ひろゆきが「起業して失敗した人」を採用面接で評価した納得理由ひろゆき流・なまけもの経営術(1/3 ページ)

» 2021年10月23日 10時27分 公開
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 「時短社会」「働き方改革」……。働く時間はどんどん短くなるなかで、時間に追われながら、毎日をがむしゃらに生きる。しかし成果主義のこれからの社会では、その努力は報われそうにない。そんな生きづらい社会のなかで、「遅刻はするけど、きちんと成果を出す」のがひろゆきこと西村博之氏だ。

 ゼロからイチを生み出す独自のアイデアで“2ちゃんねる”“ニコニコ動画”を創出し、日本のインターネットメディアをけん引してきた。彼が考える仕事において「本当に頑張るべきこと」とは何なのか。

 なまけるのが苦手で、頑張りすぎてしまうビジネスパーソンは、いったい何を意識して働けばいいのか。「成果社会で生き抜くための時間の使い方」を伝えた『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)の中から、ひろゆき流の「なまけもの経営術」をお届けする。

ひろゆき(西村博之) 1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカのアーカンソー州に留学。99年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年に株式会社ニワンゴ取締役管理人に就任。06年、「ニコニコ動画」を開始し、大きな反響を呼ぶ。09年「2ちゃんねる」の譲渡を発表。15年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。著書に『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)など多数(撮影:干川 修)

「他人の手の平の上」で働いて楽しい?

 日本には、かつて「あめぞうリンク」というネット掲示板がありました。一番盛り上がっていたのは、もう20年くらい前のことなので、知らない人のほうが多いかもしれません。

 当時の僕は、あめぞうで遊ぶのも楽しいけれど、そうやって他人の手の平の上にいるより、自分で作ったもので遊びたいと思いました。それで作ったのが新たなネット掲示板「2ちゃんねる」です。

 開設時は米国留学中の春休みでヒマを持て余していたし、僕にはすでにプログラミングの知識もありました。そして自分が作ったものなら、仕様変更とかも好きにできます。何より、たとえ暇つぶしであっても、同じ自分の時間を費やすのなら、自分が作ったものに費やしたいと思ったわけです。

 同じころに似たような掲示板を作った人は、僕以外にもたくさんいました。だけど最終的に2ちゃんねるだけが生き残り、僕はたくさんのお金を手にすることができました。

 その要因はひとつではないけれど、そのころから僕が時間に追い立てられない生き方をしていたというのはデカい気がします。僕だけが、トラブルが起きてもすぐに対応できたし、なかなか儲(もう)けが出なくて他の人たちが見切りをつける中で、僕だけは続けていたのです。

 今あるものに乗っかるっていうのは、自分じゃなくてもできることです。そういう誰にでもできる仕事を続けて、人生の時間を切り売りしている限り、何も手に入らない。お金をたくさん稼げないことはもちろん、自分だけの技術とかセンスも磨かれません。

 だったら自分だけの価値が手に入る方向にシフトしたほうがいいんじゃないかと僕は思うわけです。

 人の手の平の上で働くのではなく、自分で一から作り上げるということです。同じ人生の時間を使うのだったら、そのほうがお金もたくさん稼げるし、何より自分自身が楽しいですよ。

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