総務省「SIMロック解除に関するガイドライン」を公表:対応可能なものから実施

» 2010年06月30日 16時08分 公開
[園部修,ITmedia]

 総務省が6月30日、5月26日に提示した「SIMロック解除に関するガイドライン(案)」に対する意見募集の結果を踏まえ、正式な「SIMロック解除に関するガイドライン」を策定し、公表した。ガイドライン案からの変更はなく、「SIMロックの解除を強制するものではないが、事業者は、SIMロック解除について、本ガイドラインに沿って、利用者の立場に立った取組に努めるものとする」と、事業者の主体性に委ねる形とした。

 2007年に策定されたモバイルビジネス活性化プランでは、「SIMロックについては原則解除する方向で検討を進める。2010年の時点で最終的に結論を得る」としていた。しかし、単純に現在流通しているケータイのSIMを他事業者のものに差し替えても、他の事業者のネットワークにはそもそもつながらなかったり、つながってもメールなどの付帯サービスが利用できなかったりするため、当分の間法制化に関する検討は保留する。

 ガイドラインでは、2011年以降新たに発売される端末のうち、対応可能なものからSIMロック解除を実施するよう求めている。通信事業者はSIMロック解除の対象となる端末と、SIMロック解除ができる条件や手続きを、自社のWebサイトやパンフレットで事前に公表するよう定めた。SIMロック解除に伴って手数料などが必要になる場合は、事業者はその金額と手数料が発生する条件を明示する必要がある。

 また、通信事業者が自ら販売した端末以外の端末を使用する利用者にも、サービスの提供を義務づけている。技術基準に適合しない端末でない限りは、接続を求められれば応じなければならないとしている。つまり「技適マーク」のある端末なら、原則利用できることになる。

 このほか、販売の現場では、SIMロック解除によって何が起こるか、どんな利点と問題が生じるか、といったことを利用者に対し説明することも求めている。販売する端末がSIMロック解除に対応しているかどうかや、ロック解除に必要な条件・手続き、他の事業者のSIMを差し込んだ場合に、サービスやアプリケーションなどの利用に制限が生じる可能性があるかなどは、販売時点に説明が必要になる。またSIMロック解除を行う場合にも、改めて条件や手続き、そして解除によって生じる制限などを案内しなくてはならない。

 通信サービスの不具合や端末の故障が発生した場合の対応は、これから体制を整備する。通信事業者や販売店などでどのように取り次ぐかを協議する予定だ。ただ、端末の故障の場合、サービスを提供する事業者と端末を販売した事業者、どちらもが対応に当たることとしている。

 SIMロックの解除に伴って、コンテンツプロバイダーが、同一の利用者からのアクセスであることを継続的に確認するための仕組みなどで、利用者が意図しない名寄せなど、プライバシー上のリスクが増大する可能性があるが、これについては通信事業者がリスクを軽減するための措置を講ずるよう求める。盗難など、端末の不正入手などが増える可能性も考慮し、事業者間で連携を取るなど、必要な措置を講じることも定めた。

 なお、SIMロックの解除が一般化すると、いずれは国内の複数の事業者で動作する端末の登場も期待される。このガイドラインでは「事業者に対して自社が販売する端末を他の事業者に対応させることを求めるものではないが、本ガイドラインの趣旨を踏まえ、自社の販売する端末がより広汎に利用可能となるよう努めることが望ましい」と、複数キャリア対応端末の開発も努力目標として明記された。

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