「時短社会」「働き方改革」……。働く時間はどんどん短くなるなかで、時間に追われながら、毎日をがむしゃらに生きる。しかし成果主義のこれからの社会では、その努力は報われそうにない。そんな生きづらい社会のなかで、「遅刻はするけど、きちんと成果を出す」のがひろゆきこと西村博之氏だ。
ゼロからイチを生み出す独自のアイデアで“2ちゃんねる”“ニコニコ動画”を創出し、日本のインターネットメディアをけん引してきた。彼が考える仕事において「本当に頑張るべきこと」とは何なのか。
なまけるのが苦手で、頑張りすぎてしまうビジネスパーソンは、いったい何を意識して働けばいいのか。「成果社会で生き抜くための時間の使い方」を伝えた『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)の中から、ひろゆき流の「なまけもの経営術」をお届けする。
自分に向いた仕事をしている人や自分の好きなことを仕事にしている人は、ひと昔前よりずっと増えているのでしょうが、やっぱり絶対数的には、まだ圧倒的に少ないと思います。
僕だって、今の仕事は趣味の延長ですが、今の仕事が一番向いているのかと言われたら、それは分かりません。
例えば、プログラミングはパズルと一緒で必ず「正解」があります。やり方さえ間違えなければ絶対に動く。そういう点で、正解がないことも多い営業職とかよりは僕の性に合っているとは思います。
でも、今まで経験したことがないことをやってみたら、今の仕事より、もっと向いていると感じる可能性もゼロではないのです。
それに、好きなことを仕事にしようと決めた途端に、いきなり挫折してしまう場合なんかもあると知っておいたほうがいいと思います。
以前、食べることが好きな友人が、飲食店をやりたいと言って、いろいろと調べていたことがあります。ところが、食べることが好きなだけに、食材にこだわりすぎて原価率が大変なことになってしまい、結局、やめることにしたみたいです。
こう言ってはなんですが、「それなりに好き」くらいの人が、原価率を抑えた「それなりにおいしいもの」を出せたほうが儲(もう)けもきちんと出るし、成功しやすいのではないでしょうか。
僕も、ゲーム好きだから向いているかと思って、ゲーム会社で働いたことがあります。でも、そこら中にゲームがあると、「飽きたら次、飽きたら次」ということが延々とできてしまいます。すると、逆にどのゲームにも没頭できず、ゲームをやっても楽しくないみたいな状況に陥り、会社も割とすぐに辞めてしまいました。
そう考えると、「好きなこと」と「仕事として向いていること」「仕事として成り立つこと」は、両立しない場合も多い気がするのです。
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