FOMA網使い、災害時に飲料を無償提供――コカ・コーラの「地域貢献型自動販売機」

» 2010年04月21日 13時34分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 通信機能を備えた自動販売機を災害時に遠隔操作で開放し、被災者に飲料を無償提供する――そんな「地域貢献型自動販売機」の設置に日本コカ・コーラが取り組んでいる。3月19日に開催された「MCPC award 2010」の最終プレゼンテーションで、同社ベンディング統括事業部マネジャーの仁科尚文氏が取り組みの内容を説明した。

photo 日本コカ・コーラ ベンディング統括事業部マネジャーの仁科尚文氏

 日本コカ・コーラは社会貢献活動の一環として、災害時の被災者支援のために飲料を無償提供する協定を各地の自治体と結んでいる。こうした活動の中で「自動販売機も(災害時に)活用できる」と考え、企画したのが地域貢献型自動販売機だ。地域貢献型自動販売機は学校や公民館などの施設を中心に5200台(3月時点)が設置され、企業が従業員のライフラインを確保する目的で導入するケースもあると仁科氏は話す。

photophoto 地域貢献型自動販売機では、通常時は備え付けられた電光掲示板にニュースや地域の情報が表示され、災害時には避難場所などの情報が表示されるようになっている

 システムにはNTTドコモのFOMA網を利用し、自動販売機にはFOMA対応の通信ユニットが組み込まれている。また自動販売機には電光掲示板が搭載されており、災害時には飲料を提供するだけでなく、災害情報や避難場所の情報を表示させることが可能だ。こうした機能を遠隔操作する権限は自治体やボトラー社の責任者に与えられる。責任者は、掲示板のメッセージを管理するためのUSBキー、あるいは飲料の無償提供を実行するためのUSBキーを専用端末に差すことで、遠隔操作が可能になる。責任者の設定した電光掲示板向けのメッセージや、飲料を無償提供する命令は、インターネットを介してドコモのサーバに届き、そこからFOMAの無線ネットワークで自動販売機に伝わる仕組みになっている。

photo システムの構成図

 実際の災害で利用された例もすでに出ており、2004年の新潟県中越地震では、避難場所となった長岡市の体育館で1500本の飲料が地域貢献型自動販売機から提供されたという。また、2007年の能登半島地震では1500本、2010年のチリ地震では680本の飲料が提供された。

photo 災害時に実際に利用された例

 同社は災害時に住民が孤立してしまうような場所などに対して、地域貢献型自動販売機の導入をさらに拡大させていく考え。また仁科氏は、今後の抱負として“多様な商品の提供”“利便性の向上”“エコや社会貢献”の観点からモバイル技術の活用を進めていくと話した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月14日 更新
  1. KDDIのpovo、「つながらない」に悩む楽天ユーザーを本気で救済開始か Xで意味深投稿 (2026年06月13日)
  2. シャープが「AQUOS」を中高価格帯へシフトする理由 メモリ高騰が直撃するエントリースマホの限界 (2026年06月13日)
  3. DAZNのW杯「月額980円」表示に落とし穴 ユーザーを困惑させた2つの“ダークパターン”とは (2026年06月12日)
  4. PayPayの誤送金トラブル、なぜ「強制キャンセル」できない? 広報に聞いた理由と自衛策 (2026年06月13日)
  5. スタバ長時間滞在、なぜ「一律ルール」設けない? “スマホでゲーム、PCで仕事も…広報見解は (2026年06月12日)
  6. ゲオの“今だけ”スマホ買い取り額UP、実はうそ? 消費者庁が厳しい目 (2026年06月12日)
  7. 「JALモバイル powered by ahamo」のお得度を検証 本家ahamoやIIJmio版とは何が違う? (2026年06月12日)
  8. 新エントリースマホ「arrows We3」発表 コンパクトな高耐久ボディーに5000mAhバッテリーや新カメラを搭載 (2026年06月11日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. 追加料金なしで海外データ通信が使える快適さ そして外国で「シャッター音」を忘れて羽根を伸ばすスマホ (2026年06月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー