りごとの発話量が非常に多いことが分かる
TT-AH023 Echo Showなどの画面付きモデルを使っていると、応答がテキストで表示されるのでいくらか分かりやすくなるが、音声だけだと一苦労だ。ちなみに、この画面に表示されている日本語もかなり怪しい

スマホメインでの利用がお勧め

 以上のように、本製品とスマートスピーカーの連携機能については、実用性は極めて低い。これならば、オンとオフにしか対応しないスマートホームスキルを用意してくれた方が、ユーザーにとっては実用的でありがたい。スマートスピーカー連携デバイスの中には両方のスキルを用意している製品もあり、本製品には今後そうした展開を期待したいところだ。

 しかしそれでもなお、本製品がAmazonなどで高い評価を得ているのは、これだけコンパクトなボディでこれだけ大容量の加湿器がなかなかないこと、またAmazonでのタイムセール時は6千円台にまで下がるというリーズナブルさが大きな要因だろう。スマートスピーカーではなくスマホメインで利用するならばという但し書きがつくが、加湿器としては十分にお勧めできる1台だ。

TT-AH023 スマートスピーカーとの連携は実用性に乏しいものの、このボディーサイズにして5Lもの容量はやはり魅力だ
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