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» 2011年05月09日 23時44分 UPDATE

「目先の利益より、5〜10年後の成長に向けた投資を」――売上3兆円突破のソフトバンク

初の売上高3兆円突破を実現したソフトバンクグループ。今後は目先の利益を追うより、足元の基盤作りに注力するとし、設備投資とアジア向け事業への投資を強化する。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo ソフトバンクの社長を務める孫正義氏

 ソフトバンクグループが5月9日、2011年3月期の決算を発表した。累計売上高は前年比8.7%増の3兆46億円、営業利益が前年比35.1%増の6291億円で増収増益となった。

 売上高の3兆円突破は同社初で、連結営業利益はKDDIの4719億を上回り、NTTドコモの8447億に迫る勢い。上場企業すべての営業利益ランキングでも、NTT、NTTドコモに次ぐ3位につけている。同社社長の孫正義氏は、「(ドコモやKDDIなどの)他社が横ばいで推移する中、大きく業績を伸ばした」と胸を張る。中でも収益の柱となっている移動体通信事業は、ドコモやauの営業利益増加率が横ばいや微減で推移する中、54%伸ばすなど絶好調。スマートフォンブームの火付け役となったiPhoneの投入効果が、大きく業績に反映された1年となったようだ。

Photo 売上高が初めて3兆円を突破。営業利益も前年度を大きく上回った
Photo iPhoneは新規契約に占める女性ユーザーの割合が5割近くになった。2011年度もiPadやiPhoneを中心としたスマートデバイスの投入で、さらなる顧客の獲得を目指す

目先の利益より、5〜10年後の成長に向けた投資

 今後の業績見通しについて孫氏は「これまでが奇跡に近い実績だった。毎年50%も伸びるのは難しい」と話すなど、増益率が下がる可能性があることも示唆している。その背景には、他キャリアがスマートフォン事業に本腰を入れ始めたこともあるだろう。こうした状況をふまえ、今後の事業の方向性については「目先の利益より、5〜10年後の成長に向けた投資を行う」とし、足元の基盤固めに注力するとともに今後の伸びが期待される事業への投資を強化する考えだ。

 携帯電話事業については、「今後2年の最優先事項は設備投資」とし、インフラ企業としての足場を固める考え。2年連続で5000億円規模の設備投資を行い、「現時点のauやドコモと同等程度につながるまで、何としてもやりぬく」(孫氏)と意気込んだ。

 もう1つの軸は、今後大きな市場の伸びが期待されるアジア市場向けサービスへの投資の強化。その取り組みの1つとして、ファッションeコマースサイト大手の「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイとともにジョイントベンチャーの「トゥデイホンコン(仮称)」を設立し、ソフトバンクが出資する中国ECサイトの淘宝上での展開を目指す。

 また、同社が出資する中国のオンラインテレビサービス「PPTV」については、2月からiPad向けネットテレビサービスを提供。コンテンツ面では中国サッカーリーグの独占配信を開始する。

 ほかにも、吉本興業とのジョイントベンチャー企業「コンテンツバンク」を通じたコンテンツ配信の世界展開や、米ファッションeコマース大手Gilt Groupeとのジョイントベンチャー企業「Gilt Japan」を通じたスマートデバイス向けeコマースサイトの拡充などを計画している。

Photo スタートトゥデイとともにジョイントベンチャー「トゥデイホンコン(仮称)」を設立
Photo 吉本興業とは、コンテンツの世界展開を目指す「コンテンツバンク」を設立
Photo 米ファッションeコマース大手Gilt Groupeとのジョイントベンチャー企業「Gilt Japan」も設立。パートナー企業にはCalvin Kleinやdunhill、Armaniなどの有名ブランドが名を連ねる

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